東京は寒さが厳しくなってきましたが、沖縄県本島最北端の国頭村(くにがみそん)では、冬至を前に半袖では過ごせなくなってきたそうです。
東京で「沖縄初のトレイルランニング大会ができました」とお話すると、
「沖縄に山なんてあるんだー!!」と驚く人がいます。それだけ海のイメージが強いのですね。
国頭村は、沖縄本島の命の源である水源地を有する 村有地の84%が森林区域。特別天然記念物の やんばるテナガコガネや、ヤンバルクイナ、ノグチゲラ が生息する豊かな自然が残る村です。
そして、国頭村はもともとスポーツ王国!
立派な陸上競技場と常設のクロスカントリーコースを有し、日本陸連強化選手や実業団長距離チーム、最近では箱根駅伝で優勝を目指すチームも訪れていて、沖縄県におけるスポーツコンベンション先進地域として注目されていました。
ここが「くいなエコ・スポレク公園」。
わたしもこんな競技場で走ってみたい!
国頭村の人たちと話していると、みなさん陸上の話題に強くてびっくりします。
きょうは沖縄初のトレイルランニング大会が国頭村で生まれた背景を整理してお伝えします。
1 森に囲まれたクロスカントリーコースを活用したスポーツイベントを模索
村内のクロスカントリーコースを使って何かスポーツイベントができないか?と考え、1年以上前から村の有識者で、「スポーツイベント検討会」が開催されてきました。当初はトレイルランニング大会ではなく、クロスカントリー大会が検討されていたのです。
2 やんばるエリアでのトレイルランニング大会の可能性を半年ががりで調査
後に国頭トレイルランニング大会の事務局長を務める国頭村 企画商工観光課の知花課長が、大宜味村(おおぎみそん)にある 辺土名高校陸上部の大城昭子先生(沖縄県高体連陸上専門部 長距離強化委員長)にクロスカントリー大会について相談しました。
それで白羽の矢が立ったのが、スポーツツーリズム沖縄の喜久里忍さんでした。
▲コース開拓中の喜久里さん
喜久里さんは2011年に古宇利島マジックアワーRUN という大会を企画運営・マネジメントを手がけた方。村の動きとは別に、喜久里さんは2012年からトレイルランニング大会が「やんばるエリア」でもできる可能性があることに気がつき、全国の大会の概要について半年かけて綿密な調査をしてきました。
3 トレイルランニングの大会を検討するための下見に20人が集結
トレイルランニングの大会を創れば、県外から国頭村にくる人が増えるかもしれないと考えるようになり、 6月26日にコースの下見をすることになりました。当日は、スポーツイベント検討会委員や、宮城久和村長以下、20名のメンバーが集まったそうです。管理職の人も現場に出て「自分の目で確かめよう」とする姿を見て、喜久里さんは「これまでかかわってきた自治体とは、どこか違う雰囲気だった」と振り返ります。
どこの自治体も持ち込みイベントだと現場が疲弊してしまうことが問題になります。国頭村は村が「自分ごと」としてトレイルランニングの大会をつくろうと動き出したことが、「沖縄初」の大会設立となった大きな要因ではないかと思いました。
『首都圏トレイルランニングコースガイド』を企画執筆し、沖縄好きなので、もしかして「国頭トレイルランニング大会って、シュカさんが仕掛けたの?」と聞かれることがありますが、それは誤解です。
国頭村と私がつながったきっかけは、また改めて。
きょうはここまで。
エントリーはスポーツエントリーで受付中です。
(県内参加者は12月25日・県外参加者は1月10日まで)