京都に移り住んで、ボチボチ丸3年となりますが、この間に様々な環境や心境の変化がありました。その一つに山との関わり方があります。今回はその辺の事を書きたいと思います。
私は東京在住時、レベルを棚に上げさせていただければ、バリバリのトレイルランナーでした(一応、今も気持ちは現役ですが…)
高尾、青梅、奥多摩、鎌倉、丹沢、箱根、秩父、奥秩父、富士山、八ヶ岳、アルプスetc…毎週末、気の合う仲間と車や始発電車に揺られ、山に入ってはひたすら走る事を楽しんでいました。
後にトレッキング、ナビゲーションゲームと遊びの幅は広がりましたが、どのアクティビティーで遊ぶにせよ注意していたことと言えば「マナーを守る」と言うことだけで、私にとって山を一言で表現するなら「遊びのフィールド」でした。
京都に住んで良かったと思う事の一つに山と街が近いという事が挙げられます。東京(杉並)に住んでいた時は一番近い高尾山でも電車で1時間はかかっていましたが、現在、私が住んでいるところから最も近いトレイルヘッドまではたったの2kmと朝ランでトレイルを走る事も可能な環境です。
「山と街が近い」と言う恵まれた環境が大きく関係していると思うのですが、京都に引っ越してから知り合った仲間やお店の常連さんの中には地元意識が強く、山の環境整備にとても熱心に取り組まれている方が多くいらっしゃいます。
私自身、以前から山の清掃・整備活動に関心は持っていたものの、レースのコース整備を除けば、本格的な清掃・整備活動へ参加した事はありませんでした。そんな私が実際にこのような活動の重要性を強く感じるきっかけとなったのが、2018年に関西を直撃した台風21号です。
この時は山だけでなく当然、街中にも甚大な被害がありました。行政の力もあり街中の被害は二週間程で一般生活を送るのにほぼ支障のないレベルまで回復しました(回復状況はエリアによってバラツキがあります)が、山は関係各所やボランティアの方々の地道な活動によってルート上の倒木が撤去され、ほとんどのルートが通行可能となるまで整備されましたが、いまだに台風の爪痕が深く残っています。
そんな中、今年に入って友人の一人が今回のブログタイトルである「北摂はじめのいっぽ」と言うボランティア団体を立ち上げ、本格的に山の清掃・整備に取り組み始めました。
Moncky Crewでも簡単な山の清掃活動イベントは何度か開催してきましたが、本格的に山の清掃・整備活動を行うには事前に様々な手続きや了承を得る必要があります。たとえ善意、無償で活動する場合でもそのエリアが国有林なのか、自治体管轄なのか、私有地なのかによって交渉相手が変わり対応も様々で、我々一般人が自由に活動する事が難しいのが現状です。「北摂はじめのいっぽ」は北摂(大阪北部〜京都南西部)エリアに関して、正式に清掃・整備活動を行う認可を得て活動するボランティア団体です。団体を立ち上げた友人より、立ち上げ以前から話をいただいていた事と、活動内容に賛同出来た事で、今後Monkey Crewとして出来る範囲で「北摂はじめのいっぽ」の活動のお手伝いさせていただく運びとなりました。
ここからは先日、「北摂はじめのいっぽ」のイベントに参加させていただいた時の簡単な活動レポとなります。この日の活動内容は京都嵐山から摂津峡(大阪高槻市)までの30km間をゴミを拾いながら走ると言う、トレイルランナーでもある団体を立ち上げた友人らしい内容のイベントです。
今回の参加者はほとんどがトレイルランナー。ブリーフィングを終え8:30am、嵐山から山に入ります。
ルート的にはほぼ東海自然歩道をなぞる形なので、トレイルだけでなくルート上の街中のゴミも拾いながら進んで行きます。京都一周トレイルの西山エリアはショップのトレランイベントやプライベートでもよく利用しており、目に付いたゴミは拾いながら走っているのでほとんどゴミは落ちていませんが、街に下りるとタバコの吸い殻や空き缶など多くのゴミが捨てられています。
花の寺として有名な勝持寺での集合写真。嵐山からここまで(約10km)に拾ったゴミは事前に京都市より支給された指定のゴミ袋を使用し、境内の外の指定された場所に置いて、ここから先は自分達で用意したゴミ袋を使用する事になります。この辺のルールも事前に承認を得ているからこそ分かる大事なルールです。
大阪府に入ってからはポンポン山を目指して進んで行きます。途中のトレイルでもチラホラゴミが目立ちます(なかには一升瓶なんかも落ちていました)2枚目の写真はポンポン山山頂での集合写真ですがこの地点でも新しいゴミ袋の中に大量のゴミが…この後、下山したところで高槻市から指定された場所にゴミを置いて摂津峡まで走って移動しこの日の活動が終了ー!
今回のイベントは清掃活動だけでしたが、30kmに渡る長い距離をゴミ拾いながら回れるトレイルランナーならではの内容。参加された方々もただ単に走るだけではなく、自分達が走ったルートが綺麗になると言う、二重の楽しみを感じられた様で、また機会があれば参加したいと仰っていました。
北摂はじめのいっぽでは、この他にも本格的な整備イベントを含め、様々な活動を行なって参りますので、山を愛する全ての方々に興味を持ってもらい、ご参加いただければ幸いです。
自分に出来る事から始める…それこそがはじめのいっぽです。
この日清掃活動を行なったルート。
山は遊びのフィールド。自分達のフィールドを自分達で清掃・整備する喜びを実感した1日でした。