シアトルに住む友達のケビンが先日信越五岳に参加した時のレースレポートが彼のブログに上がっています。彼には日本のレースがどんなふうに映ったのか、全文や写真は彼のブログをご覧いただくとして、こちらではざっくりと内容を訳してみました。私も機会があったら参加してみたいなぁ。
イントロダクション
- 何百回も「ガンバッテ」って声を掛けられた。「ガンバッテ」っていうのは英語だと「Good luck」にあたる言葉だけど、文字通りの意味としては「Do your best」に近い。自分のコントロールが効かない「運」に委ねる「Good luck」より、自分がコントロールできる「努力」に訴える「ガンバッテ」のほうがいいよね。
レース前
- 自分にとって初めてのアメリカ国外のレース。信越五岳ではレース主催者とは別の組織が企画する海外在住者向けのパッケージが用意されていて、そちらを使って参加した。飯山駅での出迎えや、ホテル、レースチェックイン会場、レーススタート地点の送迎などをやってくれる。各場所をいろいろ動きまわるのは忙しかったけど、送迎は便利だった。
- チェックインは、なんだかロードのマラソンのような感じ。机が並べられていてボランティアが受付をしたり、エキスポがあったり。アメリカのレースではトレイルレースのチェックインはもっと緩い感じ。
- 海外からの参加者向けに英語でのレースブリーフィングがあった。別段驚くような内容はなかったけれど、内容を再確認できると安心する。
- レース直前に日本に入った。レース当日の朝早く起きるのは問題なかったのだけれど、あとあと走る段になってやっぱり堪えた。
- レース当日の朝飯は、シリアルとおにぎりと弁当から選べたけど、レース前なので冒険せず、食べ慣れたコーンフレークにした。
レース
- スタート時、観客の声援はすごかった。ハイ・ファイブをしてランナーを送り出してくれた。レースのスタートの時にこんなに笑顔になったことはなかったかも。おかげでレース前の緊張はどっかにふっとんじゃった。
- 必須の装備品の一つに「ポイズンリムーバー」というのがある。そんなもの聞いたことがなかったのだが、調べたら蛇に噛まれたり、虫やハチに刺されたりするときに使うものだとわかった。で実際にレースを走ったら数マイル行ったところでアキレス腱をハチに刺されて、さっそくポイズンリムーバーを使うはめに。でもポイズンリムーバーはぜんぜん効かず、結局手で針を抜いた。
- 走れる登りがたくさんあった。シアトル近郊カスケード山脈のきつい登りに慣れていて、長い距離を走らされることはあまりないのでちょっときつかった。約15キロの地点でやっと最初の大きな登りが出てきたときは一安心。ここでモリタニさんという英語が話せるランナーに会って、いろいろ情報をもらったよ。
- この大きな登りの頂上から下るとき、地面がぬかるんでいてバランスをとるのが大変だった。でも周りのランナーをみるとそんなに苦労してなかった。自分の体格が日本の人々と比べて大きいからかなぁ。
- まだ25キロという地点で、すっかり疲れちゃった。多分、時差のせいだと思う。こっから45キロ地点までは辛かった。
- その後、アメリカから参加しているランナーと並走したり、日本のおいしい梨をたべたら復活。
- ドロップバッグがある65キロ地点で、エネルギーが切れて、加えてハチに刺されたところも痛くて、レース後の日本のバケーションを考えたらもうここでやめとこうかと思ってたんだけど、ちょっと休んで補給したら行けそうなのでコースに戻ることにした。
- 神社を通るセクションは楽しかった。
- 92キロ地点のエイドステーションは最高だった。蕎麦がすごく美味しかった。おにぎりと味噌汁も美味くて、再び力もみなぎってきた。
- 最後の5キロは元気で、10人くらい抜いたよ。抜いた人も声援をくれた。
- ゴールはエキサイティングだった。ゴールでは新しい友達と話したり、味噌汁を飲んだり、脚を伸ばして休んだりしたよ。
- 素晴らしいレース、すばらしい体験だった。
レース翌日
- エレベーターがないホテルで、みんなが階段を苦労しながら降りてくるのを見るのはなかなか楽しかった。
- 朝ごはんは、なんだかちょっと変わってた。ケチャップのスパゲッティは普段朝ごはんでは食べないからね。でも朝ごはんがおいしくて、おかわりしちゃった。
- 表彰式はこんなのは今まで見たことがないくらいの大イベントだったよ。
- レース時の写真が500円って安い!
- 表彰式会場で食べたカレーはすごく美味しかった。
- 海外参加組のコリーヌ・ウィリアムスが女子で優勝した。彼女はまだ二回目のウルトラだった。トロフィーやいろんな賞品をもらってた。おめでとう!
- 男子の方では、今年の春Chuckanut 50kで知り合って、Gorge Waterfalls 100kも走った西城さんが表彰台に。彼なら表彰台に登ると思ってた!
感想
- 本当に素晴らしいレースだった。今まで一番参加した中で、一番組織されていた。初めて参加する海外のレースとしては申し分ない。自分の走り以外に心配することは何もなかった。コースマーキングもしっかりしていたし、エイドステーションの備蓄も十分、それに美味しかった。ボランティアもとても応援してくれるし、コースの要所ではちゃんと目を配ってくれるし素晴らしかった。表彰式も楽しかった。みんな歓迎してくれた。走るという面でも、文化的な面でも素晴らしい体験だった。
- 皆さん有り難う!特に、レースディレクターの石川弘樹さん、アヴィド・アドベンチャーズのハリー・オハラさん、本当に有難う!
2 コメント
はじめまして。信越でケビンと一緒に走りました森谷と言います。ケビンは私の拙い英語にあわせてくれまして、110kmのうち半分以上一緒に走り、楽しかったです。ケビンによろしくお伝えください。
森谷さん、コメント有難うございます。ケビンは日本をすっかり楽しんで帰ってきましたよ。ぜひシアトルにも遊びに来てください!