今年の2月に「最近考えている(多少不愉快に思っている)こと」という文章を書きましたが、今日はその第二弾の様な文章です。
書く私も読まれる方も愉快な内容ではないのですが、これをご覧なっていただくことで今後のやり取りがスムーズになることもあるかと思い、愚痴を兼ねて書く文章です。
愚痴を書き連ねるわけでいつも以上に読みにくい文章になると思いますが、ご容赦ください。
最近3組の方から海外登山のアレンジのお問い合わせをいただいきました。
1組はフランスのシャモニ周辺での登山、もう1組は中国四川省での登山、もう1組はアジア地区での登山です。
3組ともに共通していることは、通常の登山を扱う旅行会社では対応できないご要望でした
(日程や目的の山の要求がかなり細かい、出発の直前、予算が旅行会社のツアーの半分程度、
人数が2人で通常10人前後が催行する条件のツアーに入り登山するのが一般的な山にもかかわらずが、日程、予算の関係でツアーに入れない、あるいは入りたくないなどです)。
シャモニ周辺での登山のお二人は無事予定を終わられて、期間中もシャモニのスタッフから
とても満足してもらっているとの連絡を受けており、ご帰国後にはご本人から充実した登山だったとお礼のメールをいただき、喜んでいただけたようです。
四川省のお二人は来週の出発です。
このお二人は少し調べればわかるようなことを大量に質問してきて結構大変でしたが、
そのやり取りを通じて不安が少なくなり、またこちらも何とかご要望を満たすことができ、
おそらくは楽しんできていただけると思っています。
また現地のガイドも情報が入ることで安心感があり好印象を持っためか、
初日の移動には一日無料で日本語通訳をつけてくれることになりました。
どんな仕事でもそうでしょうが、相手に好印象を持たれたほうが絶対に得で、
難しい要望があったときにも好印象な場合には何とか対応しようと努力したり、
料金を抑えたりしようと努力します(たとえば今回の四川省に行かれる方の場合の日本語通訳は顧客に通訳が必要な場合、費用は8千円ですなどと言って請求をすることもできますが、印象が良ければ請求はしません。これを今読まれている人も同意していただけるのではないかと思います)。
この2組がとりあえず満足していただけているのは、以下の理由があると考えています。
1.わからないことをかなりの高頻度で質問してくる(ちなみに契約前に高頻度で質問してくる人は経験上100パーセント契約まで至りません)。
2、ツアー(アレンジ)にたいする要求事項をきちんと伝えてくる。
3.無理な要求の部分についてはそれが無理だと理解したうえで、少しでも近いプランを希望される。
4.こちらからの質問に的確に回答があり、こちらからの提案を前向きに検討する。
5.やり取りがすうまく進むので相手に対する印象がよくなる。
まず要求事項がはっきりしないと、こちらとしては計画の立てようがありません。
今までお問い合わせがあってもまとまらなかった人は、情報収集が目的な人を除いて、要求内容がはっきりしないことが大半(数件については予算が相場の半分以下などといった場合もありました)です。
次に無理な要求を言われても、無理なものは無理ですし、そのような人とはかかわりを持ちたくありませんのでお断りすることになります。
質問に答えるということですが、こちらとしては計画を立てるにあたり最低限知る必要のある情報があります。
例えば通常3日かかる所を2日で行きたい方の場合は、奥多摩や丹沢あたりの代表的なコースをどの程度の時間で歩いたとか、レベルの高い山の場合は登攀能力や過去の登攀歴なども必要です。
上の2組の方はこちららからの質問に対してすぐに返事が来たことで、手配自体は手間がかかり大変でしたが、最終的にかなり無理のあるご要望に応えることができました。
これがこの方たちに満足していただけた理由の一つではないかと考えています。
今日話題にしたいのは3組目の方です。
もともとのご希望が通常日本からの移動を入れて最低10日必要なのですが、
この方たちは9日でやりたいということと、また他社のツアーが8人以上で催行するという条件での価格を、2人条件で70パーセントほどでの価格を出したのですが、
もう少し安くしてほしいとのご要望でした。
私としてはこのようなご要望をクリアーできれば将来の集客を考えれば有利なので、
難しいパズルを解くような感じで仕事を進めていました。
その過程で必要な情報をお聞きしてもいま一つきちんと答えてくれず、メールでのやり取りから受けたのは、こちらがお金を払うのだからお前は言われたことをさっさとやれ、といった感じです(さすがにそのような直接的な表現ではないのですが、毎回メールを見るたびに多少不愉快になる程度の文章でした)。
ほかにもこちらの質問や提案には答えない(お二人とも女性のため、見知らぬ私に情報を出すことに心配だとか抵抗感があったのかもしれません)、常に若干高圧的、一方的と感じるようなメールの文面などが続いていたところ、今日一般的には喧嘩を売っていると取られてもしかなたのないような文面でのメールが来たため、だいぶ悩んだのですが(私からは要望に沿った形で確実にアレンジできるかどうかはまだわからないので飛行機のチケットは取らないようにとの話しをしていたのですが、それに反して予約。ほかにもかなりいろいろと手続きをされていたようです。またご希望のアレンジが他社でできるとは考えられず、私が断る=計画断念、もし他社が受けたとしても費用が最低でも一人20万円前後の大幅アップになるなどです)これまでのやり取りでの印象もあり、アレンジをお断りすることになりました。
他ではアレンジが難しい登山(多分不可能)なので、今後どうされるのかなと気にはなったのですが、それらのことを考えてもお断りしたほうがいいだろうとの判断でした。
オーダーメードの登山やツアーの場合、まず基本的に必要な情報や要望事項を伝えていただかないと特別なアレンジは非常に難しいです。
旅行会社の登山ツアーでは原則として健康な人なら通常問題ないであろうという計画を立てますので、
細かい情報は要求されないと思いますが、特別なアレンジ(期間の短縮など、難易度の高い登山)の場合は必要な情報をいただかないとやはりアレンジが難しい(場合によってはアレンジできません)です。
例えば今回のこのお二人の件ではありませんが、
モンブランに登る場合はこちらとしてある程度雪山の技術や体力を知る必要があります。
通常現地ガイドは3日で仕事を受け、最初の1日は顧客の登山技術を確認するため、
高度順応を兼ねて標高の高いところで氷河歩きをします。
ですからもしスケジュールの関係で2日で登りたいと言われた場合は現在の実力を伺い、
私の方でこの人はモンブランに登るだけの技術、体力があると判断した場合は、
ガイドにその旨を説明して2日で受けてもらうよう説得します。2日では無理だと判断した場合には3日にするよう説明や説得を行います。
この時に私に判断材料になる情報をいただかないと、私もガイドを説得できませんので、
結果としてアレンジができません。
オーダーメイドのツアーや登山の場合以下のこと考慮して多くとお互いにスムーズに進むと思います。
まずオーダーメイドの登山はお互いの協力のもとに計画を作り上げていくことになります。片方から一方的に進めていくようなやり方では計画を立てることが困難です。
ですから必要な情報はきちんと提供し(これはこちらからもお問い合わせをいただく側からも双方向で必要です)、相手に対して信頼感、安心感を与え、結果的にイメージをよくする。
相手とやり取りをする場合には最低限のマナーや常識をわきまえた対応をする。
たとえそれまでのやり取りでうまくいかない部分があり多少の不満があっても、
いきなり相手に喧嘩を売っていると判断されかねない対応は取らない。
情報の提供とお互いに好印象を築くことはとても重要だと思います。
上に書いた無料の通訳のアレンジなどがいい例です。
今回お断りしたことで、「短気を起こさず我慢して受ければよかったのでは?」とか「この2人は希望の登山が出来なくなってしまう可能性が高いのだろうな」などと思い、私も結構落ち込んでいます。
このようなことがないよう、マナーをわきまえたやり取り、相手の立場、状況を考えた対応をしていきたいし、相手からもそのような対応をしていただきたいと思った次第です。