こんにちは。
ざれた急斜のくだりがこわい、さいこです。
さて、前回お話しした去年の失敗を踏まえ、今年は同じことを繰り返さないよう、なるべく標高の高い所へ練習に行き、わたしの弱点と対策を再確認しながら、準備をいたしました。
目標は、
「睡眠時間を確保しながら、150時間を目一杯使って完走する!」
です。
そのために立てたタイムスケジュールとその結果がこちらです。
睡眠時間は、トータル21時間30分でした。1日4時間くらいです。20時間も寝たのか!という感じですし、最終セクションで呑気に仮眠を取っている場合じゃないように見えます。
でも、わたしは普段1日8時間は眠る自称ロングスリーパー。
毎日50km4000D+動き続けながら、1日4時間睡眠は、地獄の沙汰です。
これを補うために、眠りの質を高める必要がありました。
そこで用意したのが、これらの快眠グッズです。
最初のライフベースは去年と同じ、外の仮設テントでした。
おまけに初日は雨でしたから、着ていたものは濡れて、泥だらけでした。
でも、これらのおかげで今年はぐっすり眠ることができました。
シュラフはデポバックの中でかさばりますが、それでも持って行って大正解。
濡れた服の上に透湿性の高いレインギアを着用し、そのままシュラフへ入れば、みるみる間に着ているものは乾いていきました。
シュラフが暑い場合は、インナーシーツにシュラフカバーをすれば快適に。
ライフベースでは、寒さに耐えるためにエマージェンシーシートを被っている人が多いのですが、結露で濡れる上、再利用も困難です。
シュラフカバーは結露もありませんし、片付けも簡単、何度も使えるのでとても便利です。
というわけで、快眠を手に入れたわたしは、起床後もしっかりごはんを食べることができ、毎回元気いっぱいにライフベースを出発することができました。
快眠グッズの他に、わたしを助けたのは、こちらの赤いデポバッグ。
中身を見やすく小分けできて、見た目よりも、ものすごくたくさん物が入ります。
大会側から支給されるデポバッグの中にもスポッと入り、この他にシュラフや着替え、替えのストックなどを入れてもまだ大丈夫。
おかげで、起床後の荷物の整理に焦ることもなく、気持ちに余裕を持つことができました。
行動中の装備をご紹介しましょう。
これらは軽量化もやや意識する選手の、標準的な装備だと思います。
寒暖差に弱いわたしとしては、これらをいつ、どのようにレイヤリングしていくかが重要でした。
また、ライトの準備のタイミングなども含め、とにかく先手先手の準備を心掛けました。
寒くなってからでは手遅れ、寒い場所で立ち止まることを回避する、と、常に意識していたので、去年のような失敗に繋がることはありませんでした。
それでも、胃腸が止まってしまうことが何度もありましたが、すりおろしリンゴが主成分の、果糖のゼリーをちびちび飲んで、腹膜をマッサージすることで、胃腸の動きを回復させ続けました。
このような対策は、去年の失敗からだけでなく、日本でのアルプス縦走などの実体験から多く得ることができました。
やはり、標高の高い山を多く経験して、自分の弱点を見つけて、それに対する対策をするというのが、トルデジアンのようなロングレースに役立つと実感しました。
あとは、焦りをいかに捨てて、自分のペースを楽しむかでした。
今年は自分のことではなく、家族、友人、選手、スタッフなど、とにかく「人」を思いながら進みました。
まあ、結構悪態もつきましたが、それでも、人を思って進んでいると、楽しいことばかり。
ライフベースでは、わたしより速い選手にも、何度も再会できました。そして、色々なアドバイスをもらったり、時には一緒に行動してもらったりと、本当にお世話になりました。
100マイル地点のコーダ小屋へは、トルデジアン3年連続完走のツワモノ、つるちゃんに引っ張ってもらいました。
遠くに見える小屋の灯りを目指し、強風吹き荒ぶマイナス5℃の尾根を進みます。去年のわたしだったら、確実に具合が悪くなっていたでしょう。
でも、今年は違いました。
コーダ小屋に到着したとき、正直、これは完走できる!という、確信に近いものを感じていました。
とはいえ、何が起きるかわからないのが、ロングレース…。
次回は、わたしに起こった予期せぬ出来事についてお話しします。
お楽しみに〜。