こんにちは。藤岡です。
3月19日、チャカナット50キロ(Chuckanut 50k)を走ってきました。
今年で24回目となる伝統のレース。私は5年連続5回目の出場でした。結果は総合6位、マスター(40歳以上)1位。レースの格と現在の自分のレベルを考えると、これ以上は望めない大満足の結果でした。
チャカナット山の位置と気候
レースが行われるのは、シアトルとバンクーバー(カナダ)の真ん中あたりにある町ベリンガム(Bellingham)のすぐ南に位置するチャカナット山(Chuckanut Mountains)。10月から4月まで続く長い雨季のため、この辺りはアメリカで最も日照時間が短い場所と言われています。
レースディレクターはあの偉大なランナー
レースのディレクターを務めるのはベリンガムが生んだ偉大なランナー、クリッシー・モール(Krissy Moehl)。
UTMBやHardrock 100をはじめとして数々のレースを制してきた彼女。日本でも第二回UTMFを優勝しましたね。クリッシーは一時期コロラド州ボルダーに拠点を移していましたが、今年に入ってベリンガムに戻ってきたとのこと。私は今年に入って何度かチャカナット山を試走しましたが、結構な確率でクリッシーに遭遇しました。
エリート選手にとってのチャカナットの位置づけ
チャカナット50キロは本格的なトレイルランニングシーズンの幕開けを告げるレースで、このレースを皮切りに夏へ向けて調整をしていく国際的なエリートランナーも少なくありません。昨年UTMBで総合3位だったデイビッド・レイニー(David Laney | Nike)やウェスタン・ステイツ女子優勝、CCCで女子準優勝だったマグダレナ・ブレ(Magdalena Boulet | Hoka)も、昨年このレースを走っています。
今年の有力選手
今年も強者エリートが参加し、レベルの高いレースが予想されました。男子の有力エリート選手は以下のとおり。
- マリオ・メンドーザ(Mario Mendoza | Nike)… 2015年のマラソンディスタンスと50キロのトレイル全米選手権優勝者。アメリカ陸連が選ぶ2010年と2013年の最優秀トレイルランナー。
- ライアン・バク(Ryan Bak | Nike)… 昨年のThe North Face Endurance Challenge Championshipで3位。
- ダニエル・クラフト(Dan Kraft | Nike)… 昨年のThe North Face Endurance Challenge Championshipで7位。
- マット・フラハティ(Matt Flaherty | Salomon)
- ジェレミー・ウルフ(Jeremy Wolf | Hoka)
- エリック・センスマン(Eric Senseman | Scott)
そして女子はここ数年ほぼ毎年チャカナットを走り何度も優勝しているエリー・グリーンウッド(Ellie Greenwood | Salomon)が今年もダントツの優勝候補です。
エリートじゃないランナーも多いコミュニティに根ざしたレース
多くのエリート選手が走る一方で、初めてウルトラ・ディスタンスを走ろうという人が多いのもこのレースの特徴です。テクニカルな箇所は少なく走りやすいコースなので、とっつきやすいレースといえます。
また長く続く地域のコミュニティに根ざしたレースで、たくさんのボランティアに支えられており、だれでもウェルカムな雰囲気でトレイルランニング初心者も迎えてくれます。
私にとってのレースの位置づけ
私にとってはOrcas Island 50k以来のシーズン二戦目。年初に目標設定をしたとおり、このレースは夏のレースへ向けて現時点での自分の力を把握するのが一番の目的で、昨年(4時間7分台で7位)や一昨年(4時間5分台で9位)と比較してどの程度の結果が残せるかが一つの指標でした。
やっぱり過去の結果を下回りたくないという思いは心のなかにあって、レース前は若干プレッシャーを感じていました。
コース
コースプロフィールは以下のような感じ。(コース詳細はこちら)。最初の10キロと最後の10キロはほぼ平坦、その間が山というコースですが、実はこの平坦な区間がレースの結果を左右する最大のポイントです。
レースの振り返り
今年は例年とは異なり好天でトレイルのコンディションも良好。気温も下がりすぎず絶好のトレラン日和になりました。
このレースは全般的に走れるコースで、逆に言うと走れる人にとっては休めるところがほとんどありません。最後までしっかり足を残して走り抜くのがレース攻略の鍵になります。中間の山の区間で足を使ってしまったランナーは、最後の平坦区間で失速し、順位を落としてしまいます。
したがって私は前半は無理をせず、先行するランナーを意識しすぎずに自分のペースでレースを進めました。中盤以上はしばらく周囲にランナーが見えず単独走状態になりました。自分のペースで走れている感触はあったもの、前のランナーが視界に入ってこないので「前は本当に速いなぁ」と感心しながら走ってました。35キロ地点から5キロの下りを経て最後の10キロの平坦区間へと続く終盤は、前半に無理をしなかったおかげで強い足取りで走り抜き、結局この区間で3人を抜くことが出来ました。
このコースで良いタイムの目安となる4時間切りも達成できました。最後の10キロは「こんなにトレイルコンディションがいい今年に達成できなかったら一生できないよ」と自分に言い聞かせながら必死に走りました。
上位10名の前半(スタート〜13.3マイル地点)、中盤(13.3〜21.4マイル地点)、後半(21.4〜ゴール地点)の区間ごとのタイムは以下の通りで、私は最初の区間タイムは11位でしたが、その後徐々にペースを上げて最後は区間4位のタイムだったことがわかります。
前回のOrcas Island 50kで昨年を上回る結果を出したのに引き続き、今回も自己ベストのタイムでゴールできました。ハイレベルの大会で良い結果を出すことができ、とても満足しています。
妻も走ってました
ちなみに、OCCを目指す私の妻も走りました。
彼女にとっては二度目のウルトラでしたが、無事、制限時間内に完走を果たしました。スバラシイ!