2010年大会のの抽選結果終了後の1月中旬ごろから、たまたま2009年までにUTMBとCCCの両方を完走した日本人は私一人だったためか、知り合いか否かを問わずUTMB についての質問をよく受けました。
代表的な質問は
「どの程度の走力があれば完走できるのか?月間どのくらい走っているのか?」
というものと
「どんな服装、装備を使ったのか?」
というものです。
どうも未経験者はこの辺が一番気になるようですので、今回はこのうちの走力と練習量について思うことを書いてみます。
まず走力、練習量ですが、エントリー資格を持っている人なら走力、練習量ともに十分だと思います。
私の場合2009年は1月からUTMB 向けに練習をはじめ、8月中旬までの月間走行距離はだいたい120㎞、山歩きは30㎞でした。5月に野辺山100㎞に参加したため、いつもの年より距離が延びています。スピードも平均するとキロ7分台、山歩きの時は3㎞-3.5㎞です。
以前友人のブログにも完走のためのヒントを書きましたが、その中でも書いていますが、フルマラソンを5時間以内で走ることができ山歩きの好きな人なら、必ず完走できます。
過去の日本人の完走率が大体50%前後なのは実力がないのではなく、ペース配分、休み方、装備の使い方などの戦略面が間違っているだけで、走力の問題ではありません。実際私のフルのタイムはこの10年は4時間55分前後です。
ですからすでにフルマラソンを5時間以内で走ることのできる人は、走力に関しては何も心配しないでレースまで過ごして大丈夫です。体力に関しては山歩きの実力も必要ですが、これはまた別の機会に書きたいと思います。
私がよく友人に話していることですが、UTMBはスタート直後の8㎞の車道と林道をキロ8分で走れば後はずっと早歩きで必ず完走できます。UTMBはトレイルランニングのレースではなく、トレイルウオーキングのレースなのです。このことをしっかり理解ないと失敗してしまいます。UTMBとは「小学生の高学年の生徒でも歩ける安全かつ容易なハイキングコースを使った、昼間は暑く夜は氷点下まで冷え込む可能性のある気象条件下で行われる、超長距離の早歩きのレース」です。
どうも2-3年前までは、スポーツ用品メーカーやプロのトレイルランナーが世界最高峰のトレランレースだとか、完走するのはとても大変などと事実と異なることを言っていましたが、スポーツ用品メーカーはそうい言うことで結果的に自社の商品を売るのが仕事で、プロランナーはとても困難なレースで活躍したということで自己の商品価値を高めたがるのは当たりまえです。このようなコマーシャリズムのせられてしまう人は結果としてレースに対する分析やそれに基づく対策を間違えてしまい、過去のUTMBの結果を見てもいくら早くても完走は難しいと思います。
一番良くないのはUTMBはどのようなレースかとの分析がきちんとできずに、ハードなランニングの練習をして足や体が疲れ切った状態でレース当日に臨むことです。どうもそのような人の場合は経験上100㎞あたりから急激に減速する人が多いようです。そのような時間や体力があるのならば、その代わりにのんびりとした山歩きをするほうが格段に効果があります。
もう一度言いますが、私はフルマラソン4時間55分、月間走行距離120㎞で最初の8㎞と140㎞あたりで5㎞を走ったのを除き歩きで時間内で完走しています。装備もトレラン用の装備よりも普段着やハイキングの時の装備類がほとんどでした。
では次回は完走のための山歩きとはどういうものかについて書いてみます。 次回は本当に乞うご期待!です!