富山に来てからいつか行きたかった毛勝三山。
無雪期は藪コギで、調べるとゴールデンウイーク・残雪期の記録が多く、いくつかのルートがあるよう。
たまに出てくる、未明発の日帰り周回コースを見て、これなら行けると思い決行。
土曜日は6時過ぎに片貝第二発電所をスタート。
駐車スペースには釣りや登山、山菜取り?の方が何台か停まっていました。
アスファルトの舗装路は除雪されていて、
片貝第四発電所より少し先の6km地点まで登り基調の歩き。
途中マウンテンバイクが1台停めてありました、冬山あるある。

片貝第二発電所前

アスファルト歩き

除雪終わり
雪は埋まらずツボ足で片貝川沿いを歩いていくと片貝山荘(写真左)。
他の方の記録では右岸を進んでいるものもありましたが、
右岸は雪崩でとても進めないため、橋を渡り片貝山荘の奥から左岸へ。
ツボ足のトレースがあり参考にしながら進みます。
最初の堰堤が一番の難所で、高巻いてから降りるのですがここだけ雪がついておらず藪コギ。
あとは雪のつき具合を見ながら、スノーブリッジを渡りつつ右岸・左岸といったりきたりしながら進みます。
暑いのでアームウォーマーを外して半袖。

片貝山荘

堰堤をうまく越えて

このあたりから徐々に急に
堰堤を越えて谷に本格的に入りはじめるところで、
目の前の右側の斜面からものすごい勢いで雪崩。
ツボ足のトレース部分までは届かなかったものの、あと5分早かったら相当怖かったと思います…。
阿部木谷・毛勝谷はデブリだらけで、左右の幅が狭く、なるべく真ん中を歩きます。
途中からトレース主がワカンに変えたので、こちらもスノーシューに換装。
それでもそれほど沈まず進むと、トレース主が落とされた手袋を拾います。
追いつくと3人パーティ、毛勝山付近で1泊後に猫又山を回るとのこと。

この雪崩は凄かった

デブリの毛勝谷
毛勝谷を詰めるにつれ斜度が急になり、
アイゼンに換装してジグを切りながらデブリの上を進みます。
両サイドからはさらさらと小さな雪の塊が落ちたりと、
雪崩にあわないように休憩なしで淡々とキックステップを続けます。
ようやくコルまでたどりつき、振り返ると僧ヶ岳が素晴らしい。

コルまでもう少し

振り返って僧ヶ岳
コルからは、いったん左に行くと毛勝山。
偽ピークを2回超えると到着。13時ちょうどぐらいと出発から7時間。
振り返ると釜谷山と猫又山への稜線が素晴らしい。
コルに戻り、小ピークに登ったところでスノーシューに換装。
時折突風が吹くのでレインウェアを羽織るも暑いぐらい。

毛勝山はあの先

釜谷山と猫又山
釜谷山への下りと登りはそれほど急ではなく、
雪の状況もそれほど悪くないので、サクサクと進みます。
振り返ると小ピークの右に毛勝山。
釜谷山への登りはそれほど難しくなく、スノーシューで到着。
ここだけ土が出ていました。
猫又山の後ろに剱岳がそびえています。

毛勝山(右)

釜谷山

猫又山の後ろに剱岳
またコルまでスノーシューで小走り。早い。
コルでアイゼンに換装し、うわさの雪壁へ。
といってもそれほど難しくはなく、斜度もそれほどきつくありませんでした。
猫又山山頂には14時45分に到着。
振り返ると毛勝山と釜谷山。

うわさの雪壁

猫又山

毛勝山と釜谷山
ツボ足とスキーのトレースがあるので、しばらくアイゼンで下り。
標高2,100mぐらいでスキーブーツとスキーに換装。
そして猫又谷へのドロップポイントへ。
スケールに圧倒されました、すごい谷。
スキーのトレースがついていて猫又谷を往復されたようです。

猫又谷
谷はものすごく幅が広く、斜度が毛勝谷ほどキツくないのもあり、
序盤だけ誘発雪崩に気をつければスムーズに滑れます。
デブリも少なめで、緩めの傾斜をゆっくりと落ち着いて進めます。
ここはまたパウダーの時期に来てみたいです。

振り返って
一気に距離を稼ぎつつ標高を下げ、片貝南又発電所まで来ると林道区間に入ります。
林道区間は雪崩で土や倒木も多く、橋は雪が一部融けていたりします。
最後の3kmはスキーからツボ足に変えて歩き。
片貝第四発電所手前のアスファルトに合流し、あとは4kmアスファルト歩き。
無事明るいうちに戻ってくることができました。

片貝南又発電所

橋が多い

林道
春になり、稜線や樹林帯を進むのにショートスキーが欲しいと思っていました。
BC SHORTは完売ということで、富山駅前にあるスポーツのマンゾクの澤田さん・久保さんにご相談したところ、
STCという95cmショートスキー(シール付き)のソフトブーツアダプターを外し、
TECHビンディングに換えていただきました。
実際試してみると、スピードは出せないもののコントロールがしやすく、小回りもものすごくききます。
ショートスキーは前後のバランスをとるが難しいとも言われるのですが、最初だけで、すぐ慣れました。
BCスキーを楽しむとは少し違うのですが、細尾根や残雪期、下山時のツリーランにはものすごく重宝しそうです。

今回の装備
先週の僧ヶ岳から2週連続で、充実した山行ができました。
富山の山は厳しく、難しくも、面白さがありますよ。