こんにちは。
トルデジアンが終わり、今度は出張でイタリアのベネチア近辺にきてます。クールマイヨールがもう恋しいミキです。でも体は日本料理が恋しいようです。やっぱり日本人だなあー。
レースが終わってまだ風邪、足の指の痺れ、右腿の激痛に悩まされてます。また、お酒を飲むとお酒のまわりが早く、全身が痒くて仕方ないという症状がはじめてでています。復調には時間がかかるのかしら…
今回のレースで強く心に残った言葉があります。
4日目のライフベースより手前の関門があるエイドに向かっている時、連日の睡眠の失敗による睡眠不足のせいか、精神的におかしくなり、山で迷いました。まるでさっき通った山道…なんだかまた同じところを通ってるようだ、と。誰も周りにいなくなり、このままレースどころか、死んでしまうかも、と思いつめました。そうしたら、後ろから中国人男性が来ました。すかさず会話をして、
“Can I follow u?” 「ついていっていい?」とききました。
彼は
“Yes, but I will be running as fast as I can and you might not come because I want to avoid the cut off .Iwant to take all the chances I got.”
つまり「関門に間に合うように僕はできるだけ速く走るから君はついてこれないかもよ。でも僕すべてのチャンスをつかい、一か八かやりたいんだ」
こんな表現ははじめてききましたし、心をうたれました。
take all chances I got…
私は追い込むのは苦手だし、全速力などテニスコート上のショートラリーなど思い切り短時間に限るし、死に物狂いなんてしたことはありません。また、大抵のレースでも走らないで歩いてすますことが多いです。
「あるチャンスをすべてつかい一か八かやる」
この言葉を聞いて我に帰りました。本当にそのとおりだ。I need to have same thought as him.(彼と同じように考えないと)
そこから気を取り直し、とにかく関門まで全力で進みました。関門についたら、もちろん時間はあまりないため、休みはそこそこに、すぐに出発しました。周りの選手からは”本当に行くの?危ないよ〜。天気も悪いし滑って危ないから僕は辞めたよ”なんて言われましたが、進むのはもちろんのことでした。
どんなに境遇が悪くても、少しでもチャンスがあるなら、結果はとにかく予測せずに、その時あるチャンスはすべてつかう。だから全力で。
昔の職場環境の境遇のせいか、仕事ではできるだけ人に頼らず一人でできることはすべて一人でやるようにしてきました。日常生活でもよほど困らない限り、友人に頼らないようにしてきました。自分で完結するように考えてきました。でも、今回のトルデジアンでは人に出会うのはものすごいチャンスだし、活かすべきチャンスだと気がつきました。そこから独りで、ではなく人に頼ることはチャンスの一つとして考えるようにしました。
そして時間が厳しくても、動作の一つ一つを詰めていくことで少しずつ時間を短縮することが出来る、と心から考えることができました。睡眠も復活のチャンスです。
常に taking all chances I got.
どんなにひどい展開であろうが、目の前のチャンスであろうものはすべてつかう。そして一か八かだけどやる。それしかありませんでした。でも当たって砕けたくはなかったのです。