2019、2022、2023年とTor des Glacielsでイタリアに行っていましたが、
2024年は久しぶりにスイスへ。2017年のIrontrail以来。
■結果
まず今回のレースは、8月26日(月)21時にスタート、前半の316kmは計時・順位無し。
9月1日(日)の0時に280km地点のライフベースを再スタートし、
残り36kmで前半終了、360カテゴリーのスタート地点から10時に同時スタート。
後半(360カテゴリーと同じ)の381kmは計時・順位あり。
後半が116時間36分23秒で総合10位、年代別4位。
一応、前半合わせて209時間35分32秒(非公式)。
■睡眠・休憩
前半の睡眠は合計16時間半。
280km地点での大会ルールによる滞在が26時間、この間はほぼベッドでごろ寝。
9月1日(日)0時からの後半の睡眠は合計13時間ちょっと。
いつもと違うのは、Tor des Glacielsのように24時間以上行動しようとすると、
強烈な眠気に襲われたため、後半はきちんと寝る作戦に変更。
また、食事や足裏のケアを念入りに行うため、
ライフベースやエイドでの滞在時間はかなり長めでした。
最終日はちょうど24時間動いてゴールでしたが、
400マイルレースは、300マイルとはまた違う世界だなぁと実感しました。
■食事
行動食は1時間に1個の計算で持ち、
プラスしてジェルなどを補いました。
280km地点での滞在時には、行動食が足りなくなると考え、
スーパーで15個行動食を追加、これは良かったです。
結果余ったのはジェルが5個にプロテインパーやようかんが各2~3個だけ。
前半のエイドは簡素で、チョコレート、ミックスナッツ、ドライフルーツ、パンなどとドリンク(水、コーラ、シロップ)ぐらい。
後半のエイドは場所により差があり、前半と同じところもあれば、パスタなどが食べられるところもありました。
食べ過ぎてお腹を壊さないように食事はほどほどにしたのが今回は良かったです。
■コース・景色
SwissPeaks、という響きで、標高の高い絶景を行くように聞こえるかもしれませんが、
前後半とも標高2,000m以下の樹林帯を進むことの方が多いです。
スイスの里山トレイルと思った方が正解です。
イタリアと違い土のトレイルも多く、日本のトレイルに近い印象です。
景色も標高の高いところは素晴らしいですが、
基本樹林帯の中を進むことの方が多いです。
■今回の反省
正直もっと追い込むことができたかなというのが実感です。
少し丁寧にエイドワークをし過ぎたのと、
もう少し睡眠を削って登りのペースアップすることもできたかなとも思っています。
もう一つ、ライフベース2で食べた料理(ハム・チーズ・メロンなど?)にあたったようで、
ヒスタミン食中毒と思われる症状がその後すぐに出てゴール直前まで続き、
腹痛やのどの痛み・舌の痺れが続きました。
後半2日目の夜は熱も出ましたが、大事には至らず、
そのまま淡々と無理し過ぎずにレースを進めました。
ライフベースの食事をコントロールするのは難しいのですが、
やはり怪しい「料理」はレース中は避けた方がいいな、
というのをあらためて実感しました。
(※途中何か所か、小バエが飛んでいるところもあり、
衛生面に不安を感じた屋外・屋内エイドもありました。)
■大会として改善してほしいこと
正直今回のレースは、オススメです! とは言い切れないことが多くありました。
大きいのが、GPSデータと実際のコースマーキングがかなり違い、
GPSデータを信用することができないというのがありました。
また、前半はコースマーキング無しでGPSデータをたどるのですが、
おそらくSwissTopoの地図上の登山道を人工的になぞってGPSデータが作られており、
地図と実際の登山道の位置が異なるところでも、
道のないところにGPSデータが通っていたりするところが多くありました。
結果藪こぎや渡渉も何度かしました。
GPSデータも、取り込むと「マウンテンバイク」とアクティビティが表示されたりと、
「これは人が歩いて記録したGPSデータではないな」というのが前半の早い段階で分かりました。
また、コースマーキングが1km、2km無い区間もいくつかあり、
GPSデータも間違っていてどうしたらいいか分からないこともありました。
次のライフベースでは、スタッフの方に地図や写真を見せながら丁寧に該当箇所を説明して、
後続の選手のためにコースマーキングを追加して設置してもらいました。
今回、直前のコース・ライフベース変更が多くあり、
以前の大会とはライフベースが1か所しか同じでなく、
かなり別物のレースとなった印象を受けました。
また、「これは通常トレッキングコースとしては使われていないよね」というような作業道の直登、踏み跡の薄い牧草地帯も多くありました。
総じて「このコースをなぜ歩かせるのか?」と思うようなところが多かったというのが正直な感想です。
400マイルレースは、300マイルレースとはまた違う、ステージレースに近いカテゴリーなんだなということを初めて感じました。
自分が好きなのは300マイルぐらいまでの、
なんとか最長6日ぐらいで押し切れる・出し尽くすところまでなんだなとも正直に思えたレースでした。
取り留めのないメモのようでもありますが今回はここまで。
次はコロナ前以来5年ぶり、1月のイギリス・SPINE RACEです。
今回の反省を生かして、また色々工夫していきますよ。