北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY15:2023年8月8日(火)
モッタ海岸温泉旅館 発 → 江ノ島海岸 → 弁慶岬 → 道の駅みなとま〜れ寿都 → 歌才ブナ林駐車公園 → 道の駅くろまつない → 道の駅らんこし・ふるさとの丘 → ふるさとの丘キャンプ場(泊)
DAY15移動距離84km
累積移動距離1,148km
義経・弁慶伝説の地
旅の序盤、「弁慶岬」に立ち寄る。ここは、源義経と武蔵坊弁慶が蝦夷地に逃れてきたという伝説が残る場所。
岬には、今も大きな弁慶像が風に耐えるように立っていた。
強い海風が吹き、空はどんよりと曇っている。目を凝らすと、数日後に訪れる予定の積丹半島がうっすらと見えた。静かで、少し物寂しい風景。伝説の面影を感じながら、しばし足を止める。
知る人ぞ知る、名店「ラーメン松龍」
道道寿都黒松内線沿いにある「ラーメン松龍」へ立ち寄った。年季の入った店構え。ツーリング中のバイカーたちに“バイカーの聖地”と称される隠れた名店だ。
ラーメンは、あっさりながらもコクのある一杯。北海道ラーメン文化の奥深さを体感するには、まさにうってつけの味。
後に知ったことだが、この店は私の訪問後に千歳市へ移転したらしい。名物女将は80代になった今も鍋を振っているというから驚きだ。
降雨で予定変更
黒松内に入る頃、天気は崩れ始めた。この地域には、日本最北限の天然ブナ林「歌才ブナ林」があり、トレッキングを予定していたのだが、雨足が強まり断念。
仕方なく「道の駅くろまつない」で雨宿り。身体が冷え、濡れた服が重く感じられる。温かい飲み物で、ようやく少し落ち着いた。
自転車もバッグもびしょ濡れで、まさに“旅の洗礼”を受けたような気分だった。
当初はニセコ町まで走る予定だったが、雨の影響で予定を変更。手前の蘭越町にある「ふるさとの丘キャンプ場」で一泊することにした。
蘭越町は、清流・尻別川の流域に広がる肥沃な土地に恵まれた農業地帯。道沿いには「らんこし米」の田んぼが続き、鮮やかな緑が目に優しく映る。
自然とともに旅をする。その意味を、雨の日は特によく実感する。