ハイライトから書いてしまったものの、時空を巻き戻って大会紹介です。
初開催となったMauna to Mauna(M2M)は7日間で6ステージが繰り広げられるステージレース。大会中に必要とされる食料、寝袋などの物資はすべて背負って運ばなくてはならない。水と宿泊するテントは大会側が用意してくれる。僕の装備は、水をのぞいた乾燥重量で7kgと、わりと軽めだった。10kgを超えるランナーもちらほらいるが、重さはスピード、疲労と密接に関わるので、できるだけ軽量化を図っておきたいところである。
コースはというと、大会名となっているふたつのMauna=山が舞台になる。マウナケアとマウナロアである。火山活動によって誕生したハワイ島は溶岩でできたゴツゴツとした大地があちこちで見られる。一歩踏み間違えて転倒すると流血は避けられない。テクニカルな路面なのだ。
装備チェックの行われた大会前々日に、想定外のアナウンスが告げられ、コースレイアウトが当初予定から大きく変わった。レース4日目には、もっとも高い地点で標高3,000m近くまで上昇して、コース終盤まで2,000m台で推移していく。元々は1,000m台だったことを考えると大幅な変更である。そして全体的にアスファルトの上を走る区間が増えるらしい。
コース変更にいたったのは、土地所有者からの合意が得られなかったからだという。3年前から用意していたコースが直前になって覆るというのは主催者としては残念に違いないが、出場する側としても戸惑うばかりである。初開催ということで不備が出るのは仕方ないと思っていたものの、予想を上回る展開である。
ドタバタぶりに拍車をかけたのが天候である。常夏の島をイメージしていたにも関わらず、連日の雨という想定外ぶり。特に大会前半は一時的なスコールではなく、朝から晩まで降りつづけるという異常気象に見舞われることになる。地元から出場している選手ですら、天気の予測が困難で、首をかしげるほどだった。
どうでもいいことではあるが、ハワイ到着時にスマホとポケットWi-Fiを入れたシャツを飛行機に置き忘れてしまったことも、僕にとっては誤算であった。