「手軽に海外レースが楽しめます。」なんて、海外トレイルランニングにも紹介されている香港Vibram100kに参加してきました。Ultra-Trail® World Tourの2015年シーズンの開幕戦となるこのレース。完走狙いでしたが、観光気分が前に出すぎて、24時間まで完走すればもらえるトロフィーはゲットできず(苦)
ま、海外までわざわざ出かけてDNFしなかったし、冬のボーナスをどーんと突っ込んで、家族旅行もできたし、海外トレイルレースの参加を考えている人や迷っている方にはぜひおススメしたい大会です。制限時間が30時間とゆるい上、完走すればUTMB3ポイントがつきます。
失敗したところですが、海外旅行で浮かれていたのもありますが、スタート前にAM3:00起床なのに、前日に寝たのが00:00、そのうえ、胃腸の調子が悪かったので、朝食はウィダーINゼリー×3個とREDBULL。
20KM走ったところで、すでにガス欠。エネルギーではなく、固形物が腹にない腹ペココールで、TP1でオレンジを10欠片以上やチョコやクラッカーを大食いして、ボラのかたに「まだ食べるの???」と爆笑されました
制限時間 結果
SP1(11KM) 02:30 02:06
TP2(28KM) 06:30 05:52
TP3(36KM) 08:30 07:36
TP4(45KM) 11:30 09:15
TP5(52KM) 13:30 11:37 ※デポ/OUTTIME 30分滞在
TP6(65KM) 18:45 15:42
TP7(73KM) 21:30 18:21
TP8(83KM) 24:30 20:36
TP9(90KM) 27:15 23:21
GOAL(100KM) 30:00 25:48
そもそも香港の山って何よ?と思う方(わたしもそうでしたが)も多いと思いますが、香港は街をまわるよう山で囲まれており、空港やディズニーランドがある方面は一部国立公園に指定されて新幹線が事故にあえば埋める本土に比べて、開発が制限されてます。
このレースは国立公園内を使用するため、景色などはめちゃ綺麗です。海と山をかいくぐるコース設計は、日本では伊豆トレイルジャーニーに近いですが、海辺にどかんと山が立っていて、そこを登れるようトレイルが整備されている場所は日本ではそうはなく、海外トレイルレースならではのフィールドです。
自分がYOUになちゃうわけですよ!「YOUは何しにHONGKONGにきたの?」で「100㎞走りにきた」と応えれば、密着取材ですよ!YOUの番組でも、OXFAM日本ステージに参加した香港人の方に密着、見失って、他の外人チームに取材変更してましたけど、まさに、あのノリで。
事前にロードウルトラの延長でロードが多く、トレイルの地面も固いと話してましたが、香港では「山道整備する=コンクリートで道や石段で整備する」ことのようで、山道でもロードの固いかったです。ロード延長かというと、そんなことはなく、延々に続く石段やテクニカルに場所は岩が多いため、日本のトレイルとはことなる筋肉や力を使うという印象。
コースに海辺=海抜0mもあるため、一回の登りでどかんと標高を稼ぐ設計になってます。最高標高が香港最高を誇るTaiMoShan(957m)になりますが、日本のトレイルのようにUPDOWNを繰り返して累積標高を稼ぐ設計ではないです。
【完走へのポイント①/コース概要・ウェアと装備について】
*コース概要
・100km/30時間、ロードウルトラに近いと聞いてなめてました。たしかに、ロードが多いが、香港の方はロードを歩いても登っても、山登りという感覚もあるようで、地面がコンクリートで整備された箇所が多い
・コース設計は、伊豆トレイルジャーニーと野辺山や飛騨高山ウルトラを混ぜた感覚
・スタートからトレイルに入る箇所で激混みする云々と書いている人も多いですが、トレイル入り口は混みます。といってもハセツネの前半のような完全に止まったりしてロス30分経過などの状態にはならないです。山道はほとんどがダブルトラック以上あります。
・スタートは、広い道の片側で自己申告の完走目標タイム順に並んでスタート
・TP2までは野辺山の前半のようなロード+トレイル(Wトラック程度)
・日没は18:00、朝は明るくなるのは06:30くらい。だいたい日本と同じ、夜明けは若干遅い
・朝型や夜間の冷え込みが強い。特に海から近いためか、森の中を走るパートは前半だけで、山には日差しをさえぎる大きな木はなく、むき出しの尾根は風がもろに当たる
・走力があれば=感覚でいうと、ハセツネをサブ13、かなり余裕の展開。UTMB完走ラインといわれるハセツネサブ16だと、脚力に自信ありと思って参加すると痛い目に合う(完走はできるけど、目標タイムのマイナス3時間くらいかかる)
・前半は関門制限30分前に通過していたら、エイドの食べ物がどんどんなくなってた。ボラの方の撮影も後方は少ない。これは日本も同じだよね
・一応、ピークにはピーク標識らしきものがある
・エイド以外にトイレがあるけど少ない(公園などのトイレ横にエイドを設けている箇所もある)
・レースの核心部はTP5~TP6/13㎞。ここはエイドが設営できない山岳エリアで、UPDOWNも大きい
・30時間完走を狙うなら、ハセツネ20時間以上でも余裕。24時間内に完走してトロフィー狙いとなると、前半で貯金をしっかり作らないとダメ。後半が山岳地帯の核心なので、そこで巻くのはやっかい
・下りで足のダメージが蓄積されるような長い下りは少ない。替わりに階段でダメージが蓄積される(とくにひざ)
・ゴール後のバスは、当日にチケット(グッズ売場で売ってる)を20HK$で買う。タクシーもゴール地点に乗り入れてるので、お金はゴール後の荷物には気持ち多目に入れておいたほうがよい
・コース案内は少ないが、要所要所にある(↓写真の看板やテープ)。また、コースは香港で有名なトレイルルートのため、山登りをする人のアイコンが書かれた白い標識にあわせて走ればOK
・尾根から降りれば寒くはないので、道端のベンチで軽く休める。途中で少し寝た。猿に出没区間は注意
・ラスボスのTAIMOSHAN(最高標高957m)にとりつくまでの一部区間は日本にないようなシングルトラックが複数走る開けたトレイル(本国のOMMぽい風景)ただし、コース最高峰の山頂は驚きの結末がまっていた!(これはネタばれになるので・・・って、オチがあります)
・携帯はガラケー(docomo)ですが、つながりは山間部でも良好(ハセツネコースと同じくらいの印象)。WIFIは宿泊したホテルが無料でした
*ウェアと装備
・52kmのデポにストックを預ける作戦という方が多いようですが、嫌な予感がして、スタートから実装し助かった。走力にそこそこの自信しかなければ、はじめから持ったほうがいい
・上記の場合のストックの使い方は、攻めではなく、守り。ロード登りでも要所要所で前半から積極的に使用して、52km以降の山岳メイン地帯に備える
・テクニカルな場所よりロードや平坦なトレイルが多いので、ストックの出し入れはコマめになる。ショルダーの前面に水引きで取り付けるなど着脱しやすい工夫が有効
・10KMごとにエイドがあるためジェルは少なめでOK(3時間に1本で10個持参)
・ウェアは最後まで悩みましたが、昼は「インナー+半袖+アームウォーマー(スタート時は、ウィンドブレーカー)」夜間は「インナー+ロング+半袖+ウィンドブレーカー」、明け方はさらにファイントラックの高性能ジャージ「ドラウトセンサー(旧モデルなので生地は薄い、まったくのジャージww)」をでした。下はロングタイツ+短パン。概ねハセツネ(日本の10月/夜間行動あり)を想定した服装にプラス1枚防寒という感でよい
・気温よりも、紫外線対策が必要。何もしなかったら、唇が後日バリバリに
・日差しが強いため、キャップやBUFFは必須。参加賞にBUFF風のアイテムがもらえる
・自然給水できる箇所はなし。地元のランナーは、エイドに隣接した食堂で、ビールを買ったり、定食を食べたりしてた。メニュー名から料理がわからないのが残念
・香港では、「山の挨拶」「抜くときの掛け声」はない。空気を読んで抜くらしい。めんどうなので、「アリアリ」とか「抜きます」とか言って抜いた
・「アリアリ」が「パリパリ(ハングル語で早く早く)」に聞こえたらしく、韓国の参加者と意気投合して中間を巻いた。韓国だけでなく、アジアやオーストラリア・タイなどからの選手が参加していて、まさに、オールアジアな大会。ゼッケンも国旗入り
・ヘッドライトは、デポの作戦(必須装備のため、ザックにミニライト)の作戦だと日没が早いので、約9時間で52㎞までいける核心がなければ最初から持つ。携帯電話の画面明かりで走るランナーを数名見かけた。わたしは、前半にハンドライト(ジェントスの135ルーイン)を携帯して、デポでヘッドライトに変更
・シューズへのチップはなく、ゼッケンにチップがついてる(ゼッケンは四隅に穴も空いてる)
・レギュレーションの規定で、必携品が少ない。16Lザックでかなりスカスカ
・ハイドレ使わない派なこともあるけど、エイドの給水は日本と同様ボトルの方が楽。10KMごとに水(ミネラルウォーター)も補給できるので、レギュレーションどおりで十分
・デポは1箇所(52KM/チェックポイント5)。ここでストックを預けた人が多いが、実際には前半も細かいアップダウンも多いので、自信がなければスタートから携帯がおすすめ。昼間に比べて、夜間は寒く、52km以降の山岳部の標高も高く、風からの逃げ場のないむき出しの尾根で動くことも多いので、ウェアの着替えや防寒着を預けるとよい
・途中のデポとは別に、ゴール地点用に荷物(1個/指定袋)を預けられる。申込み時に申請(有料)すれば、指定袋以外の荷物(スーツケースなど)も預かってくれる
長いので、その2に続きます。
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