先日香港に山歩きに行ってきました。場所は空港のあるランタオ島の最高峰で、香港で第2位の高さを誇るランタオピークです。この日は街中でも35度を超え、香港の山は日本の山と違い、高く登れば登るほど太陽に近くなって暑くなるため?ランタオピークはでは日向の気温は40度を超えて想像以上に大変な登山でした。
なぜそんな暑い時期にわざわざ登るのかというと、香港の山、特にランタオ島の山は夏がきれいなのです。 冬の間は北風で中国からの汚れた空気が流れ込むため、視界が悪くなんとなくどんよりとしているのですが、夏は南シナ海からのきれいな空気に覆われることと、太陽がこれでもかというぐらいギラギラと輝きまくっているため景色がキラキラ輝いています。また山が急なため東西南北すべての方向に海や島が見えることも多く、日本では味わえない登山を経験できるからなのです。
今回は駅を出たらすぐに歩き始めます。香港の多くの山では日本のように登山口までバスに乗る必要などありません。駅からすぐに登山を開始できます。最初のうちは高層ビルの間の歩道を歩いていきます。街中をしばらく行くと海沿いから登山道が始まります。
何度も言いますがともかく暑いです。暑さになれている香港人にどんどん抜かされますが、香港人を抜くことは絶対にありません。暑さで心拍数が異常に上がるため、100歩登っては10秒休むことを1時間ほど続けていると途中標高450メーターほどのところにある観光地に出ます。ここは東洋最大の屋外の大仏があるところで、売店や土産物屋が立ち並んでいます。もちろんバス停もありますのでてっきりここからバスでスタート地点に戻ってビールを飲むものだと思っていましたが、同行の友人に聞くとまだまだ先に進むそうです。
そうは言っても暑いのでまずは飲み物休憩です。今回は友人お勧めの塩入りスプライトです。 お店の人が作るのを見ていると、レモンの皮を細かく刻んだものとやはり細かく砕いた氷にスプライトを注ぎ塩を入れるだけですが、暑さのせいか塩が効いていて最高の味です。今回の登山の収穫は塩入りスプライトの存在を知ったことだといっても過言ではありません。皆さんも来年の夏になったらぜひ試してみてください。
さて登山ですが、塩入りスプライトで疲れが多少は取れたのか、大勢の香港人や欧米人に抜かれながらも何とかランタオピーク登頂に成功します。
あとは2.5㎞で600mを下る一方ですので、気力、体力を振り絞り、朝からの合計で11㎞ほど歩きバス停に出たところでバスに乗りスタート地点の中国式喫茶店に到着です。
やっとメインイベントのビールの時間です。ところがあまりの疲労でビールが飲めないのです。食事ものどを通りません。これでは何のために暑い中を何時間も歩いたのかわかりません。
私は先日MMAの渋井さんたちと奥穂高に登ったばかりですし、遠い昔にはモンブランやマッターホルンやその周辺の山々の標高差1000mもの岩壁、氷壁を駆け登ったこともあるのですが(この辺はもう事実を知っている人がいないのでかなり誇張があり、本当はヒーヒーゼーゼー言いながらやっとの思いで登ったのかもしれませんがそれは秘密です)、こんなに疲れた記憶は2-3度だけです。香港の山侮るべからずです。
香港は一般的なイメージの摩天楼の都会だけではありません。自然がたくさん残っています。トレイルレースも一年を通して多く開催さており、どのレースも独特な魅力があります。
下にいくつかのレースをご紹介しますので是非香港のトレイルレースにもいらしてみてください。
King of the hills
http://www.seyonasia.com/koth.php
年間4戦を行いKingを決めます。フル(30-40㎞ぐらい)とハーフ(15-20㎞ぐらい)の部があるので実力に合わせて参加できます。コースも楽しく、参加費も安く、走った後はビールもいただけて、ずっと続けてほしいレースです。
Vibram Hong Kong 100km
http://www.hk100-ultra.com/
最近は日本でも大人気で来年1月のレースは抽選です。海、山、村、夜景、時には野犬との戦いなどが楽しめ、ボランティアのホスピタリティーも抜群です。 難易度は信越五岳と同じぐらいですが制限時間が緩いです。個人的にレースで砂浜を走ったのはこのレースだけです。
Hong Kong 168
http://www.hk168.com.hk/
その名の通り168㎞のレースです。制限時間が優勝選手の約1.5倍とかなり厳しいのが欠点で私には縁のない大会です。完走するにはUTMF を30時間未満というのが最低条件(これでも少し完走は厳しいような気もしますが可能性がゼロではないと思います)だと思います。そのせいかどうかハーフの部もあり、こちらは信越五岳やおんたけ100㎞を完走した人なら問題ないと思われます。
Lantau 70
http://events.lantaubasecamp.com/salomon-lt-70.html
ランタオトレイルという人気トレイルを利用したレースです。70㎞という距離と18時間の制限時間に騙されてエントリーする私のような間抜けな人が結構いますが、ハセツネを18時間未満で完走できれば大丈夫だろうなどと思っているとえらいことになります。コースは最高ですがHong Kong168同様トレラン上級者向けだと思います。
Trans Lantau (100km)
http://www.translantau.com/
ランタオ70同様コースはいいですがそこそこ厳しいレースです。ただ制限時間が緩いので日本で100㎞のレースに完走したことがあればなんとかなると思われます。ただ私は昨年70㎞地点で野犬の大群との戦いに敗れて完走していないため詳しいことはわかりません。
次回はPTL失敗について書く予定です。なぜPTL史上おそらく最短で、今後もPTLが続く限り破られることのないであろう28㎞でリタイアすることになったか反省や分析をしてみたいと思います。