北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY28:2023年8月21日(月)
みさき台公園キャンプ場 発→道道106号稚内天塩線→オトンルイ風力発電所→稚内温泉童夢→ノシャップ岬→北防波堤ドーム→稚内市内の宿泊施設(泊)
DAY28移動距離120km
累積移動距離2,217km
突然の体調不良に見舞われて
昨晩は、悪寒と激しい腹痛に襲われ、寝苦しい夜を過ごした。
思い当たる節は、毎日のように口にしていた冷たい飲み物の飲みすぎ。胃腸が悲鳴を上げていたのかもしれない。
常備薬でなんとか症状は落ち着いたものの、念のため稚内市内のドラッグストアで薬剤師に相談し、適切な胃腸薬を購入。
「1日3回、1週間は服用を続けてください」とのことだった。
旅を続ける上で、体調管理の重要さを痛感。冷たいものは控えめにしようと心に決めた。
サロベツ原野:絶景ロードを駆け抜ける
天塩町を抜け、「道道106号線」に入ると、旅のハイライトのひとつであるサロベツ原野の絶景ロードが始まる。
真っ直ぐに続く道の両側には、ガードレールも電柱もない果てしない原野と空。「これぞ北海道」という風景が広がり、目の前に広がる大地のスケールに心を奪われた。
やがて、「オトンルイ風力発電所」が登場。並んだ風車が風に揺れ、未来的でありながらも自然と調和した姿が印象的。
そして、タイミング良く雲が切れ、遠くに利尻山が姿を現す。海の向こうから堂々と立ち上がる姿に思わず息をのんだ。
思わずスマホで松山千春の「大空と大地の中で」を再生。曲と風景がシンクロして、不覚にも涙がこぼれた。
最北端の温泉とノシャップ岬
絶景ロードの余韻を引きずったまま、稚内市内の「稚内温泉 童夢」へ。
ここは、日本最北端の温泉として知られる名湯。旅の疲れと体調の不安を少しだけ和らげてくれた。
その後は、「ノシャップ岬」へ。
本来ならば目の前に利尻島・礼文島が見えるはずだったが、あいにく雲が多く、利尻山は山頂がかろうじて見える程度。それでも、北の果てを感じるには十分だった。
古代ローマ建築のような防波堤ドーム
稚内港にある「北防波堤ドーム」は、まるで古代ローマの神殿のような円柱構造。
高さ14m、70本の円柱、427mの長さ。重厚で美しく、土木建築が持つ芸術性に驚かされた。
さらに驚いたのは、稚内市街地の中心部に普通に鹿がいたこと。
人に慣れているのか、逃げる様子もなく、旅の疲れにちょっとした癒やしをくれた。
稚内グルメ「チャーメン」でエネルギー補給
夕食は、稚内名物の「チャーメン」を求めて「ラーメン広宣」へ。
焦げ目のついた麺の上に、海鮮・豚肉・野菜がたっぷり入った醤油あんかけ。見た目のボリューム感と香ばしさが食欲を刺激する。体調不良を忘れるくらい、しっかり美味しかった。
パニアバッグの防水対策を強化
前日の雨で浸水してしまったパニアバッグは、ホテルのドライヤーで温風乾燥。
さらに、ドラッグストアで購入した漬物用の厚手ビニール袋を使って、即席パックライナーを作成。今後の防水性を高める応急処置となった。
4週目終了。旅の後半へ向けて
この日で旅もちょうど4週間目を迎え、累積移動距離は2,217km。
東京から台湾を超える距離に達した計算になる。
しかし、現実的な課題として今、最も大きいのは自分の体調。
突然の腹痛と悪寒は、「無理をするな」という身体からの警告かもしれない。
ここから先の道のり、ペース配分と健康管理が大切になってくる。