膝の手術以来初めてのフルマラソンとして金沢マラソンに出た。結果からすると5時間57分ということで、全くもって誇れるタイムではないが、それでもケガをする前に最後に出た大会の富山マラソン2021よりも2分ほど上回っていた。せめて4時間台でという気持ちだけはエントリーする際にあったが、日々の練習もままならない中、完走出来るかどうかの方が現実的に考えるべき目標という状況の中で当日が近づくにつれ逃げたい気分ばかりであった。
金沢マラソンは、金沢の街の中心をスタートし、駅から片町のところまで街のメインストリートを走る大会で、ゴーゴーカレーなどエイドも充実していて非常にホスピタリティの高い大会である。誕生日と同時期という縁もあり、今回が3回目の出走である。ようやくコロナ禍が終了して沿道の応援も全面解禁ということで、スタートからゴールまでかなりの場所で声援を受けることができた。海外からの申込も再開しており、特に台湾人のランナーが目についた。10km過ぎにコース最高地点があり、ハーフ過ぎている以降はほぼフラットなコースのため、走りやすいコースである。毎年同じコースと思っていたが、今回は最近開通したバイパスを一部通るコースに変更となっていたようである。
前日時点の天気予報は6時〜12時は60%で、雨天スタートは確定的に思えた。実際、前日もなかなか雨が激しく降っており、観光どころではなかったが、雨の中で片山津温泉まで行ったりしていた。練習が全然出来ていないこともあり、雨を言い訳にして棄権しようかとも思っていた。6年前、山中温泉でのトレランで豪雨の中で結局第1関門でリタイアした嫌な記憶もよぎる。当日、予報は外れて曇り空ながらも太陽も多少見える天気だった。これで天気は言い訳に出来なくなったので、そのまま出走することにした。何回かトイレ行ったものの、気温低かったせいか、スタートブロック整列時にまたトイレに行きたくなり、最初のトイレに駆け込むことになった。その後、ハーフ地点までは走り続け、残りを歩いても完走ということは確信した。
とりあえず25kmまでは歩くことにして、そこからは様子を見ながら走って歩いての繰返し。手術した際にハムストリングを切っていて攣りやすくなっているし、後半はとにかく脚にアクシデントがあるとリタイアや大幅なタイムロスの原因となるのでとにかく前へ確実に進めるペースで進むことが重要である。40km地点あたりでそれまでの晴天が嘘のように、土砂降りの雨が数分あったが、熱くなった身体を冷やすのにちょうどよかった。頭の中の計算では6時間をギリギリ切れないのでは、と終盤焦っていたが、なんとか切れたこと、そして何よりも怪我をする前に最後に出た大会よりもタイムが良かったことに、多少感極まるものがあった。
前十字靭帯断裂とその手術からのリハビリの日々は、もう二度と走れないのでは、など非常に悲観的な気持ちになることも多かったが、ようやくフルマラソン完走できるところまで来たと思うと、また次を頑張ろうという気になる。今回、チームラボの金沢城のイベントをやっている時期であり、マラソンがてら金沢の街を楽しむこともできた。ゴールタイムについては、また来年リベンジかなと思う。