オトベ斑尾三部作―プロローグ―
https://mountain-ma.com/emma/2016/10/04/madarao16_1/
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こんにちは、2年ぶりの登場、乙部晴佳(通称:オトベ)です。2年前、斑尾フォレストトレイル16kmで初めてトレイルランニングのレースに出場しました。
このレースは、 走ることに1㎜も興味のなかった私が初めてチャレンジしたレースであり、ゼッケン番号893というギャグなのかな?という番号を胸に走ったレースであり、エマが一緒に走ってくれたレースでもあり、いまだに一番つらかったといっても過言ではないくらい自分を追い込まれたレースであり、エマのことを鬼と呼んだ(レース中は本気で思った)ことでいまだに軍曹というあだ名を彼女に残しているという、センセーショナルなトレランデビュでした。
なつかしいな
その記憶を残しておきたいと、エマのブログに参戦記を書かせてもらたことで、この2年の間、レースに出たりグループランに参加したりすると「エマちゃんの友達ですよね?」と声をかけられたり、「エマちゃんのブログにでてましたよね?」と声をかけられたり、世の中のマニアックな方々の記憶力には脱帽するばかりです。
そんなわたくし乙部が、2年の時を経て、今回斑尾フォレストトレイル50kmを走ってまいりました。
気付いたらルイも会社の後輩になり、写真撮ってと頼んだら、シャッター押せって言ってるのと勘違いされるようになりました。
50kmクラスのミドルレースに出るには、走力に自信がないし、まじめに練習できるタイプでもないので、なかなか勇気が出なくて、2年間もの時間がかかっちゃいました。
今思えばそんなに怖がる必要なんてなかったな、とも思うし、2年間かけて、すごく順当に成長してこれたのは良かったかな、とも思ったりします。
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思い返せば1年前の2015年、斑尾。
私は2年連続で16kmにエントリーしていました。エマにひっぱってもらって走った1年目の記録を、一人で超えることが目標、とは言っていましたが、当時50kmという距離が未知の世界すぎて、怖くてエントリーする勇気がなかったのが現実です。
無事PB(自己記録)を6分短縮してゴールしました。が、その裏でひとつのエピソードがありました。
じゅんこさんという友達がいて、彼女はその年、斑尾50kmにエントリーしていました。
じゅんこさんと私はその前哨戦として同年の6月に黒姫ショート13kmを一緒に走ったのですが、じゅんこさんのフィニッシュタイムは私よりも40分ほど遅く、107人中102位でした。
当時、まわりの友達から 「(じゅんこさんは)今のままでは斑尾50kの完走は難しい」 そう思われていたと思うし、私も頭のどこかで 「黒姫がこれでは、斑尾は間に合わないんじゃないかな」 と心配していた部分があります。
その彼女が、4か月間コツコツとトレーニングを積み、斑尾50kmを制限時間めいっぱい使って見事完走したのです。その頑張りはみんなの感動を呼びました。
走ったことのあるレースで自己ベストを数分更新するよりも、できるかわからないレースにチャレンジして完走している彼女の姿のほうがずっとずっとかっこよく見えたのです。
私も来年は50kmを完走したい。じゅんこさんが完走できるなら私にもできる気がする!そう思う勇気をもらいました。それが、今年50kmにチャレンジしたきっかけです。
そして、今度はその勇気を誰かに “pass the baton” したいと思い、エマのブログに50km参戦記を再び書かせてもらうことに相成りました。それでは、長くなりそうですがはじめてまいります。
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<準備編>
私は走る、という行為自体は今でも得意でも好きでもないです。
基本餃子食べてビール飲んでます
中学時代陸上部だったなんて過去の記憶は東京湾に沈めて海の藻屑にしました。ランナーがよく月間走行距離が何kmだ、とかいいますよね。正直私、お恥ずかしながら、走り始めて約2年月間、走行距離100kmを超えたことがないんです。だめなんです、淡々と舗装路を走り続けるのが。すぐ飽きちゃう。すぐ心折れちゃう。そんなランナーに必要な素質が皆無な私ですが、その代わり登るのは得意で、なぜか好きなんです。
東京タワー練も楽しかった
だから、「苦手なことを克服するより、得意なことを伸ばそう」、そう思って斑尾エントリーを決めてからの1年間は積極的に山に行きました。
今年富士山には2回登りました
そして、もう一つやったこととしては、必要に迫られないとできないタイプなので、積極的にレースに参加したり、ボランティアしたり、友人のレースサポートに行ったりして気分を高めました。最初は、レースに一人で行って、一人で帰っていましたが、いくつものレース会場に足を運んだり、参加したりしていると自然と友達や顔見知りが増えました。これは今回斑尾を走る上で、とても大きなエネルギーになったと思っています。
特にスリピのボランティアは楽しかったな
仲間と走る。それが、トレイルランニングの醍醐味だとも思いました。それはメンタルだけでなく身体にとっても良くて、2年間かけて徐々に出るレースの距離を伸ばしながらゆっくり準備してきたので、私は今まで出たレースでは1回もトラブルに見舞われずに済み、飽き性の私にしては楽しく続けられている理由だと思います。
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<装備・補給編>
走る時も自分の好きな服装に身を包みたい。そんな人も増えてか、最近は昔よりも気の利いたデザインのランニングウェアが増えたように思います。私は、そんな自分のテンションを上げてくれるウェアやギアに加えて、思い入れのあるものを持つようにしています。
斑尾50kmの装備はこんな感じ
例えば、エマがくれたバフ。ハッカ油をたらして腕に巻き、虫除け代わりと、汗拭きに使っています。右手で汗拭くたび、エマの
歩かないで走って!
限界超えるのがトレランだよ!
という2年前のスパルタレースが思い出され、足が恐怖で前にでます。この、思わず足の出るアイテムを身につけるシステムは非常にオススメ。
補給は比較的得意です。胃腸が強いわけではない私が、今まで熱中症、インシュリンショック、嘔吐など、補給関連のトラブルには一切見舞われたことがなく、足が攣ることもなく完走できているのは、もちろんそこまでハードなレースにでてないからかもしれませんが、上手に補給できてるからなのかな、と思っています。
・ハイドレにポカリ1リットル
・ボトルに麦茶600ml
・天気が良いときは炎熱サプリを積極的に
・ジェルは基本magonを1時間に1本
・まじでキツい時にここでジョミ
・2時間に1本のmagma
これに加えてエイドで固形物を食べています。特にお米を食べると本当にすごく元気がでるので、食べたくないな、と思っても食べるようにしています。これでトラブル一切なく乗り切れています。マグマ大使エマちゃんから安達太良トレイルのレース前に餞別にもらったmagmaも持っていきました。
この日も餃子食べてた
回復系サプリは効果がよくわからなくてずっと興味がなかったけれど、とにかく甘いジェルばっかり摂取するレースにおいて、抹茶味というこの味がとてつもなく気分転換になり、ほんとに救われました。
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さて、十分かと言われれば、十分じゃない準備でした。レース前には悪あがきに内田治療院で鍼ぶっさしてもらい、突如ポチったランブルローラーもどきでとにかく筋肉をほぐしました。
赤い斑点は虫刺されではなく鍼の跡
雨を理由に走れなかった日々。
たくさんの言い訳を考えながら過ごしましたが、とにもかくにもレースは始まるわけで、わたしは3年目の斑尾フォレストトレイルの新たなスタート地点に立ちました。
(後編につづく)