ゴールデンウィークでどこも行楽地が賑わう中、鎌倉のトレイルで歩行者とランナーがどの程度の人数いるのか、交通量調査を行った。トレイルランニングのマナーをめぐる議論は絶えないが、そもそもそこのトレイルにどれだけの人が通って、そのうちランナーがどの程度か、という情報を数字として把握しておくべきである。
今回はあくまでも個人でできる範囲でやってみたに過ぎないため、これがすべてを物語るわけではないし、客観性から言うとかなり不十分な事は否めない。あくまでも、ある特定の日の、特定の時間の、特定の場所で実際に調査したらこうなったという参考情報である。こういったデータは然るべき団体やメディアによって調査され、広く公開されているべきであるが、残念ながら定量的な数字として見た事はない。
調査日時:5月4日(金祝)13時〜15時
調査場所:大平山〜天園休憩所間のトイレ近く
歩行者:大平山→天園 409人(5分平均17人)、大平山←天園 212人(5分平均9人)
ランナー:大平山→天園 19人、大平山←天園 13人
場所として設定した天園トレイルの大平山と天園休憩所の間のトイレ近くは、どちらの方向からも下ってきてフラットになった所であり、歩行者とランナーの区別が比較的つきやすい所である。鎌倉でも最も人が多いであろうという予想の下に天園トレイルで計った。延べ人数として約650人が通過したうち、ランナーは32人で、およそ20人に1人ということになる。この数字は延べ人数のため、この区間を往復した人はどちらの方向にもカウントされている。
大事な事は、この数字から何を見るか。
①トレイルを走った時に追い越しやすれ違う人数
トレイル入口の明月院や建長寺から天園休憩所まで走った場合に、通行時間として10分〜15分以上はランナーの方が早いだろうから、平均人数から予測すると50人は追い越すことになる。13時〜14時の方が交通量が多いので、この時間の場合はもっと数字が増える。また、この区間を40分程度で通行するとなると、反対方向へ向かう人数から推測すると40人とすれ違うことになる。一方で、ランナーとのすれ違いは数回程度である。
②トレイル利用者の進行方向
大平山→天園方向の方が倍近くの人が歩いている。しかし、逆方向でも5分単位で見ると多数通過している時間もあるため、通行するタイミングによってはたくさんの人とすれ違う可能性もある。
③トレイルランナーの比率
連休でもっと遠くの山にでも行っているのか、あるいは鎌倉でも最も人の多いトレイルのため避けているのか、思ってたよりかなり少ないという結果になった。5%というのは、このコースの通行者数を考えるとそのくらいという気もしなくないが、それよりも絶対数として少なく感じた。単純に人数しかカウントしておらず、グループ数では見ていないが、その場合はより少なくなる。
今後、高尾山、丹沢、奥多摩、奥武蔵といったランナーの多そうな場所においても同じような調査を行おうかと考えている。今回は数字から読み取れる事実だけを書いたが、他の場所でも同じような調査を行う事で、比較してどうなのかという評価もできるようになる。