ここ数年GWには実家に帰るようにしています。
今は孫の顔を見てもらうのが一番の理由ですが、その他北陸の美味しい食べ物を堪能すること、地元の仲間に会う事、そして父親と渓流釣りをするのが楽しみです。
元々渓流釣りの脚作りの為に2007年から始めたトレイルランニングでしたが、ほどなくそちらがが中心になり、渓流釣りの道具はベランダの物置にて眠りにつくようになってしまいました。
釣りに関してはそんな感じで、今はGWに父親と年に1度の渓流釣りを楽しんでいます。
釣場は渓流釣り歴30年以上の父の秘密のポイントにて、仕掛け作りも忘れてしまっている私のために沢山の仕掛けを準備してくれています。
もはや釣ってるというより釣らせてもらっているという感じです。
幸いGW中は穏やかな晴天に恵まれ、絶好の釣り日和となりました。
去年は釣りでトレラン用のザックが使えるかなと思い、キリアンザック(12L)で胸のボトルホルダーに振り出しロッド(竿)を入れてみたり、ウェアもトレイルランニングのものを活用してみましたが、どうもしっくりこなくて、今年は昔から愛用しているコロンビアのフィッシングベストと実家にある上州屋のウェーダーで行きました。
はっきり言って親父以外に人と出くわす(熊には出くわすかもしれませんが)確率も無いので格好はどうでもいいのです。
この時期まだ雪解けの水が豊富なので水温も冷たく、川の中を沢登りしながら釣り進むスタイルなので結局防水性と保温性に優れたウェーダーを履くスタイルになってしまいます。
このスタイルだと山の中を走っていくというのは無理な感じです。
対象魚は天然の岩魚のみ、購入したぶどう虫とその川の石の下にいる川虫を網ですくったのが、主な餌になります。原始的な釣りです。
仕掛けは下流の川幅の広い所では長めに、上流に行くほど川幅がせまく、木々の障害物も増えるので仕掛けを短く調節します。仕掛けは糸にかみつぶしのオモリと大きい針に蛍光の毛糸の目印を付けるいたってシンプルなものです。
針はかなり大きい物を使用します。餌の持ちが良いのと、岩魚は基本的に餌を丸呑みするので小さい針だとお腹の中まで飲み込まれるのを防ぎ、手返しよく針はずしができるようにします。小さい魚体でも貧欲にこの仕掛けに食いついてくるので、基本的にリリース(放流)しやすくなります。
早朝5:30出発、釣り場への入り口には約40分で到着。車を適当に止めて、しばらく山の中を突き進みます。
山に入ってから20分ほどで川の下流へ出ました。
川へ出ると聞こえるのは渓流のせせらぎと時折野鳥の声がするのみ。
『ああ、やっぱりこの感じがいい。』
自分が山に来たいのはこの孤独感を味わいたいからだと再確認しました。
父親とはお互いに一定の距離を置いてポイントを譲りながら釣り進みます。
お互いを意識するのは釣れたぜというアピールの時と仕掛けがひっかかったり、お祭り(糸が絡まる)時くらいでしょうか。
釣り始めこそ1年ぶりで腕が鈍っていてアワセのタイミングがいまいちでしたが、しばらくして勘を取り戻し、快調に釣れ始めました。
岩魚は字の通り、岩の影に隠れて上流から流れてくる餌を狙っている魚なので、小さい流れの石の影で予想以上の大きな魚体に出くわす事があります。
逆に水量の多い所で泳いでいるのが見える魚体はほとんど釣れません。
釣れる時間も午前10時から昼にさしかかると反応が鈍ってきます。
この日は小さい魚体を含めて20数匹、小さいのは即放流。10匹ほどを持ち帰りました。途中残雪の雪を砕いて保冷剤にします。
今年もしっかりと釣らせてもらいました。ありがたいです。
帰路の下山ですが渓流釣りは上流に登って行く行程より、釣り終えて帰るときの行程の方がしんどいです。
目的を達成した事もあり疲れがドッと出ます。川の両岸と川の中の進みやすい場所を瞬時に判断しながら下山しますが、この時結構転倒して怪我をしやすいです。
川の中の石に脚を取られ、膝を強打し、お皿を痛めることが一番怖いです。こうして怪我をして意識があるのに一歩も進めなくなるのが怖いので、渓流釣りの単独行は断然避けた方がいいと思います。
トレイルランニングをやっているので、父親よりバランスよく下れるだろうと思っていましたが、やはりベテラン(65歳)の方が安定しており、私は一回勢いよく転倒、川の水を被りました。
そして今回は下山の道中、退屈しないほどのお宝(山菜)がありました。
こごみにわらびよしなの3種類が取れました。(山菜採取用に鎌を持参しています。)
天ぷらが美味しいこごみは群生しているのでわかりやすいです。、生えてきて間もないものを採取。(写真の様に伸びた物はもう美味しくないです。)
水煮やみそ汁で美味しいわらびは、こごみに隠れるようにまばらに生えているでお宝探し感覚で採取。
よしな(うわばみ草やみずなとも言う)というのは一番なじみがない山菜かもしれませんがとても水々しい山菜で、お浸しや煮浸しにして抜群に美味しいのですが、教えてもらわないと全然わかりません。
天然食材をがっちり採取できました。
数日間富山の地酒とともに山のパワーをいただきました。
釣り&山菜採りラン(そんなに走ってないか)とても贅沢です。
昔からお互いそんなに会話が無い父親との数少ない2人で過ごす時間。この趣味を共有していなかったら一緒に酒飲むくらいしか接点がありません。
あと何年、何回できるかなと思うとしんみりしてしまいましたが、父亡き後(勝手に死んだ設定に)私も我が子(現2歳児と)いずれこんな楽しみが共有できればいいなと思っています。
最後に、ここは渓流釣りブログじゃなくてトレイルランニングのブログなので、釣りとトレイルランニングがもっと融合できる事を少し考えています。その為のギアやウェアを工夫してみたいなと考えています。新たな楽しみが広がりそうです。