北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY18:2023年8月11日(金)
道営野塚野営場 発 → 島武意海岸 → 旧余市福原漁場 → 旧下ヨイチ運上家 → ニッカウヰスキー余市蒸留所 → 小樽祝津パノラマ展望台 → 小樽市総合博物館本館 → JR小樽駅 → 色内地区の旧銀行街 → 小樽市内の宿泊施設(泊)
DAY18移動距離76km
累積移動距離1,395km
積丹ブルーと断崖の造形美、島武意海岸
渚百選にも選ばれている「島武意海岸」へ。
切り立った断崖と、積丹ブルーと呼ばれる透き通るような海。まるで絵画のような風景が広がっていた。
階段で渚まで下りられるのだが、戻ってきた方が「アブが多いよ」と忠告してくれたので、虫が苦手な自分は怖気づいてしまい、下りるのは断念。少し心残りではあるが、眺めるだけでも十分に感動的だった。
漁業と交易の記憶をたどる
余市に入り、歴史的建造物をいくつか巡った。
まずは「旧余市福原漁場」。幕末から明治期にかけてニシン漁で栄えた福原家の建物群で、内部の展示は非常に充実しており、当時の活気ある暮らしが伝わってくる。
続いて「旧下ヨイチ運上家」へ。
ここは江戸時代、松前藩がアイヌとの交易を行うために設置した拠点。現在も大きな建物が残っており、交易の盛況ぶりを今に伝えている。
北海道の歴史は、自然との戦いと共存、そして異文化との接点に満ちている——そんなことを思わされる。
日本のウイスキーの原点、余市蒸溜所
「ニッカウヰスキー余市蒸溜所」を見学。
創業は1934年。札幌軟石を使った石造りの建物が立ち並び、創業当時の雰囲気を今も残している。
見学は予約制のガイドツアーで、「日本のウイスキーの父」竹鶴政孝の軌跡を辿ることができた。
ここから始まった国産ウイスキーの歴史と情熱が、しっかりと伝わってくる場所だった。
自転車で登る、小樽の“ご褒美”展望台
「パノラマ展望台」という名前の場所には、たいてい急坂がつきものだ。「小樽祝津パノラマ展望台」も例に漏れず、登り切る頃には脚がガクガク。
しかしその先に広がっていたのは、登ってきたことを後悔させない絶景だった。
日和山灯台、高島岬、そして断崖絶壁の先に広がる日本海。時間がゆっくりと流れているような、そんな景色だった。
異国の面影を感じる小樽の街
小樽の街へ。鉄道と貿易の歴史が色濃く残る、異国情緒に満ちた港町。
まず訪れたのは「小樽市総合博物館」。
国指定重要文化財の「旧手宮鉄道施設」では、巨大な機関車庫や転車台を見学。鉄道ファンではない自分でも、心が躍る光景だった。
その後は、JR小樽駅のステンドグラスのような照明、旧銀行街が並ぶ色内地区を自転車で巡った。どこかヨーロッパのような雰囲気が漂い、歴史的建築物が街並みに深みを与えている。
小樽のソウルフードで締めくくる一日
夕食は、小樽市民のソウルフード「若鶏時代なると本店」の名物「若鶏半身揚げ」。
カラッと揚がった皮に、ジューシーで柔らかい肉。絶妙な塩加減が食欲をかき立て、ペロリと完食。人気の理由がよくわかる味だった。