『靴を履くことによって退化してしまった本来の足の機能を取り戻そう!』
裸足ランニングのコンセプトを一言で言えばこんな感じだろうか?
そこで気になったのが『本来の機能を取り戻した足を持った人間が最先端の靴を履いたらどうなるだろうか?』と言う事だった。
ウチのスタジオでは人間本来のカラダの使い方を普及するために『裸足ランニング』を取り入れている。
僕自身も日本ベアフットランニング協会で裸足ランニングのトレーナーの肩書きをもらい普及活動のお手伝いもしている。
そんな僕がUTMFで選んだ靴がHOKA…厚底の最先端?のシューズで見た目は『裸足ランニング』の対極に位置するシューズだ。「なんで石井さんがHOKA?」
…スタート前から何人の人に言われたことだろうか?
元々僕自身が『裸足ランニング』を始めたのは、古傷の膝痛に悩まされていた2010年2月に“BORN TO RUN”と出会い、すぐに感化され2010年4月にビブラムでフルマラソン(かすみがうらマラソン)を走り、2011年11月にはリアル裸足でフルマラソン(河口湖マラソン)を走ってみたりした。
トレランデビュー戦になった去年のSTYはニューバランスのminimusのM10。
トレラン2戦目のハセツネはビブラムのSPYRIDON。
そして日常生活もルナサンダルがメイン。
この経験で一番カラダが学習したのは膝に負担がかからない楽な着地の方法。
そこで疑問に思ったのが前述した『本来の機能を取り戻した足を持った人間が最先端の靴を…』と言う事がUTMFでHOKAを履いたことに繋がった。
初めから薄々わかっていたことだったが結果は『走るのは靴ではない』という事が再確認出来た。
確かに裸足系のシューズに比べ砂利道や林道での突き上げが少ないのに驚いたのは事実。
でも当たり前の事だが100マイル走る走力、筋力があってナンボのものであり、靴が走ってくれるものではない。
順位やタイムを競うレベルの人達にはトレイルの状態によっては靴は大きな問題だと思う。
しかし僕のような完走を目的とした人間にとっては、靴は何でもよかったな…というのが正直な感想だ。