蚊取り線香塾に参加された方やFacebookの書き込みで、トレイルでの「疲れの軽減」について一部で話題になっているのでスポーツ理論の見地からサポート。
トレーニング理論の「フィットネス疲労理論」に置き換えると説明がわかりやすいと思います。
運動中のパフォーマンス = ①体力・適合力などの運動能力 - ②疲労
運動中のパフォーマンスは、その人が持つ運動能力(フィットネス)と、カラダに蓄積される疲労の相互関係により決まります。「トレーニングを積んだから、走力がついたから、疲れにくくなった」ということはなく、同じトレーニングや運動をしても、運動能力の母数が高まって、疲労のマイナス影響が少なくなったためと考えられます。
運動中のパフォーマンス値を維持し続ける=ゴールまで運動し続けるには、
① 運動能力を、高くする = プラス要素の増強
② 疲労を、少なくする = マイナス要素の低減
相互関係ですので、二通りの方法が選択できます。
運動能力は、日頃のトレーニングによって高めていくことが重用で、例えばカラダに強い負荷を加えるような、激坂や走り込みなどにより、筋肉の超回復を発生させて能力を伸ばすことができます。ただし、これは個人の資質や環境の差もあり、また、人により上限が違えど必ず限界があります。
疲労に関しては、運動中の活動量が増えれば、必ず蓄積されてピークを迎えます。疲労しない人間はいないので、プロでも市民ランナーでも、カラダに感じる度合いは違えど、必ず疲労は溜まっていくことになります。また、疲労を貯めすぎることは、故障やケガが起きる原因にもなります。
そのため、「完走」を目標としたパフォーマンスを求めるランナーならば、プラス要因となる運動能力を伸ばすトレーニングに加え、マイナス要因になるレース中の「疲労」を如何に軽減するかもポイントになります。ようするに、いかに疲れを蓄積せずレースを走るか。パフォーマンスの維持(ゴールまで、足や体力が終わることなく、運動し続けること)だけでなく、ケガの回避にもつながります。
ロングレースを完走するためには・・・走力をつけるしかない!性能の良い(値段が高い)ギアを使う!を追求する前にできることはあります。(と、走らない言い訳ですがw)