9月のことだが、立山に行った。ちょうど夏に増えた感染者が落ち着き始めていた時期である。
どこか山へ行こうとは思っていて、那須あたりに行くつもりで夕方の大宮駅へ向かっていたが突如思い立って富山行の新幹線に乗り、富山へ移動して宿泊、翌朝から立山~黒部へと抜けるアルペンルートを目指す。立山は、標高2400mの室堂まで、新幹線とローカル線、ケーブルとバスで簡単に行くことが出来る。ある意味、最も簡単に登れる3000m級の山である。これまで行ったことがなかった。
立山ケーブルはそれなりににぎわっていて、1時間待ちとなる。バスに乗り継いで室堂に着いたのが10時半過ぎであった。黒部ダムを通って長野側に抜ける帰りのバスの都合があり、15時20分のバスに乗る必要があったので、約5時間の持ち時間という状況だった。その時間内で確実に回れるコースとして、雄山から登って、大走りを下って雷鳥平経由で室堂に戻るループコースを行くことにした。雄山頂上や、その次の大汝山まではそれなりに人がいたが、その先になると急に人の数も少なくなる。途中、雲がかかって視界がなくなることもありつつ、雲が移動するとその先に剱岳まで見渡せた。3000m級の山からの眺めはやはり格別なものがある。青空もよいが、雲があると風情が出るし、空の上にいる感は強くなる。
帰りは各種乗り物を乗り継ぎながら、放水を行っている黒部ダムを眺めつつ、扇沢まで移動した。どの乗り物もそれなりに立つ人がいる状況で、後から乗ると立つことになるが、次の乗り物は逆に先に乗れるので座れる、ということを繰り返す。黒部ダムだけ観光に来る人も多いのか、電気バスが混雑しており、ここがボトルネックになるようだ。その後、長野駅にバスで移動して新幹線で帰った。大町からあずさなど使って帰るよりも長野経由の方が早く帰れる。立山は富山から往復か、扇沢から往復か、ワンウェイか、行き方は色々あるが、富山に前泊するのが旅行としては効率的と思った。