今日は練習方法について考えてみます。
その1で書きましたが私の練習量はかなり少なめです。2009年こそ1か月で120㎞ほど走りましたが、通常は100㎞以下で、0-30㎞ぐらいという月も多いです。
私の練習に対する基本的な考え方は以下のことです。
● 月に150㎞以上は走らない。
●キロ6分未満では走らない。
●連続して4日以上走らない。
●疲れを感じたら1週間ぐらい完全休養とする。
●月に50㎞ぐらいゆっくりと(時速4㎞以下)山を歩く。
この原則を守ったうえで、UTMBの練習として以下の練習をしました。
1. 2晩寝ないで山を長距離歩く練習をする。
UTMBをギリギリ完走を狙うレベルですと、2晩寝ずに歩く必要があります。寝ずに歩くと大幅にスピードが落ちます。特に2晩目はそうです。事前に2晩寝ずに歩くことで、体や心がどのような状態になるかをつかみ、そのあとにそれに対する対応策を考えました。
基本的には回数をこなせばだんだんと寝ないで歩くことになれてくるような気がします。また2晩寝ないで歩けばかなりの長距離を歩くことができます。2008年から2009年にかけて私はハセツネダブルと称してハセツネコースを2周続けて歩く練習をしました。結果的には1周か1.5周でやめてしまうのですが、それでも100㎞以上を歩くのはUTMBのためのいい練習になりました。
UTMBを完走したのなら5月から7月の間に100㎞以上の山歩きを最低でも3回はやっておくといいと思います。
1回目は二晩寝ずに100㎞を歩くのがどのような負担があるのか。
2回目は1回目の問題にどのように対応したらよいかの実地での検討。
3回目は理想に近い歩き方を目指します。
できれば3回のうちの1回は120㎞ぐらい歩くとUTMBのための練習としてはベストだと思います。経験上120㎞前後でガクッとペースが落ちることが自分自身もまわりの人でも多いと思います。
2. 食べないで長距離を歩く練習をする。
長距離を走るとかなりの確率で胃をやられて食べ物を受け付けなくなります。私も2009年のUTMBでは107㎞のラフーリのエイドを最後に固形物を受け付けなくなりました。しかし事前にハセツネのコースを水だけで歩いた経験があったので、残り60㎞なら食べなくても歩けるという確信をもって歩き通すことができました。
よく完走できなかった人が、胃をやられて食べ物を受け付けずハンガーノックになってしまいリタイアせざるを得なかったという人がいますが、ただの練習不足(食べないで歩く練習の不足)でしかないと思います。水を飲んだら低体温症になったなどと情けないことを言った人もいますが、食べないで歩いたら体がどう反応するのか、疲れがひどい時に冷たい水を飲んだら胃がどうなるのか、それに対応した練習をしていれば何とか対応ができるはずです。月間の走行距離を延ばしたりフルマラソンの記録を伸ばすだけが練習ではないはずです。
3.長い上り下りの山道を歩く
UTMBの場合標高差が800m以上の登り下りが結構出てきます。その対応として1,000m以上一気に登り下りする山を歩くようにしました。高尾山のようなアップダウンが少ないコースですと、どうしても長い上り下りで要求される、長時間同じ筋肉を使う練習ができないような気がします。2009年当時私の住んでいた中国にはそのような山が近くに無かったため、日本に一時帰国した時にはなるべく一気に1,000m程度の標高を稼ぐ練習をしました。
コースとしては東京近郊であれば、甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根、谷川岳の西黒尾根、丹沢の大倉尾根、奥多摩の鴨沢からの雲取山のコースなどがその条件を満たしていると思います。
また練習に関してはそれほど注意しているわけではありませんが、距離を走る練習をしていると足に負担があるので(私の場合は月間100㎞の練習でもかなり疲れを感じます)、時々は坂道などを利用して短くて(1-2㎞)足には負担が少なくても心肺の負担になるような練習を入れるようにして足への負担を抑えるようにしています。
実は私も先週2014年のPTLにエントリーしました。そろそろ少し頑張って練習をしようと思っています。その過程で思いだしたことや気づいたことも時々ブログで書いていきたいと思っています。
1 コメント
[…] Mountain Martial Artsに寄稿している蚊取り線香さんのblog記事「UTMB完走のためのヒント(その4)」のまとめ. […]