先日その2でハセツネコース1周の時間がマラソンのタイムの4倍以上かかる人向けの練習方法の一例を書きましたが、一つ書き忘れたので補足します。
前回の内容の一部は山が苦手な人に対して下りの力をつけましょうという提案でしたが、あと2か月半で大幅に下りの実力をアップするのは、現実問題として難しいと思います。
技術面の進歩は突然やってくるので、次回の練習で突然下り方に開眼する人もいれば半年後の人もいると思います。今回は半年後の人がではどうしたら少しでも下りでのロスやダメージを防ぐかという対策です。
結論ですがストックを積極的に使うことがいいと思われます。
ただ使い方が難しいです。一般に言われている使い方では失敗する可能性が大きいと思います。
長距離のトレランでのストックの役割は、あくまでバランスの補助と下りのダメージの削減です。
よく言われていう使い方である、ストックのサポートで登りをガンガン行く、という使い方ですとフルマラソンが3時間以上かかる人は必ず失敗します。
登りはストックを使わないほうがダメージが少ないはずです。もし使った方がダメージが少なく感じる人がいたらその人はそもそも登りの歩き方自体が間違っている可能性が高いと思います。
ではどう使ったらいいかですが、基本は下りで自分の足もとの横30㎝-50㎝のところに軽くつく感じです。
足より大幅に前に出してはいけません。歩き方が悪くなりますし、怪我のリスクが大幅に増加します。どんなに出しても足先の20㎝ぐらい前までが限界です。
よくレースで前かがみになり足の1mぐらい前に出している人を見かけますが、50㎞ぐらいまでのレースなら多少危険ですがそういう使い方もありだとは思いますが、それより長いレースではデメリットだらけでメリットは全くありません。
感覚的な表現になってしまいますが、下りで足にかかる負担の5-6%をストックで軽減するぐらいが最終的に効率がよくなるような気がします。もちろん足場の悪いところや滑りやすいところで多少ストックに頼る(10%-20%)というのはありでしょうが、あくまで一時的な対応です。
ストックに関してはほかにも以下のメリットがあります。
1. 足の骨折、捻挫、発熱などの時のセルフレスキュー(負傷者の運搬)に非常に役に立つ道具である。
2. 捻挫や膝を痛めた時に、ストックなしでは歩けないレベルでもストックがあれば何とか歩き続けることができる。
3. 野犬や野生動物に遭遇した時にストックで応戦できる(香港や中国ではこのために持っている人も多いです)。
ストックの使い方は文章での説明が難しいので、ご興味がある方はぜひ蚊取り線香塾の練習会にご参加ください。6月13日夜‐6月14日朝の奥多摩の練習会ではストックの基本的な使い方も説明予定です。
最後は宣伝になってしまい恐縮ですが、6月10日締切になっていますがまだ枠があり、それ以降もお受けできると思いますのでご参加をご検討ください。ご興味がある方は詳細に関してMMAにお問合せください。
またまだ確定ではありませんが7月にもUTMB、UTMF等の対策の練習会で講習内容の一部としてストックの使い方もご説明しようかと考えています。