こんんちは、藤岡です。シアトルは記録的な熱波も一段落。過ごしやすい普段の夏になってきました。
さて、週末はクロストレーニングがてら「Seattle To Portland」というイベントに夫婦で参加してきました。
「Seattle To Portland」は名前が表す通りシアトルからポートランドまでの205マイル(330キロ)を自転車で走る一大イベントです。参加者はなんと一万人。シアトルっ子なら誰でも知っていて、みんな略して「STP」と呼びます。レースではなく、各々のペースで楽しみます。多くの人は途中一泊しますが、一日で全行程を完走する強者もいます。
私がそもそも運動を始めたきっかけは、三十代半ばを過ぎたあたりから代謝が悪くなったせいか、不規則な生活と運動不足でみるみるうちにブクブクと太ってしまったからです。当時すでにロード・バイクを始めていた妻に誘われて、体重を減らすために私も漕ぎ始めました。今ではトレイルランニング中心で自転車に乗る時間は減ってしまいましたが、一時は海外の市民ロードバイクレースに参加するほど、のめり込んでいました。
そんな自転車にはまっていた頃、どう練習したらいいのかを調べているうちに出会ったのが「サイクリスト・トレーニング・バイブル」および「トライアスリート・トレーニング・バイブル」です。いずれも日本語に翻訳されています。著者のジョー・フリール(Joe Friel)はエンデュランス系スポーツのコーチで、特に自転車やトライアスロンではエリート選手をコーチしています。
「サイクリスト・トレーニング・バイブル」や「トライアスリート・トレーニング・バイブル」は、当然それぞれの競技に特化した内容も含まれていますが、トレイルランニングやマラソンなどエンデュランス系スポーツ全般に当てはまる内容も多くて、とりわけこの本で知ったピリオダイゼーション(Periodization)という考え方は、トレイルランニング中心になった今でも、厳密に適用しているわけではないものの、トレーニングを構成していく上でいつも私の頭の片隅においています。
ピリオダイゼーションという概念を知っている方も多いと思いますが、大雑把に説明すると、一年を大きく「準備フェーズ」「本番フェーズ」「休息フェーズ」の3つに分け(マクロサイクル)、それぞれのフェーズをさらに数週間単位にさらに分割し、準備フェーズでは「準備」、「基礎作り」、「強化」を段階的に行い、本番フェーズでは「調整」と「レース本番」に分け(メソサイクル)、メソサイクルをさらに一週間単位に分割する(マイクロサイクル)ことで、全体の目的を視野に入れながら、その時期に応じたトレーニングを行うアプローチです。
私は今年合計10レースほど走る予定ですが、すべてのレースを同じ重み付けで走っているわけではなく、優先順位が高いレースはせいぜい2〜3レースほど。また十分な調整期間を取るために、重要なレース同士の日程は近すぎないものにしています。
その他のレースも当然それなりに結果を気にして走るものの、優先順位は落として重要なレースへ向けた準備的な位置づけとして走ります。また私の場合、普段の練習では普通20キロ前後、週末長めに走ってもせいぜい30キロほどなので、実際のレースで普段より長い距離を走ることで距離への耐性をつけたいと考えています。
私の今年のスケジュールと各レースの位置づけは以下のような感じです。優先順位が最も高い「A」レースのがUTMB、その次に優先順位が高い「B」レースがChuckanutとBighornとReunionです。これらのレースを視野に入れながら、日々の練習をしたり、「C」レースを走ったりしています。
月 | レース | 距離 | 優先順位 | 位置づけ |
---|---|---|---|---|
2月 | Orcas Island | 50km | C | 休み明け一発目。まだシーズン序盤。この時点でどの程度走れるかを確認。 |
2月 | Hilly Billy | 21km | D | スピードが要求されるChuckanutへむけ、短い距離で練習。結果は気にせず、とにかく怪我しないこと。 |
3月 | Chuckanut | 50km | B | 毎年出場しているレース。昨年以上の結果を目指す。 |
4月 | Yakima | 50km | C | 初めて参加するレース。楽しんで走るのが第一。 |
5月 | Sun Mountain | 50マイル | C | Bighorn100マイルへ向けて、距離の耐性をつける。 |
6月 | Bighorn | 100マイル | B | 結果を気にしつつ、UTMBへ向けた準備も兼ねる。 |
7月 | White River | 50マイル | C | UTMBへむけた最終調整。 |
8月 | UTMB | 100マイル | A | 昨年の結果を上回ることを目標に。 |
9月 | Crystal Mountain | 42km | D | UTMBからの疲労回復次第ではエントリーしない可能性あり。 |
10月 | Reunion | 100マイル | B | シーズン終盤。まずは未知の場所を楽しむこと。疲労の蓄積度合いによって柔軟に目標設定を。 |
12月 | TNFECS | 50マイル | C | アメリカで最もレベルの高い50マイルレース。トップ選手と走る良い機会。疲労の蓄積度合いによって柔軟に目標設定を。 |
とはいえ必ずしも想定したとおりに物事は進まないもの。体調や状況次第である程度柔軟に対応するようにしています。
次の大きな目標レースまであと一ヶ月ちょっと。レースを満喫できるようにぼちぼち準備していこうと思います。