“I must go”
朦朧とする意識の中で、頭の中はこれしか浮かばなかった。
今年も、富士登山駅伝をチームすぽるちばで出場させていただいた。
昨年までは、花の5区,7区と言われるエース区間で走らさせていただいて
いたが、今年は仕事も忙しくあまり富士山にも行けないであろうから
山頂区の山小屋サポートをしようと考えていた。
しかし、諸般の事情から、なんとロード2区を担当することに。
2区をやると決まったのが本番2か月前くらい。
さて、どうしたものか。
自分はウルトラ系は得意だけど、
5000mのような短距離のスピードは全くない。
仕事で時間も大してとれないので、
もう以下の2点に絞って練習することに
①そこそこ傾斜があるところのスピード走(週1~2回)
②VO2Maxの強化(週1回)
①については、メインはトレッドミル。
平日21時には不退転の決意で退社し、
30分1本勝負で適度な傾斜で5km走を実施。
②については、毎週休日にNeutralworksに通い、低酸素室(3000m)
でトレーニングしヘモグロビンの質・赤血球の数を増やすことに。
いずれにしても、怪我のリスクが少なく、
短時間で効果が得られそうなものに絞って実施した。
鬼門は、3week前のおんたけ100kだったが、なんとか怪我なく完走。
2区の試走も2回ほど実施(1回目 23:20, 2回目 22:50)。
個人的には、なんとか監督やチームメイトに
迷惑がかからない体には仕上げたつもり。
2区のスタート地点である青少年交流の家に到着してみると
案の定、猛暑。。。
2区を4年連続で走っているこあしす山民会のマッキーさんに
トイレの場所やアップコースなど色々教えてもらう。
8時になり、いよいよ1区がスタート。
き、緊張する。
先頭グループが襷渡しを始めた。
あと数分後、とんでもなくきつくなるんだ。
「準備はしてきた」「最初はスローで」
と心の中で繰り返す。。
蛍光緑のユニフォームが見えた。
生田君が歯を食いしばって、今にも倒れそうに入ってくる
いよいよ2区スタート。
最初は予定通りスローで入ったつもりだけど
生田君の表情を見て少し興奮したのか、ついついペースがあがる。
しかし、暑い。最初の1kmほどは木陰もなく日光をまともに
首筋に受ける。
※ちなみに、2区のコースはこういう傾斜になっている。
——-
スタート~1km:上り5%
~2km:上り7%
~3.5km:上り8~9%
~Finish:上り7%
——-
残り3kmの表示が見えた。ここから斜度があがる。
実は、ここから先はほとんど記憶がない。
とにかく腕を振ることと、前を抜くことしか意識しなかったのと
軽度の熱中症なのか、頭がずっと霞がかかったようになっていた。
気付くと馬返しへの最後のカーブに。
3区の萩さんが見える。
なんとか萩さんに襷を繋げる。
タイムは22:35(区間33位)。
なんとか想定通りのタイムに収まってホッとする。
結果的に14名抜いたようだ。
マッキーさんは22:09ほどで流石の走り。
こあしす山民会も無事襷リレー完了。
待機所の馬返しは、木陰ですごい快適。
サポーターの黒田さんと小林さんに、コーヒーや
ジェルなどをいただきまったりする。
時折、チームの情報を確認する。
どうやら無事山頂もつながり、復路に入ったようだ。
足切りはなさそうなことを確認し、また10区に向けて
徐々にスイッチを入れていく。
黒田さんから9区の萩さんが出たと聞く。
一人、また一人と襷リレーが行われていく。
「20番」
コールされて、心臓がドキッとする。
萩さんがきた。あんなに苦しそうな顔を始めてみた。
少し蛇行している。
「出し切ったんだな」
そう確信し、襷を受け取る。
萩さんからもらった熱気の影響か
最初はもうがむしゃらに飛ばしてしまった。
入りは、キロ2:30くらいか。
残り3kmの看板が見えたところで斜度が少しなくなったりする。
実は、この部分が一番不安だった。
傾斜が急に緩くなるので足が動かなくなるのだ。
予想通り、足が重くなり、動かなくなる。
後ろから足音がしてきて、一人に抜かれる。
ついて行こうとするものの、まったく体が反応しない。
「きつい。。。」
日光も相変わらず猛烈で、また頭がファジーになってくる。
その時、エンドレスで頭をぐるぐるしてたのが冒頭のフレーズだ。
“I must go”
そう、僕はいかなければならない。
チームメイト、特に世話してくれるサポーターのため
襷をつなぐという結果で何としても報いなければならない。
富士登山駅伝は出るだけじゃだめだ。
全力で挑み、そして襷をつなぐことにこそ価値があると
個人的には思っている。
傾斜が一段とゆるくなる。
また一人に抜かれたが、反応できず。
声にならない声をだしながら、青少年交流の家の
生田君に襷を渡す。
タイムは13:46(区間32位)
上手く立てず、桃瀬さんに抱えられるようにしながら
繋げれた安堵&
もう少し出来たかもしれない悔しさが入り混じった
複雑な気持ちになった。
今回2区を走ってみて、個人的には山区よりも
寧ろこちらのほうが伸びしろがありそうだなと感じた。
来年もし走らせてもらうなら、また2区もありだなと感じた。
今年の襷は監督より僕が拝領し、額装しようか考えている。
帰りの車の中で、のりさんと、
やはりこうやって、特にプロでもなんでもない日ごろ仕事で忙しい
おじさん・おばさんが年に一度一つの目標に向かっていく姿がいいのかもね。
年齢に?あらがってw
みたいなやり取りをした。
いつまで続けられるんだろう?そう思いながらも、きっと来年も出ているのかも。
まあ、とにかく今は本当にホッとしている。
今回も色々手配してくれたのり監督、サポーターのみなさん、
選手の皆さん、こあしす山民会の皆さんありがとうございました。
これで、やっとファストパッカー兼釣り人に戻ることができますw
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以下、結果です。
8/7日、秩父宮記念 第41回富士登山駅伝競争大会 47.93k
8:00-スタート
1区 生田さん 27:37 57位
2区 ナミネム 22:35 43位
3区 はぎさん 23:46 34位
4区 そーけん 32:47 28位
5区 石井かっちゃん 50:20 12位
6区 キャットさん 53:05 17位
7区 石井かっちゃん 10:24 17位
8区 そーけん 8:35 20位
9区 はぎさん 13:06 18位
10区 ナミネム 13:46 20位
11区 生田さん 16:17 20位
No20 チーム すぽるちば 4:32:16 20位
監督:のりさん
サポート:
陸上競技場 のりさん、
青少年の家 桃瀬さん&うるさん、
馬返し 黒田さん&小林さん、
太郎坊 安川さん&ちえぞーさん、
次郎坊 岩垂さん&塾長、
砂走館 西くん