はじめに
2024年8月上旬、2泊3日(前泊を含めると3泊4日)で【飯豊連峰全山縦走】に挑戦してきた。
福島・山形・新潟の3県にまたがる飯豊連峰は、日本百名山にも数えられる壮大な山塊。
今回は、川入登山口からスタートし、最高峰・大日岳を経て、北端の朳差岳(えぶりさしだけ)までを歩き切る、全長約65kmのロングトレイルに挑んだ。
飯豊連峰とは?
飯豊連峰は、福島・山形・新潟の県境に位置し、
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大日岳(2,128m・最高峰)
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飯豊本山(2,105m)
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北股岳(2,025m)
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烏帽子岳(2,017m)
など、標高2,000m級の山々が南北約20kmにわたって連なる大山塊。
その圧倒的なスケール感、豊かな自然、日本離れした稜線風景は、多くの登山者を魅了してきた。
ルート概要と装備計画
当初は北からと南からの両ルートを比較検討したが、最終的にアクセスのしやすさを考慮して、福島県・喜多方市川入登山口から北上するルートを選択。
● 行程概要:
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総距離:約65km
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累積標高:D+3,769m/D-4,152m
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実行時間:22時間14分(コースタイム比 約80%)
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テント泊+避難小屋泊
● コース概要:
川入登山口 → 飯豊山 → 大日岳 → 北端・朳差岳 → 大石ダム → 越後下関駅
飯豊連峰の魅力と過酷さ
飯豊連峰は「豪雪の山域」として知られ、谷は深く、アプローチは長く、急登も多い険しい山。
しかし一度稜線に出てしまえば、そこには穏やかな縦走路と見渡す限りのお花畑が広がる。
真夏にも関わらず、雪田が残る涼やかな風景と、高山植物の咲き乱れる景色は圧巻だった。
厳しさ・優しさ・豊かさ——それらが調和するこの山域の魅力に、心から惹かれた。
縦走記録(備忘録)
● DAY 0
東京駅 → 東北新幹線 → 郡山駅 → 磐越西線 → 会津若松駅(ホテル泊)
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前泊のため市内ホテルに滞在
● DAY 1
会津若松駅 → 山都駅 → 川入登山口 → 御沢野営場 → 笹平 → 三国山 → 種蒔山 → 切合小屋(テント泊)
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アクセスバス利用で川入へ
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切合小屋(テント泊1,000円)
● DAY 2
切合小屋 → 飯豊山 → 御西岳 → 大日岳 → 烏帽子岳 → 北股岳→ 門内岳 → 地神山 → 頼母木小屋(避難小屋泊)
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雨天により予定変更し、頼母木小屋(避難小屋:2,000円)で宿泊
● DAY 3
頼母木小屋 → 大石山 → 朳差岳 → 前朳差岳 → 大石ダム → 道の駅 関川併設の温泉施設・桂の関温泉ゆ~む → 越後下関駅 → 米坂線代行バス → 坂町駅 → 羽越本線 → 新潟駅 → 上越新幹線 → 東京駅
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温泉「桂の関温泉ゆ~む」で日帰り温泉利用
おわりに
稜線のどこまでも続く花畑、朝夕に染まる空、そして厳しい登り。
全てが思い出深い、最高の山旅だった。
アクセスの難しさや天候のリスクを含めて、簡単な山行ではないが、「本当に美しい山を歩きたい」という登山者に、ぜひ歩いてほしい縦走路だ。