今年の箱根は日体大が優勝を果たしましたね。襷がつなげなかった昨年から一転して30年ぶりの総合優勝。判官びいきじゃないけど終止応援してしまいました。
さて、昨日は駅伝にちなんで、三浦しをんさんの「風が強く吹いている」(と代走みつくに)を紹介しましたが、今日は自分がランそのものにぐっとのめり込むきっかけとなった駅伝イベントについて紹介します。
僕がランニングを始めたのは2010年の12月なんだけど、その翌月2011年1月にこんなイベントが始まりました。
RUN Fwd: はNike+を用いて3km以上走り、ネット上で友人から友人へと“襷”を繋いでいくソーシャル駅伝企画です。
iPhone向けアプリ「NIKE+ GPS」の日本での発売を機に、世界中のランナーを盛り上げるため日本の伝統的なランニングレース『駅伝』に注目しました。
駅伝というレースに存在する特有の“和”や“連帯責任”といったメンタリティを生かし、襷を繋げていくことをいかに体験してもらうということがポイントでした。
企画がソーシャルグラフ(人間関係)の中にいかに入っていけるかを重視することで、Nike+というプラットフォームに、駅伝特有のメンタリティを持ち込むことで『ソーシャルラン』という価値の提供を図りました。
NIKE RUN Fwd:というこのソーシャル駅伝、(ルール詳細:http://nikerunfwd.jp/iphone/about.php)僕は最初このイベントを知らなかったんだけど、大阪の友人のランニングチーム「TEAM JET」からたすきが回ってきて存在を知り、自分も走り友人のランナーにたすきをつなぎました。その後もランナーの友人をTEAM JETに紹介したりしてゆるくサポートしていたんですが、いつの間にか本気になってしまい、TEAM JETのみんなと協力してそれまで一日一人たすきをつなげれば上出来だったものを、多いときで一日5人がたすきをつなぐという分刻みのガチマネジメントに移行w 見事ランナー数と距離の二部門でぶっちぎりの優勝を果たしました。(結果:http://nikerunfwd.jp/iphone/ranking.php)
このイベントはSNSと走るって言う実際のアクティビティが結びついたとても素晴らしいイベントでした。2年前の企業のソーシャルプロモーションって、いかにtwitterでRTされるかみたいなのが多くて、twitterで一瞬盛り上がるんだけど現実世界ではあまりなにも起こっていないっていうのが多い印象だったけど、このイベントは、走るというリアルな行為をSNSをつかって繋いでいくものだったので、一気に拡散こそしないもののイベントの経過とともに実際のランの輪が拡大していく面白さがありました。それを可視化したサイトデザインも秀逸でした。(このキャンペーンサイトは東京インタラクティブ・アド・アワードで金賞を受賞しています。当ブログでは視認性を優先してiPhone用のページをリンク先に指定していますが、PC用のサイトは http://nikerunfwd.jp/index.html#/jp/home をご覧下さい。)
何故僕がこのイベントきっかけでランにはまったかって言うと、ランを始めたばかりの頃って、身体も重いし、距離も走れなくて、辛いことの方が多くて、最初の1ヶ月は月間50キロをいやいや走っている感じでした。それがこのイベントに参加したら、ソーシャルを通じて多くの仲間と一緒に走っている感覚が生まれました。走れば他の誰かがtwitterでナイスランと声をかけてくれるし、誰かがたすきを繋いで自己ベストのタイムや最長距離を走るとそれが自分のモチベーションになる。たすきを繋いだ135人のうち、オリジナルのTEAM JETメンバーは10名にも満たないんですけど、135人のチームって言う感じがありました。たすきのパワー、マジでスゴいです。北海道や九州の友人、更にはアメリカの友人が走ってくれたり、ソーシャル上で僕らのランを見ていたランナーじゃない友人がたすきを繋ぎたいって言ってくれて、大雨や大雪の中走ってくれたりしたこともありました。そんなこんなで、気づいたらこのイベント期間の2ヶ月で一気にランニング仲間も増えランニングが好きになっていたんですw
このイベントを仕掛けたのは当時NIKEのプロモーションを担当していた蓑輪さん。6年くらい前に話題になった「アキバマン」のプロモーションを仕掛けた方でもあります。イベント後に機会を得て色々お話を伺ったのだけど、やっぱり“和”や“連帯責任””襷を繋げていくこと”の実体験に主眼をおいたイベントであることが再確認できました。更にあまりに良いイベントだったので、僕とonyourmarkの松田さんでユーザー主導のRUN Fwd:クロージングイベントを箕輪さんに提案した所、快諾頂け開催に向けて諸々サポート頂けました。(テーマソング担当のtoeを読んでliveもしました!)更に、クリエイティブチームのワイデンアンドケネディの皆さんからも、参加したユーザーのみなさんにコメントを頂くことができました。彼らがイベント後にユーザー側のこういうコミュニケーションを受け入れてくれたことからも、このイベントがユーザーに開かれたものだったということがよくわかります。
その後蓑輪さんは会社を移られ、残念ながらこのRun Fwd:はそれ以降行われていませんが、今後同様のイベントがあったら今度はトレラン仲間のみんな巻き込んでもっとでっかい結果を残したいと思います。後は自分たちでもこういうイベントをやれるくらいまでになりたいですね。
長くなりましたが、箱根往路で襷が繋がれていく様子を見ながら、そんなことを思い出したのでした。
2 comments
Nike fwd: またやりたいデスね~。
ウチのチームは、すっしーががんばって個人距離で
受賞させてもらいましたが、あの企画のつながり感とか
本当に楽しかったなぁと。
ああいう、ユーザの一人一人が、クリエイティブの一人一人が
楽しんでるのが伝わる様な、クリエイションをしてゆきたいなぁと、
デザイナーとしては思う一方、ユーザとしてまた楽しみたいなぁと、
思いますね〜
ああ、二回目ないかなぁ。。。
SUSSHYのチームだったんだね。最長距離賞で東京まで呼んじゃいましたw その時俺はまだトレランしてなかったから、山を二つ越えて80km走ったとか理解できませんでしたがww
W+Kの動画見てもわかる様に、みんなランナーと同じ目線だよね。本当に良いコミュニケーションデザインだったと思います。
またやりたいね〜!