GWの1週前の週末、長野まで行き善光寺ラウンドトレイルに参加して来た。トレランのレースに参加するのはもはや2年近くぶり、そして最後にちゃんとゴールしたレースはちょうど2年前の平尾台以来である。ずっと走れていないし、山には行けてなかったので長いレースは難しいが、気楽とはいえ何度も出ている青梅高水とかに参加するのはマンネリ感がある、というところで長野に面白そうなレースが出来るというので今回エントリーしていた。
コースは長野市のシンボルであり、7年に一度のご開帳でにぎわう善光寺の背後に広がる山が舞台となっている。地附山、大峰城、葛山、頼朝山という山のピークを5回ほど通り、200m程度のアップダウンを繰り返すコースである。累積高低は1100mということで、大したことはないが、ピークを何度も越えるので脚を温存しないと後半がつらくなるコースである。会場まで善光寺の裏手から徒歩30分程度であり、当日の10時に長野駅に到着する新幹線でも十分余裕をもって会場に到着できる。
スタート後は登りなのでのんびりと歩いていたらついに最後尾になってしまい、上り切る頃にスイーパーに追いつかれた。さすがに走れるトレイルが始まっているにも関わらず、歩いているというのはないので、少しずつ前の人をパスしながらようやくレースをスタート。あちこちに花が咲いており、気持ちよい春のトレイルという部分が多いコースであった。葛山にさしかかる直前で折り返してきたトップ集団とすれ違う。ここに来て、ようやく前後の距離もばらけかけていたが、滑落注意ポイントがあったようで大渋滞にはまる。最後尾組も渋滞に追いついて来たようで、ここまで走った分がすっかり帳消しになった。
ここで止まっていたせいか、渋滞のボトルネックの先に気持ちよく走れるコースが続いていたにも関わらず、左右両方の脹脛ともビキッという痛みが走る。まぎれもなく、この痛みは気をつけないと肉離れになる。その後ゴールまでこの痛みがときどき現れて、その度にスローダウンするということをしながら、ただ止まらず遅くとも歩き続けるようにして進んだ。トレーニング不足で心肺系の方がキツいと思っていたが、脚の筋力系の方が問題が多かったようだ。思う様に脚が動かせない、変に動かすと肉離れしそうになる、そんなもどかしさを抱えながら、ちゃんと練習しようと思う次第であった。最後は脚の痛みが不安でダッシュすらできずにゴール。タイムも順位もどうでもよく、久々にトレイルレースに出て苦しんで楽しんでゴールしたことに意味がある。
レース後はそのまま徒歩で善光寺へと下る。17時から始まる法要が終了すると同時にご本尊の扉が閉じられるタイミングにギリギリで着き、法要や本尊が閉じられる様子や、そして閉じた後の南無阿弥陀仏の合唱と、狙ってもなかなかできない体験をすることができた。今回はせっかく長野まで来たのだからと今回は宿泊する予定にしていた。翌日は戸隠か美ヶ原か、もう一山ということも考えていたが、筋肉痛の脚ではそんな余裕はなかったので普通に観光を、ということで東山魁夷を見て、さらに松本へ移動して草間弥生を見て、と美術館巡りをして帰った。
東京から、短い距離のレースに参加するためにそこそこ遠いところへ行く事の是非はある。朝の新幹線で行って昼過ぎからレースをして、一泊して翌日は観光する。長いレースに出るとレースだけで週末が終わるが、こういう充実した休日の過ごし方もよいと思う。また当面レースに出る事は困難であるし、山へ行ってのトレーニングも難しいが、久々のレース参加は楽しい。次は秋がターゲットになってしまうが、山へ行けない分、日々の生活の中でいかに走る時間をつくるかということを考えさせられる一日であった。