はじめに|御坂山地をぐるり50km、富士の絶景とともに
5月18日、富士山の絶景を望めることで知られる御坂山地をロングトレイルランニングで周回した。御坂山地は山梨県、河口湖・西湖・精進湖の北に連なる東西約40kmの山塊であり、富士五湖エリアからその全容を見渡すことができる。
本ブログでは、河口湖大池公園を起点に50kmに及ぶ山塊縦走の記録を、トレイルランナー目線でお届けする。
コース概要|河口湖〜西湖〜御坂山地全山を巡るルート
● 今回の周回ルート
- 河口湖大池公園
→ 道の駅かつやま
→ 足和田山(1,355m)
→ 三湖台 → 紅葉台 → 竜宮洞穴 → 樹海遊歩道
→ 西湖根場 → 王岳(1,623m) → 鬼ヶ岳(1,738m)
→ 節刀ヶ岳(1,736m) → 黒岳(1,793m)
→ 御坂山(1,596m) → 三ツ峠山(1,785m)
→ 天上山 → 河口湖大池公園(ゴール)
山と高原地図におけるコースタイムは23時間20分。この日は14時間での踏破となった。
前半|足和田山から紅葉台、静けさ漂う樹海へ
足和田山〜紅葉台|富士山絶景と整備されたトレイル
スタート地点の河口湖大池公園を午前5時に出発。序盤はUTMFのコースにもなっている区間で、足和田山から紅葉台までは整備された東海自然歩道を快適に走れる。足和田山頂の展望台からは、見事な富士山の全景を望むことができる。
樹海遊歩道と竜宮洞穴|独特の静寂と天然記念物の神秘
紅葉台からは樹海遊歩道に入り、空気が一変。静寂と深い森に包まれる中、天然記念物である竜宮洞穴を訪れる。夏でも氷が残るという全長約60mの冷気あふれる洞穴が、異世界のような雰囲気を醸し出していた。
中盤|王岳〜鬼ヶ岳〜黒岳、稜線からの雄大な眺望
王岳登頂|いよいよ御坂縦走の本番へ
西湖根場からの急登を経て王岳に到達。ここからが御坂山地の本格的な縦走路である。標高を上げるごとに、富士山の裾野の広がりが視界いっぱいに広がる。
鬼ヶ岳と南アルプスの大パノラマ
鬼ヶ岳からは南アルプスの稜線が遠望でき、まさに「空に浮かぶ山々」といった光景が広がっていた。適度なアップダウンが続く稜線は、走っていて気持ちが良い。
後半|疲労のピークと達成感、三ツ峠山からの下山
黒岳〜三ツ峠山|トレイル終盤の粘りどころ
活動時間が10時間を超えると、体に異変が現れ始めた。脚の踏ん張りが効かず、膝の痛みや吐き気も出る。ロングレース後半特有の症状ではあるが、これもまた経験。ペース調整やストレッチを行いながら、何とか踏ん張って進む。
三ツ峠山は富士山の眺望名所であるが、山頂はあいにく雲に隠れていた。
府戸尾根で河口湖へ|夕闇とともにゴール
下山ルートは府戸尾根。ゆるやかなダウンヒルが長く続き、ハセツネの金比羅尾根以上に走りやすいと感じた。夕暮れの中、誰もいないトレイルを走り、ついに19時半、出発点の河口湖大池公園へ帰着。14時間に及ぶ縦走が完了した。
おわりに|御坂山地は四季折々で再訪したい名ルート
御坂山地は、富士山の眺望、静かな樹海、変化に富む稜線と、トレイルランナーの心を満たしてくれる名ルートであった。特に、50kmというロングコースを走ることで得られる達成感と自然との一体感は代えがたい。
次回は季節を変えて、またこの美しい山域を訪れたい。