一回お休みを挟みましてランチウェイ紀行再開します。
今回楽しいままゴールまで行けるだろうと思われたこのイベントに予想もしない事が起こります。
(かまいしゆき姐カメラ)
さてエイドから西別岳の西別岳登山口の山小屋までの林道に向かう途中、あんなにいいお天気だった空に突然雲が出現しました。
エイドでお弁当を食べている途中に何だか晴れから薄曇りに変わってきたなと思っていましたが。登山口に着いた頃にはかなり空が真っ暗になりました。
これは少し雨がぱらつくかもなという感じで話しながら登山口を我々の集団は登り始めました。
最初の方で記述しましたが西別岳は標高799m、北海道のこの場所は本州の標高+1000mの感じになります。
登山口から20分ほど登って、ガマン坂の手前の森林限界の近いところに立つ大きな樹の手前に来た時、雨がかなりの本降りになり、ここで全員で一旦雨宿り。
通り雨の様だったので雨雲が過ぎるのを全員で待ちましたが、なかなか止まず、ここでレインウェアを着込みました。ワタシは情け無い事に朝の二日酔いで用意もそこそこに、天気予報も降らない感じだったので昨晩のレインウェアを干しっぱなしにしてきてしまったのです。
気温は下がり、かなり強い雨に打たれて身体が冷えてきました。
ここでじゅんさんが持参していた予備の超軽量のフーデッド・パーカを貸してくれました。(昨日のポイズンリムーバーに続きじゅんさんどうもありがとう。)
雨宿りを初めて30分ほど立ち、参加者にも不安がよぎります。そしてこのイベントを企画しているおっくんも表情が曇ります。
「このまま下山して、中止になってしまったら」
「このコースのハイライトを参加者に体感してもらえなかったとしたら」
などという思いがよぎっていたと思います。森林限界を超えるとその先10kmは雨を避ける術がありません。
苦渋の判断ながら一旦全員で登山口の山小屋へ引き返す判断にしました。(結果この判断が正解でした。)
一気に強くなった雨が下山する我々を襲います。今登ってきた登山道は濁流が流れ落ち川になり、ずぶ濡れで滑りながら何とか登山口に下山。
山小屋の雨よけの部分で参加者全員で雨宿り。小屋の中では近隣の工事の職人さんがいて、中に入ればと進められましたが、いかんせん全員ずぶ濡れで迷惑がかかるので軒下で待機しました。
雨の勢いは変わらず、雷鳴が轟きました。数キロ先に稲妻がハッキリと見えます。
近い!コワイ!
少し登り始めた時間が早くて、西別岳の山頂付近にまで行っていたらどうなっていたでしょう?
あのまま大きな樹の下で全員で待機していたらどうなっていたでしょう?
いずれにせよ、命の無事が見込める山小屋で待機できて全員安堵。
しかしこのイベントがこのまま終わってしまうのではという残念な気持ちが全員によぎりました。
西別岳登山口を最初に登り始めてから1時間が過ぎました。
しばらく待機して大分雨脚も弱まりました。そして雨雲レーダーもチェック。雷も遠ざかりました。
ここでおっくんの判断
「では再び登り始めて皆でゴールまで行きましょう!」
ここで参加者一丸になれた気がします。
この後3班にわかれ黙々とがまん坂を超えて、西別岳山頂を制覇。長い稜線の摩周湖外輪山を景色を楽しみながらも黙々と進みました。
小雨はパラついていましたが、摩周湖も摩周岳(カムイヌプリ)良く見えました。(これは良かった。)
ワタシは最初の班を先導して3名で最初に摩周湖展望台のエイドに到着。エイドスタッフはずいぶん待ちくたびれた事でしょう。
エイドでもてなしを受け、美留和駅までの残り6.2km。雨脚がまた強くなりました。
日も落ちてきたのでここからは写真も撮るのも忘れて一気にゴールの美留和駅まで突き進みました。
状況にも寄りましたが、ここまで40キロ近く走ってきたのに参加者全員弱音も吐かず、むしろ後半の方が走れているのが凄い。素晴らしい参加者に恵まれました。
美留和駅の直線、先行班は一直線に並んで無事ゴール。
お疲れ様でした。
皆安堵と共にドッと疲れが出たでしょう。
後続班のゴールを全員でお祝いし。ここで雨脚がまた強くなり、日も暮れてしまい身体も冷える一方だったので美留和駅を慌ただしく数台の車に分かれて後にしました。
おっくんと車内でのあまりの寒さに耐えきれず、途中のコンビニで味噌汁と投入し、養老牛温泉「ホテル養老牛」のお風呂で息を吹き返しました。(おっくんはやはり冷えきっていて、この後少し風邪を引いたそうで、本当にお疲れ様でした。)
終わりよければ全てよし。結果初日の蜂刺され1名を除き、全員無事怪我無く完走できました。
予定夜遅い時間からの開始になったアフターパーティー。
この日は鮭のチャンチャン焼き(筋子入り)に根室のサンマという魚パーティー。もちろんビールサーバーのビール。前日に懲りず、最後の夜も、いや最後の夜だから徹底的に呑みました。
そして参加者の完走の感想とおっくんからの完走証の授与。
皆さん一人一人のコメントが印象的でした。全員一致したのはこの2日間のイベントが非日常で、特別な時間になったという事でした。
皆楽しかった思いと、すぐに社会復帰できるかなという不安を胸にし、最後の夜は更けていきました。
(エピローグへ続く)