先日コロナに感染した。手指消毒はこまめにしてたし、スイッチやドアノブは小指で極力触れるなど気を付けていたつもりだが、感染したのが事実であり現実である。度重なる緊急事態宣言でテレワーク主体となっていたが、電車で出勤する日もあるのだから、感染者を含んでいるかもしれない不特定多数との接触が多かれ少なかれある。なので自分もいつかどこかでもらって感染するかもしれないという漫然とした不安はもっていた。手指消毒は絶対的に重要であるが、マスクについては実際に感染者と居合わせた場合には無いよりマシの効果しかないという程度の認識でいた。
連日の報道ではオリンピックやワクチンはどうなる、本日の感染者数は、緊急事態宣言はまた出るのか、みたいな同じような話が繰り返される間に時間だけが過ぎている。既に都内であれば100人に1人以上が感染し、そのうちの1.5%が亡くなっている。しかしながら、罹った人がどうなるかというのは、変異株は重症化が早いとか、デルタ株はもっとも危険とか、断片的なものであるし、罹ってしまった人が欲しい情報は入ってこない。
症状は多数あって人によって色々なので、自分の場合では、という条件付きになるが、参考になればと思う。出社せずにテレワークをしていたある日の昼過ぎ、少し咳が出るのが気になったのが最初の症状である。少し熱っぽさも感じながらも早く寝ようと思い、この夜は熱を測らず寝て翌朝を迎える。熱を測ると37.5℃で嫌な予感がしたので、その日の仕事の対面アポを何とかして即テレワーク切替と判断した。昼に発熱外来に行って、倦怠感も味覚障害も無いことを伝えつつ、「念のため」PCR検査を受けた。その翌日には処方された解熱剤を朝に飲んでいたとはいえ、夜になっても熱が36℃台に下がった状態が続いていた。陽性を告げられたのは熱が下がった状況でだったが、他人に感染させてしまうわけにもいかないのでホテル療養となる。もし、PCR検査を受けていなかったとしたら、熱下がってよしよし、で普通の生活を行なっていた可能性が高い。そうすると誰かに感染させていた可能性がある。感染経路は不明だが、今思うと空調の風がガンガン当たる飲食店での1人の食事なんかが怪しい気もしている。いずれにしても、マスクを外す必要がある飲食店での外食が、日常生活の中で極めてリスクの高い場所である。あとは、感染者がそういった場で近くに居合わせるかどうかは運次第である。
ホテルにはほぼ平熱でほぼ入所した。上層フロアの眺めの良い部屋で、夜景が綺麗だった。食事は朝がパン、昼と夜は揚げ物だったり焼き魚がメインの弁当で、夜食用のカップ焼きそばも提供される。紅茶や緑茶、コーヒーなどもあって、不自由なく過ごせた。そして、入所2日後に味覚が突如として無くなった。味が薄いとかいうレベルではなく、完全に失われている状態である。朝食でおかしいと感じ、昼食のカレーの味を感じなかった時点で味覚がないとはこれか、と思った。味がしない食事というのは全く楽しくなく、辛いものである。ホテル療養は入所からずっと熱と酸素飽和度が特段異常無しだったので順調に1週間ほどで終了した。当初発症から3週間以上は経っているが、少し回復したもの相変わらずで、1ヶ月以上かかることを覚悟している。ホテル療養終了時に渡された資料によると後遺症の脱毛が発症1ヶ月後に出ることがあるらしかったり、長期的な視野で見た影響は全く不透明である。想像以上に辛く、そして厄介なウイルスだと思った。
ウイルスを運んでいるのは人で、日常の様々なところで人と人の接触がある以上、誰でも感染のリスクはある。逆に言うと人と人の接触の機会を断つしかこのウイルスを防ぐのは難しい。感染した人は、自分がなるとは思ってなかった、こんなに辛いとは思わなかったと思っているだろう。今日もまた街ゆく人たちは自分が罹ることをどこまで想定しているのだろうか。何が正しいかはわからないが、罹らない方が確実にいいだろう。現時点では、ワクチン接種2回を終えるまで極力リスクを回避する行動を取っておくのがベストなのだと思う。