前十字靭帯断裂、、、
筑波山にて、足を滑らせて落ちた着地の衝撃によって負ったケガである。
筑波山は男体山と女体山からなる双耳峰であるが、男体山から登り、女体山も登ってこれから下る、という矢先だった。時間としては、想定しているよりも早く動けていたので急いだりする必要は全くなかった。岩場で前が詰まっていたので止まろうとしたつもりが前日の雨で濡れた岩に滑ってしまった。着地の態勢が悪かったのか、膝がぐにゃりと見たこともない曲がり方をして、そして激痛がした。他の場所を打ったり出血等はなかったので痛みが引くまで少し止まってから、ロープウェイ頂上駅まで自力で戻れるかと思い、降りてきた岩場を登り返したものの、その先の下りでまた膝がぐにゃり、、、結局救急を呼ぶことにする。以前の羊蹄山以来、またも山岳救助隊にお世話になることになってしまった。また、足をケガした時に、近くにいた方が救助隊到着まで付き添っていただいたことにも大変お世話になった。
結局救助隊に肩を借りながらロープウェイ駅まで歩き、ロープウェイで麓駅まで下山、車椅子に乗り救急車まで運ばれそして病院へ。横に寝た状態での救急医の触診には痛みが特になかったので、医者も首を傾げていた。足を曲げたり、体重かけると痛みがあるものの、触る分には支障がなく、そして腫れてもいない。レントゲンを撮り、骨に異常ないことは確認されて、靭帯の損傷の疑い濃厚と言われる。筑波でそのまま入院とはいかないので、紹介状を作成してもらい、膝用のサポーターを装着し、松葉杖で病院を出る。流石に筑波からタクシーで帰るのは辛いので、電車乗り継ぎで比較的近い駅まで帰り、そこからタクシーで帰った。エレベータが改札から遠かったり、バリアフリーのための計画が如何ほど出来ているのか、自分が不自由な身になると身に染みて実感する。土曜の出来事だったので、日曜日丸一日安静で、月曜に近くの大きな病院に行くことにした。
コロナのご時世の影響か、大きな病院の整形外科は予約制のようで、紹介状は持っていたものの予約無しでは診察出来ないと断られ、何日も診察待ちはしてられないので、予約無しでも診察してくれそうなところ、ということでMRIを保有していてスポーツに強い整形外科に行くことにした。今思えばアスリートも行くような整形外科にしたことは初期の診断や今後のリハビリを考えると正解だった。この時点では内側副靭帯の損傷と思われる、と説明されていたので、前十字ではなくてよかったと楽観的な気持ちでいた。そして診察をした医師が開口一番、おそらく前十字靭帯のような気がする、のコメント。前十字といえばスポーツ選手が長期離脱や引退の原因になる、というイメージがあったので、驚くとともに楽観的な気持ちは吹き飛んだ。次に山に行けるのはいつだろう、秋に申し込んだマラソン大会は出れるのか。というか、いつ以前にそもそも、走ったり山に登ったりできるように回復するのだろうか。
MRIを撮った結果、前十字靭帯断裂が確認されたため、再建手術をするためにリハビリを始めている。日常生活に戻れるくらいの回復に1ヶ月ほどかかるそうだ。一旦、膝周りの可動が正常になってから手術をして靭帯を再建し、さらにまた松葉杖からのリハビリを行う必要があるということで。どんなに早くいっても、普通に歩けるようになる9月下旬まではかかるだろう。この夏はリハビリの夏になることが決まった。今思えば、久々のトレラン大会として、今年は信越五岳に出ようかと思ったものの、エントリー合戦であっさり敗退したのは結果的にはよかったと言える。
自分の不注意と気の緩みが招いたケガであって、他の人に役に立つ教訓はあまりないかもしれない。テーピングがあったところで自力下山できたとは思わないが、この日は人が多い山だからと思ってテーピングすら持っていないなど、深い山に行く場合と比べて装備は手薄だった。言えることは、どんな山であろうと常に事故に遭うリスクはあって、起きた時にどう対応できるか。安易に救助を呼ばないために、事前に準備出来ることは全てやるべきであるが、必要なのであれば速やかに救助を呼ぶべきである。今回で2回目の山岳救助のお世話になったが、関係各位には大変感謝しかない。また山を登れるように回復したら、より一層注意しながら登ろうと思う。