ワーワー言いながら下谷の山崎町を出た。
上野の山下を回って上野の広小路、新黒門町から御成街道を真っ直ぐに五軒町へ出る。
当時、堀丹波守様というお屋敷がありましたそうで、この前を通って旅籠町へ出る。
仲町、花房町、筋違御門から大通りへ出る。
神田へ出てまいりまして、新石町、須田町、鍋町、鍛冶町、乗物町、今川橋を渡って本白銀町へ出る。
石町から本町、室町から日本橋を渡って通り3丁目、中橋から南伝馬町へ出る。京橋を渡って真っ直ぐに銀座四丁を突き抜ける。
尾張町、竹川町、出雲町。
新橋の手前を右に切れまして、土橋を渡って、兼方(けんぼう)町へ来る。
久保町へ出る。
新し橋の通りを真っ直ぐに、左に曲がって愛宕下から天徳寺へ抜ける。
西の久保から神谷町、飯倉の坂ぁ上がって、六丁目から飯倉片町へかかって、狸穴(まみあな)の通りへやって来る。
右に上杉様のお屋敷を見ながら、左に、当時流行った”おかめ団子”という評判の団子屋の前を通り、左に麻布の永坂下って麻布十番に出た。
坂下町から大黒坂登って、一本松から麻布絶口釜無村の木蓮寺に着いた。
黄金餅という有名な古典落語の一節だ。
今日はこの道のりを走ってみた…とは言っても、上野から麻布までのたった13km
でもこの昔の地名を検索しながらとはいえ、翻訳しながら走るのは面白かった。
これを現代の地名に置きかえると…
国道4号東上野4丁目からスタートして上野駅前を通り、上野広小路から真っすぐ中央通りを末広町、秋葉原、神田、日本橋、京橋、銀座を抜け、新橋(銀座8丁目の信号)を右折、土橋を通り過ぎ西新橋1丁目の道を真真っすぐ東京タワー方面へ。
愛宕神社前を右に曲がり天徳寺を左に見ながら桜田通りを左折。神谷町を通り過ぎ、飯倉を右折。左にロシア大使館を見ながら飯倉片町を左折。
永坂を下り、麻布十番の大黒坂を右折、坂を登りきった所の一本松を右手に見ながら仙台坂上を左折。1つの信号を右に曲がった突き当りが麻布絶口釜無村の木蓮寺という架空のお寺があったという設定。
現在は麻布絶口ではなく絶江公園という公園が残っている。
この落語を知らない人には何の事だかわからない道のりだろうな…