9月から久しく雨で始まる週末が続いていた中、ようやく晴れた10月中頃の週末、
茨城のひたち海浜公園に行く事にした。ほぼ手ぶら、町歩きの格好で家を出てから駅に向かう間になぜか、せっかく遠くまで行くのだからついでに福島の方でも行ってみるかと思いつき、その勢いで郡山に宿泊して翌日安達太良山へ。さすがにそれなりの標高の山に行く以上、防寒具がないと危険なので途中に通ったいわき駅の駅前の無印良品でセーターを買う。翌日、まあ行ける所まで行ければいいかと思ったが紅葉シーズンで人も多く、気持ちよく登る事ができた。
智恵子抄の一説の中で、東京には無い「ほんとの空」のある場所として語られるのが安達太良山である。標高1700mながら、見晴らしは遮るものの無い景色はまさに「ほんとの空」という眺めで実に素晴らしい。予備知識を持たず行ったが、その週のYahoo紅葉情報では東北のNo1スポットになるほど人気のようだ。福島という一見遠い場所にありながら、新幹線を使うのでコストはかかるが日帰りも十分できてしまうというアクセスの良さである。
紅葉シーズンのせいか郡山の先の二本松駅から登山口へ向かうバスは超満員、そして登山口手前で道も大渋滞。結局ロープウェイ駅の2kmくらい手前で痺れを切らした人達が降り始めたのでそれにつられてバスを下りて登山口へと向かう。ロープウェイを使えばかなり楽に登る事もできるが、登山コースとしても往復で5時間ほどで急な上りも無い。トレランのスタイルであればそれよりかなり早く景色を楽しみつつ帰って来れる。帰りは登山口にある奥岳の湯に浸かる。紅葉の安達太良山を眺めながら入浴できる最高の場所にして、まだ新しくきれいな施設である。帰りのバスもすし詰め状態だったが、バス乗継ぎの岳温泉で1本待っても大して時間が変わらなかったのであだたらカレーを食しつつ次のガラガラのバスで帰った。それでも東京に着いたのは19時前で、新幹線の速さは偉大というか、奥多摩の方に行っても同じくらい時間はかかるのではと感じた。
今回は日帰りで家に帰るつもりの町歩きの格好で家を出たまま、思い立って福島まで行っての旅行になったどころかその勢いで山へ登ったということに関して、万全の準備が出来ていると到底言えないことは重々承知している。ただし、当然のことながら登山届けは出しているし、登山コースと標準タイムも調べていたのでそれに対し必要十分と思われる水と食料も持って行った。そもそもこれまでに何度も痛い目にも遭っているので、今回は軽装(過ぎること)を考慮してハイカーだらけのメジャーなルートしか通っていない。楽しんで帰る事が一番大事。最低限抑えるべきところを抑えていればそのときの状況に応じて楽しめる範囲で楽しめばいい。「ほんとの空」を眺める事ができてよかった。
安達太良に向かう前に寄ったひたち海浜公園