ITRA(インターナショナル・トレイル・ランニング・アソシエイション)という組織があります。
じつはこのITRAが「トレイルランナーの世界ランキング」なるものを算出しているんです。
ITRAによる、2011-2013年3年間の、世界の主要レースのリザルトをポイント化して計算した、現状の世界イチ速いトレイルランナー(ウルトラ部門)は・・・
去年のUROCや年末・サンフランシスコのTNFエンデュランスチャレンジを制したロブ・クラー/Rob Krar(アメリカ、TNF)!
その他、世界のトレイルランナーに詳しい人なら聞いたことある名前がそろいぶみでしょ?
・・・って、あれ、ロブ・クラーは19番目にも名前が出てますね。どうもカナダ国籍でレースに登録されていたか、US国籍で登録されていたかで分割カウントされてしてしまったようです。ということは、真のトップはイケル・カレラ/Iker Karrera(スペイン、Salomon)!
じつはこのランキングは試算段階のパイロット版。だからこんなミスがある、完成度イマイチのものなんですね。春に正式なものが発表されるそうです。
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にしても、世界中にいろんなレースがあって、すべてのランナーが同じレースで競い合ってるわけでもないのに、どうやってランキングをつけるんでしょう?
でも、これがなかなかにフェアな計算でポイント化されています(と個人的に感じてます)。
ランキングの元となるポイントは1000点満点。最高が1000として、各レースごとに、そのランナーが相対的に何ポイントかを計算。1位のランナーが最高点で、2位・3位以下は1位とのタイム差などを考慮してポイントが決まります。
ややこしいのが、優勝しても1000点がもらえるわけじゃないって点。詳細は僕もよくわかってないので省きますが、各レースごとに、参加ランナーのレベルやそのフィニッシュタイムから「そのレースの競技レベル」を算出します。UTMBなどの競技レベルが高いレースで優勝すればポイントが高く(800点台後半~900点台、つまり実際の最高得点は1000点にはなりません。ややこしー)、ローカルレースなどではレコードタイムで優勝してもポイントは低めです(800点以下だったり、700点以下の場合も)。
で、各ランナーごとにベストな5レースのポイントを平均点化したのが上のランキングってわけ。
もちろん世界の全レースをポイント化しているわけではないから、漏れているレースもあります。でも日本ならUTMF、ハセツネ、おんたけなど、UTMBポイント対象レースあたりがカバーされているようです。
それから忘れちゃいけないのが「DNFは0点でなく、ノーカウントになる」って点。つまりDNFしても平均点は下がりません。そのため、上位ゴールもあればDNFもそこそこ多い、というランナーには有利(笑)。世界最強ランナーの呼び声高いキリアン・ジョルネ/Kilian Jornet(スペイン、Salomon)のランクがやや低めなのは、2013年のレユニオン(序盤のトップ争いから脱落するも、最後まで走りぬき22位で完走。640ポイント)が含まれているから。とはいえ単純な平均点だともっと低い順位になるはずなので、このITRAランキング、かなり複雑に、実力者がなるべく上位にランクインするよう算出されている模様です。
ちなみにITRAと、今年からスタートするウルトラ・トレイル・ワールド・ツアー/UTWTとITRAはパートナーシップ関係にあり、UTWTの上位入賞者へのボーナスポイントは、このITRAランクを参考に加点されます。
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上のランキングの続きはこちら。日本人ランナーの名前も登場、やっぱりこのお二人ですよね。
ITRAのランキングでは、なんと、日本人ランナーだけのランキング、つまり日本ランキングも見れちゃいます。つづく。