いきなりですが、「初心に返る」ってむずかいと思いませんか。
だって心は育っていくし、経験や想い出は積みあがっていくし、上書きされることだってある。初めての時の気持ちを、その時のままの自分でもういちど再現するって無理に近い気がしています。そして、それはそれで仕方ないしそういうもんだと、最近は思っています。
でも最近、初心を思い出し、体感するタイミングがあって、ハッとしたのです。
それは、あの時の自分と同じような状況で「初めて」を体験する人を身近に感じること。
「あぁ、自分も当時はそんな風だったなぁ」
っていうやつです。
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ここ最近ひょんなことから、トレイルランニング仲間とは違う繋がりの友人と一緒に走るようになりました。山仲間ですが、どちらかというと「ランニングが苦手」。山仲間にそういう人は案外多い気がする。山が好きだからってトレイルランもやるわけじゃないし、トレイルランが好きだからって登山をするわけじゃない。どっちも同じ登山=山に登ることだけど、意外とその2つのジャンルに壁を感じている人は多いと思います。そんなこともあって、一緒に山へ行ったことはあった友人から「こんど一緒に走ろうよ」と言われて、思わず「なんで?」と言ってしまったのです。
そうしたら、「なんでよ」と。出てみたいと思っていたレースがあったみたいで、それもまた意外だったのだけど、“意外”というイメージはわたしの思い込みでしかなかった。考えてみれば、トレイルランをやっている友人が周りにいるならなおさら自然なこと。てっきり、あえて走らない、走るのなんて興味ないっていうスタンスだとか、そんな風に見てしまっていたのかもしれない。そんな自分に猛省しつつ、あんまり走っていなかった友人が一緒に走ろうよって声をかけてくれることの嬉しさたるや。長い距離を走るようになってから、気軽に声をかけてもらえることも、自分から新しいランニングコミュニティに入っていくこともちょっと縁遠くなってしまってさみしい気持ちだったのかもしれない。
それから数回、平日夜に走る度に色んな話をしながら、ギアを買い揃えたり、少しずつ走れる距離が伸びたり。さすが山を歩いているだけあってわたしが始めた頃よりもずっと展開が早くてこちらが驚くほどで。そして、わたしにとって日常のほんの10kmも、「楽しい、楽しい」「どんどん走れるようになっていくのが嬉しい!」と目を輝かせるその様子に、ふと以前の自分を思い出して心揺さぶられたのです。
なんでもかんでも、とにかくやることなすこと(笑)、楽しくて楽しくてたまらなかった最初の頃。(もちろん今も楽しい!)
あのフレッシュな頃と同じような「初めてのわくわくがあふれている人」と時間を共有すると、なんとなくわたしもいい意味で同じ気持ちに包まれて、自然に時間が巻き戻る感じがして楽しい。たとえば生徒を教える先生やコーチもおんなじ感覚になったりするものなのかなぁ。
最初の頃のブログを読み耽ってみる。
いや~なんか格好とか時代を感じる!
過去のSNSの投稿を消しちゃう人も多いけど、わたしはブログもSNSも基本的に恥ずかしいものも含めてそのまま。遡って見られると都合が良くないものだってなくはないけど(笑)、過去は過去。初心に返るのはむずかしいけど、たまには振り返ってもいい。今でも過去のレースレポートは結構アクセスがあります。機会があればぜひアーカイブも読んでみてもらえれば残している意味があるので嬉しいです。最初の頃ほど包み隠さずそのままの想いや感情を書いていて、すっかり着飾ったり斜に構えたりすることを覚えてしまった今を考えさせられたりね。今の今だって少し経てば「未熟な頃」になるけどね。
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どうも初心に返れなくなってしまって、そんなもんだと割り切りつつも漠然と不安を抱えていたこの頃。良いきっかけが見つかって、またフレッシュな気持ちになれそうです。今年は原点回帰。もう一度トレイルランニングにどっぷり浸かってみようと思っています。
初戦はすでに終えて次に向けて気合十分ですよ。
自分自身の参加だけでなく取材はもちろん、ボラや応援にも積極的に足を運ぶ予定です。
みなさま、今年はまた、レース会場で会いましょう。
<直近の予定>
3/9-10 GARMIN100 (Hong Kong) 完走
4/26-28 UTMF
5/11-12 ASO ROUND TRAIL