ロングトレイル完走は根性の問題ではない、算数の問題だ。
もちろん、ロングトレイルを走ることができる基礎体力+走力と心意気を持っていることが
大前提となります。前回も書きましたが、100Kクラスは一般のランナーにしてみれば、
フルマラソンやプロのライダーのように「足でもっていける」距離ではないです。
あたしがインストラクターを務めるランチェスター戦略(経営や営業戦略の理論)の
地域戦略をトレイルに応用すると
・地域を細分化 ※ローラー作戦によるマーケティング分析
・細分化した地域で、自身が勝ちやすい地域を選び、NO1を目指す
・その地域でNO1になったら、別の地域に転戦しNO1を目指す
・各地域のNO1をつくり、全体でのNO1を目指す
↓
・コースを細分化 ※登り・下り、林道・ガレ場、通過時間などを把握する
・細分化したコースの部分ごとに、自分が走るベストなペースや方法を考える
※方法とは、ライトの使用・ストックの使用可否などのギアの利用やエイドの
利用方法(水だけ・ガッツり休むとか)
・細分化したコースごとのベストな方法を積み上げレース全体を把握
・レース全体でのベスト展開を事前に把握しておく。とくに、積み上げた時間が
完走や目標タイム内であることは必須
で、これを実際に信越五岳トレイルレースでシュミレーションしたのが↓
机上の空論にならないように、参加するレースにより
・試走ができるなら、試走時のラップ時間などを参考にする
・試走できない場合、過去の参加者や完走記録から、自分の走力と近い人を
探し参考にする
方法と、日ごろから自分の走力や記録を覚えている(あくまで、トレイルでの)
・山と高原の地図の表記時間を参考に、自分の走力での時間を考える
・同じくらいの標高差やトレイル状況で自分の過去経験から算出する
・走行距離・時間による影響度がどのくらいになるのか?は覚えておく
3個目については、経験値が多いにこしたことはないし、24時間以上の行動経験を
強いられるレースは、国内でもUTMFくらいしかないので、未知の領域で何が起こるか
はあるていど予想できるようにしておくとよいです。
たとえば、ハセツネやキタタンだとゴール後、膝に痛みがあるならば、100Kクラスなら、
レース中に痛みがでる可能性があり、膝のテーピングをスタート時からまたは途中で
強化する必要もあり、痛み止めやエアサロンパスを持っていったほうがよいなど準備や
レースの組み立てを考えます。
痛みや違和感は、「出る前に対処」の方がいいです。痛みにこらえてレースを進むのは
ただでさえ疲れているのに苦痛になるだけだし、痛みに気をとられ集中力もなくなる、
ましてや、楽しさも減っちゃうしw
ポイントは、レースの展開を部分や行き当たりではなく、全体で把握・予想し、自分のベスト
なレース展開をレースの部分ごとに先に準備し、本番で実戦できるようにしておく。
そのための、タイムスケジュール(進行管理表)がラップ設計表で具体的にしておく。
レース本番は走ることに集中するため、ぜったい忘れちゃうからWW
とはいっても、いくら綿密なスケジュールを立てても、本番はその通りいかないのが現実。
「一寸先がハプニング」それもロングトレイルレースの楽しみです。