明けましておめでとうございます。
気がついたらもう2016年になっていましたね。本当はこの記事も2015年で終わらしたかったのですが、年をまたいでしまいました・・・Σ(゚Д゚)
さて話の続き・・・( ..)φ
前回はレース前日までの物語でしたが、今回はレース当日の物語。
レース当日はスタートがAM8時とゆっくりしているため、宿泊してしる香港島の宿泊地からタクシーで移動。車内で睡眠をとろうとするが、香港のタクシー・バスは結構運転荒っぽいのでゆっくり寝れない。(/ω\)
寝ぼけ眼でスタート会場に着くとまだ薄暗い中、スタートアーチを準備したりと慌しくスタッフが動いている。
選手とも思われる人がタクシーで続々と集まってきており、気がついたらスタート及びドロップバック受付会場は賑やかになってきた。
私は荷物を預けた後に、香港の誇りと呼ばれ、2015年度UTWTランキング10位(私は13位)のエリートトレイルランナーStoneと待ち合わせをした。
今回のレースはストーンの粋なはからいによりStoneの職場の同僚(Peter)が私のサポーターをしてくれる事になっていたので挨拶をして荷物を預ける。
その後、再びスタート位置へ戻り他の日本人ランナーと談笑したり、香港の知りあいと談笑したりしてスタートまでの時間を待つ。
スタート時間付近になり多くの選手がざわつきがみられているが、緊張感はなく笑顔でスタートを待つ様子がある。
私も早く走りたいなぁと思いながらワクワクしながらスタートの時を待つ。
8時になりレースは号砲と同時にスタートとなる。
スタートしてからのペースはそんなに速いと感じることなく比較的のんびり感じた。
100kmの部と50kmの部が同時スタートだが、ほぼ先頭は100kmの部の選手で形成されていた。
最初のトレイルに入ってから昇りにあり一気に300mぐらい標高をあげるが、そこでも無理はせずのんびりと駆け抜けていく。昇りきったくだりになりそこから50kmの部の選手がペースを上げて100kmの選手を交わしていく。
私もペースを上げたい欲求は抑えながらもCP1を通過していく。
CP1を過ぎていくと香港のトレイルと言う感じのアップダウンが続く。
途中海岸のそばを走ったりと、とても気持ちよく走れる。
前には5月のTNF100で3位に入ったユン選手(TNF)がいてその後ろに今回優勝したブラット選手(TNF)、セバスチャン選手(TNF)、小川選手(salomon)と面白いメンバーで集団形成となる。実力から言えば私は一番低いのだが、平坦なコースになると意外と少し前に出る様になりユン選手と並走する様になる。
体はどこも重いとかないし余裕。発汗と暑さが気になる程度だった。
エイドでは果物を始め、サポートからもらうおにぎりを最初は食べる。
食欲もあり焦りもないことから、今日はいけるなぁと走ながら余裕さえ持つ事ができていた。
CP3を過ぎたところからユン選手はペースを上げ始める。私はここはまだ勝負どころでないと敢えてつかずにマイペースで走るようにする。エイドでは私が一番のんびりしているので、いつも差をつけられてしまうのだが、それでも無理にペースを上げることせずとも昇りや下りで自然と追いつく。いい感じだなっと改めて自身の体調に関心をして調子にのる。
CP4手前の昇りで2位集団の先頭になりそのまま走り続ける。靴が濡れるぐらいまでの汗をかいているがその他は何も状態は変わらない。
気持ち的にはスタートした時と同じ様な状態でCP4へと到着する。
CP4でも同じ様におにぎり、ジェル、ようかん、ナッツ、バナナ、サカナのちからと食べコーラを飲んだりする。
先行しているユン選手とは3分ぐらい?らしくまだそんなに差はなく、かつ大会記録ともそんなにかわらないペースとの事。残りは距離にして後約60kmないぐらい。このペースで行けるだろうとこの時は安易に考えながらCP4を出発する。
CP4を出発してロードを走りまた今度は3kmぐりらいのロードの下りになる。ここぞとばかりに下りを飛ばし始めると汗で靴底が滑ってしまい上手く走れない。
まるで雨の中を走っているかのぐらいの発汗量。この時私は自身の身に異変が起こるまでただ汗が凄いな程度しか思わなかった・・・。
下りきってから少し昇って藪漕ぎの急登ポイントなる。
この時は少しニヤニヤしながら登る事ができていたが、藪漕ぎを昇り続けていると妙に脹脛、膝周り、太腿の内側に違和感を感じ始める・・・それを疲労かなと思った私は、途中でアミノ酸補給しながら歩をすすめていくが、その違和感が等々表面化してきた!!
一歩足を上げるごとに先ほどの3箇所が同時に悲鳴を上げて足を前に出させてくれない。ここで止まるわけもいかないと考え足が痙攣使用が無理やり動かすが、下りに入ったら今度は踏ん張りも効かなくなり、激痛により転倒のオンパレード。
あれ~??こんなに足は疲労していたのかなぁ?っと疑問に思いながら一歩一歩ゆっくりと下山していく。ロード区間に出て少しジョグをしていると、一歩着く度に痛みは生じるが走れない痛みでなかったので少しずつペースを上げていく。
CP5に到着。
ロード区間において拾う抜きジョグができたのか、脚はだいぶ回復している感じであった。
とりあえず、エイドについて劣らない食欲にてしっかり補給を行い次へ向かう準備をする。
階段など段差が出てくるとまた足の筋肉が悲鳴を上げて千切れそうなるが、こんな程度では切れないと自分に言い聞かせて歩み続ける。
そして冷静になんでこんな状態になったのかを色々と検討して、一つ初歩的な事に気がつく!!
それが、食事はとっているが出る汗の量に対して電化質が間に合っていなかったのでは!?っと考えすぐさま、CP4で持った炎熱サプリ(カロン社製トレイルバー)を摂取してみる。すとどうだろうか?30分過ぎたぐらいから足の痙攣は和らいでくるのがわかる。
これか!?
そう滝の様に流れ出る状態における水分補給はしっかり行えていたが、電化質補給が追いついていなかったとここで改めて振り返る。
しかし、そんな状態で既に60kmを過ぎていた足には正直痙攣による筋肉ダメージと疲労感が半端なくのしかかる。
ここからが中盤におおける山場。
香港では珍しく900m近くの標高まで高度を上げていく。しかし、これも階段で殆ど上がりそこからロードで繋ぐ。
ここまで苦し紛れに自分に言い聞かせながら走ってきたが、このあたりから全身の痛みが止まらなくなる。
情けない・・・。
こんな登りは前に走った、修行走(身延山・七面山トレイルレース)に比べたら楽な筈なのに思いながら、まだ出し切れていないと自分の中で精一杯追い込めるまで追い込んでみる。ロードの下りになり少しペースを上げれる様になってきた。しかし、体のバランスが悪い!!動けない・・・・。
そんな状態でCP7へ。
サポートしてくれているPeterは笑顔で迎えてくれる。言葉を上手く通じなくても私が欲しいと思う事を的確にやってくれる。さすが、Stoneの奨めるサポーターだと改めで感じ、こんだけしてもらっているのに情けない走りは出来ないとCP8に向かって走る。
CP8は比較的走り易いトレイルでの約14㎞区間。
普段であればとても走り易く気持ちの良い区間であると思うが、今の私には苦痛でしかない・・・足が痛いだけでなく頭痛がする。
そして追い討ちの様に闇が私を襲ってくる。
ライトを点けて先へ進むのだが、コースをしっかり確認するために頭を上下に振ったせいもあるのだろう、眩暈も生じてきて下りがまともに走れない。
それでも、これまで幾度なく困難を乗り越えてきた私だから、こんな状態でもエイドにいって少し休めば治る。そしてゴールには必ずいけると思っていた。
そして、ふらふらになり倒れ込む様にCP8へ。
CP8には50㎞の部門に出場し2位でゴールしたStoneが約束通り、Peterと待っていてくれた。
フラフラの私をみて労いだろう凄い笑顔で励まし食べ物など必要な物を補給してくれる。
またここからが更に辛くなるとStoneが使ったポールまでも私に貸すともって来てくれていた。
私はこんなサポートを受けたからには必ずゴールすると決めて補給を行い出発しようとしたところ、嘔吐をして倒れ込んでしまった。
すぐさまStoneは毛布などもって来てくれて倒れ込む私の保温をしてくれた。それでも私は行こうとするが、嘔吐が止まらず必要なエネルギーが摂れない・・・。
ここから約1時間10分倒れ込みながらも先に行くための体力の回復を図るが、回復するどころか悪化していく一方だった。それでもレースを無理にでも継続しようとする私にStoneが私に一言「This is race!!」
この言葉が例えどうなろうともゴールしようとする私の気持ちを和らげた。
ここでStoneを初め周りの説得もあり棄権する事を決め、私の2015年TNF100kmは終了となたった・・・
「最低でもゴール!!」常にこれを目標にやってきたのだが、今回はそれが出来なった。
でも不思議と棄権した事に対しての不満はなかった・・・。正直やりきってこの結果だからしょうがないと言う一種の満足感ともいえる感情があった。
TNF100は自分が思った以上にキツクそれでいて楽しいレースだった。
来年(2016年)も必ずリベンジしたいと大会が終わってから2週間ぐらいしてから思える様になってきた・・・w
そして2015年のレースは全て終了。
こんな事を書いているともう1月で今度は「VibramHK100」が開催される。
私は今回経験を通してまた更に強くなったと実感している。
さぁ2016年は経験から実践へと移行するターニングポイント。
これまでがむしゃらに走って来たけど、今年からは・・・・・
さてこれで香港の物語はこれで終了です(*´ω`)
長いだけでなく駄文である本文を最後まで読んで頂き有難う御座いますm(__)m
あとがき的な・・・w
トレイルランニングは競技でなく楽しんでナンボのアウトドアスポーツだと思っています。ではなんでそんな考えをもっている私がここまで酷使して走るかと言われるのですが、それは試したいからです。
何一つ突出したモノを持たない私がどこまでやれるのかと言う事を・・・
そして、証明したいです誰でも努力すれば世界のTOPと言われるアスリート達と肩を並べて真剣に同じ舞台で楽しめる事を・・・それは次世代へと。
って今年の箱根駅伝をみて思いました。
才能はその人が生まれ持ったモノでなく後から身につけるモノであると言う事を・・・。
2016年が始まるなぁとりあえず楽しむかな(´艸`*)