MMAの渋井さん「OCCはまだ歴史が浅いので情報が少ない」と意見があり、久しぶりにより詳しくレース内容を完走記にまとめました。来年以降に参加される方はご参考までに。
私の場合、2010年CCC(途中でレース中止)、2013年UTMB(完走)、に続いて3回目のUTMBということもあり、気負いもなく、地の利があると思ってましたが、いやはや実際に走ってみると距離は短くてもキツかったです。
二日寝ないやカラダや足がしんどいという長いレースの負荷はありません。だけど、それなりにトレイルの経験があるわたしでも、ゴール制限45分前のギリギリでした(汗)予定では12時間、うまくいけば10時間台なんて考えてましたが妄想でした。
この夏のDNFしたSPAトレイルの「登りも走らないと間に合わない」ような無理な設定ではないので、関門の制限時間は気にはなりませんでしたが、一寸先はハプニング、アクシデントがあったら完走はヤバかったです。
シャモニに住む登山界のレジェンド神田さん曰く「この土地で楽なレースなんかないから」だそうです。
レース自体は、2009年からUTMBツアーを主催している蚊取り線香さんの意見だと「OCCをなんとか完走してあとは観光というのが、シャモニを楽しむベストなやり方」とのことです。
【装備】
・サロモン旧キリアンザック12L
・ボトル750ML×2個+500MLの予備PETボトル(コーラ)※水2L携帯にレギュレーション変更
・シューズ サロモンスピードクロス3
・シナノ旧トレランポール ※最初期モデル
・MMATシャツ+デニム風ショートパンツ
・CWXロングタイツ
・C3fitアームカバー
・アシックス肩バランスインナー
・MONTANEウィンドシエル(モデル名失念)
・GOLITEベルガージャケット※雨具
・BUFF
日本のレースで考えるなら、ハセツネを想定した装備で、補給食と水は少なめ(エイドがあるため)という感じです。レースの負荷もハセツネくらいで、関門制限はキタタンくらいな印象です。
スタート地点に行くバスが4:00~5:30のため、スタート前は寒いです。スタートまでウィンドウシェルを着て、スタート後の昼くらいまでアームカバー(黒)をしていて、日差しが強すぎてとり、BUFFもチューブを巻き込まずに後ろにたらして日差しよけにしました。
今年は異常に暑かったですが、2012年のように雪の年もあるので、暑い用・寒い用の両方の装備を持ち込み、現地の状況にあわせて決定がスムーズです。
レギュレーションチェックはビブの受取時(ランダムチェック)もありますが、スタート前に抜き打ち(必須品全チェック)がありました。
UTMBウィーク&レース中の急なレギュレーション・コース変更などは、登録した携帯電話にSMSで届きます。
シューズは55kmクラスのため、サロモンスピードクロスにしましたが、これが正解。コース上で湧き水まわりのマッドなところや固い上に砂があるような滑る下りで、スパイク状のソールが威力を発揮しました。
【レース展開】
Orsières(スタート)~Champex(9.9km) 予定 09:59 結果10:16
スタート地点は、こじんまりしたスイスの田舎町です(クールマイユールよりかなりプチ)。
この町の中心広場がスタート地点で、スタートにあわせてカフェやスーパーが数軒営業してました。
トイレ数が少ないので、大きいほうはなるべく宿で済すませてきたほうがよいです。
スタート地点に一緒に着た連れが「迷うかも」と心配してましたが、広くないので無問題。
スタートを見送った後、シャモニーに戻るバスもあります、6月にスタート地点までのバス予約をお知らせがくるので、そのとき応援者分のバスも予約できます。
町の中を走り、いかにも裏山という感じのところを抜け山に取り付きます。そこまでは、高尾くらいのロードや林道・山道という感でしょうか。まだ先も長いですが、後半に備えて積極的にポールを登りで使います。
小さな町を何箇所かつなげているようで、歓迎ムードが強く、私設エイドではパンとバターとジャムさらに牛乳(朝食)を提供してました。
シャンペ前の登り返しのところでUTMB・CCCのコースに合流します。ここの登りは、距離が短い割りに長く感じるし、傾斜もきついです。
Champex~Trient(16km) 予定13:59 結果14:04
シャンペのエイドは、UTMBと異なり、ウォーターステーションに近いです。とにかく暑いので、水をかぶりました。エイドの入口か出口に水のシンクが設置されていてかぶることも容易です。暑さ対策は、水のシンクや湧き水にBUFFを湿らせてチューブ状のままかぶり、首元が隠れるように後ろに垂らす、履いてるロングタイツ(CWX)に水をかけ、水による冷えにくわえ、汗冷えの逆発想的に、動いたり走ったときの風による空冷効果が水冷式になるため高まります。
過去のUTMBの完走記でも書いてますが、UTMBの関門は「OUT」時間で計測されます。「IN」で関門制限に間に合っても、エイドでうだうだしていて「OUT」時に制限時間をオーバーしていたらエイドから出してくれません、DNFです。
Champex~Trientまでは、非常に走りやすい区間です。イメージとしては、野辺山ウルトラのスタート~林道終了までという感でしょうか?
La Gièteあたりは、アルプスの景色・欧州のレースをご堪能あれ!という感じの景色やコースが続きます。
このあたり、登りが始まると長い長い長い、下りが始まると長い長い長い、と感じ始めると思います。この長い下りで走ると予想以上のダメージと負荷が足にかかります。
走るのは、平らに近い登りと下り。そういうところをサボらないようにするのが完走のカギになります。
Trient~Vallorcine(10.6km) 予定16:44 結果17:25
Trientは協会に併設された、UTMBの中でも私が一番好きなエイド。UTMBやCCCでは夜のパートで景色が見えない、足が終わっていて楽しめないコースを、フレッシュな足で昼間に楽しめるのもOCCの魅力。UTMBリピーターにオススメなレースです。
ここで、塩辛いスープやサラミ・パン・チーズ・菓子・クッキーなどフードが提供されます。
エイドの水ですが、コーラは必ずあって、水は普通の水だけでなくスパークリングも選べます。細かいですが、コーラを飲んだ携帯カップはミネラルウオーターでゆすいでおかないと、ベトベトのベトちゃんドクちゃんになっちやいます。
TrientからCatogneまでの登りは急登に感じる場所も多く、コース中盤で最もハードな場所だと思います。
このあたりになると、前後している選手と顔見知りになり、互いに交代で先行する感じになると思います。
Catogneまで登れば、あとはゴルフ場のようなフラットに近い場所はやスキー場のような下りになるので、ガンガン降りていきます。
ここの下りも長いですが、急な箇所が少ないので巻けるポイントかと思います。Vallorcine手前は牛を飼っている草むらで急な下りになり、滑りやすいので注意。
Vallorcine~La Flégère(11km) 予定19:04 結果20:46
Vallorcineも大エイドのひとつで、DJスペースや生ライブも行われるため、応援で待っている間も飽きないそうです。
また、駅前というロケーションも便がよいので、応援するならば、「スタート地点」「Vallorcine」「ゴール」の3箇所がお薦めです。
エイドからCol des Montetsまで川沿いにフラットな道を進みます。Col des MontetsでUTMB・CCCと別の登りに入ります。
これがですね、UTMB/CCCはNHKのUTMB特番でキリアンが蝶の様に駆け下りた急登の方で登りきったあとも、高度感が強いとてもよい景色が楽しめるんです。
それを迂回して裏山ぽくアップダウンもあり、足場もわるいところを登らされて、スキー場のコースに合流しさらに登らされて、La Flégèreのエイドに到着する、最後にきたか。というコースでした。
加えて、制限時間内にゴールするラストランナーの予想時間が20:59、自分のアウトが20:46とギリギリになってまして、水とフード補給しライトを装備して足早に出発しました。
ちなみに、この時期のシャモニーは20:00くらいまで明るいです。ヘッドライトは20:30くらいからの使用で十分です。
その分、日の出が遅いわけではなく、6時前には十分明るくなります。
La Flégère~Chamonix(7.3km) 予定20:08 結果22:15
La Flégèreから再びUTMBのコースに合流し、約7キロの下りとなります。下りはじめはスキー場のコースのため、道は固いですが、走りやすいため、ゴールも近いので巻くならばそこだと思います。
ただ、長い長い長い下りなうえ、沢になっているような場所を石を踏んで渡るようなテクニカルな場所もあるので注意。よく日本人は下りが強いといいますが、今回多数参加者がいた中国・香港のランナーの方が下りの走りは、上手速いです。固い地面に強い膝と、小刻みに回転させる走り方が印象的でした。
ゴール手前3キロのところに、コーヒースタンドがあり、コースはそのテラス内を走るため、昼間ならそこで観戦するのもおススメ(UTMB・CCCも同様)。
長〜く感じるこのパートを下りきれば、ビブを受付した体育館のもっと先に降りて、シャモニの街中にあるゴールゲートはもうすぐです。
吉報で、今年から完走Tシャツではなく、他の部門と同じくベストになってました(UTMBのベストとは素材が異なり、マークも刺繍1C)。
サイズはフランス人からみてもデカすぎとのことで、Sサイズ登録でXXSを渡されました(苦笑)ぜったい主催者のカトリーヌが、自分のサイズに合わせて発注してますよ、このベストのサイズ感は。
3 comments
池田さま
突然のコメントすみません。
今年のOCCに参戦する中川と申します。
北海道在住のハセツネ結構ギリなタイムのランナーです。
こちらのレースレポ、もう何十回も読ませていただきました。OCCの情報が本当に少ないのでとても参考になっています。
「走るのは、平らに近い登りと下り。そういうところをサボらないようにするのが完走のカギになります。」近頃はこの言葉を何回も反芻しています。
一言お礼をしたくてコメントさせていただきました。
中川さま
参考にしていただけて嬉しいです。
海外の選手は登りが速い…というより、一歩のレンジがあります。前半は焦らず、流れにのって置いていかれない程度のスピードに抑えてください。
加えて、エイドで必要以上にダラダラしないで、入るときに10分と決めたら、10分でアウトするですかね。補給食が珍しかったりして気づいたら長居してた(苦笑)はありますので。
わたしは、最終エイドの手前のエイド(駅に近い大エイド)からのコースを勘違いして、UTMBと同じと思い、補給食を途中で食べ尽くし難儀しました。実はUTMBよりこの区間は回り道するので長かったです。
OCCもシャモニも楽しみ尽くしてください!トレランの愛好家には夢の期間と街です!
池田さま
ご返信ありがとうございました!
エイドの使い方、心得ておきます。ありがとうございます。
もしご記憶に残っていたら教えていただきたいのですが、OCCスタート地点では点呼のようなものはあるのでしょうか? それとも各自勝手にスタート場所に集まって時間が来たらスタートという感じなのでしょうか?