先週末、信越五岳トレイルランニングレース事務局から一通の封筒が届いた。中には、大会中止に伴う対応書類一式と、大会記念Tシャツ、トートバッグが同封されていた。
またひとつ、新型コロナウイルスの影響で中止となった大会の記念Tシャツが増えた。
ペーサーとしての信越五岳
自分が信越五岳トレイルランニングレース(以下、SFMT)に関わったのは2018年と2019年の2回。どちらも、会社の同僚・モリジーがSFMT100マイルに挑戦する際のペーサーとして参加した。
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2018年は、笹ヶ峰で無念のDNF。
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2019年は、雪辱を果たして完走。
モリジーの挑戦をペーサーとして支えながら、自分自身も多くの学びと感動を得た。今、当時の参戦記を読み返すと、胸の奥に熱いものがこみ上げてくる。もし興味があれば、ぜひ目を通してほしい。
自分の番が来たという実感
2019年も完走できなかったら、彼がゴールするその日まで、何度でもペーサーとして伴走し続ける覚悟だった。
しかし、心の中ではこうも思っていた。
「このままでは、いつまでたっても自分の番が回ってこないのではないか?」
「自分も選手として走りたい。まだSFMTの110kmも100マイルも、自分の脚で挑戦したことがない。」
2019年、モリジーが完走し、ペーサーとしての大役を果たしたことで、ようやくその想いに区切りをつけることができた。ようやく、自分の番がやってきたのだ。
2021年、選手としての挑戦
2021年、幸運にもSFMT110kmにエントリーすることができた。
まずはこの距離をしっかりと完走し、その先にあるSFMT100マイルへの挑戦につなげていくつもりである。
これまでの物語は、モリジーの挑戦を支えた「第一章」。
これからは、自分自身が100マイルに挑む「第二章」が始まる。
そして、次に100マイルに挑戦する時には、今度はモリジーにペーサーを務めてもらう構想を描いている。選手とペーサーの立場を入れ替え、かつて自分が支えたように、今度は彼に支えられながら、自らの脚でゴールを目指したい。
タンスの奥ではなく、未来の象徴として
2021年大会にエントリーした選手には、翌年の大会に対する優先エントリー権が付与されるとのこと。対象は110km・100マイルのいずれかとなっており、自分が100マイルの参加資格を満たしているかは現時点では不明である。
もし資格を満たしていない場合、SFMT100マイルへの挑戦は最短でも2年先になるだろう。
手元に2枚の記念Tシャツがある。
ひとつはUTMF2021、もうひとつはSFMT2021。
どちらも、2021年に開催予定だったが、コロナ禍により中止となった大会である。長い時間をかけて目標としてきたレースであり、中止の報は非常に残念であった。
これまで多くの大会記念Tシャツを受け取ってきたが、そのほとんどは袖を通すこともなく、タンスの奥にしまい込まれている。だが、この2枚だけは別格だ。
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大会へのモチベーションを保つため
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いつかこの大会を完走するという誓いを忘れないため
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自分の未来の姿を思い描くため
この2枚のTシャツは、何度でも身にまとい、心に刻み続けるつもりである。
終わりに
走ることの意味は人それぞれだが、自分にとってそれは「物語」であり、「証」である。
Tシャツに込めた想いとともに、次なる一歩を踏み出していきたい。