北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY32:2023年8月25日(金)
稚内市内のホステル 発→セイコーマート とみいそ店→白い道→宗谷岬→道の駅さるふつ公園→エサヌカ線→北見神威岬→ウスタイベ千畳岩→枝幸町の宿泊施設(泊)
DAY32移動距離131km
累積移動距離2,493km
雨の中、最北端の地を目指して
朝5時半、稚内のホステルを出発。
空はどんよりと曇り、出発早々から小雨がぱらつく天候。
宗谷湾を左手に、国道238号線をひたすら北上する。
目指すは、今回の旅の大きな節目となる「日本最北端・宗谷岬」。
途中で立ち寄ったのは、日本最北端のコンビニとして知られる「セイコーマート とみいそ店」。
この先、しばらく補給地点がないため、ここで水分と行動食を補充しておく。
“最北端”を冠するコンビニや郵便局、ガソリンスタンドが並ぶこのエリアならではの景色が面白い。
雨の白い道
宗谷丘陵にある「白い道」へ。
ここは、ホタテの貝殻を砕いた素材を舗装に用いた珍しい道で、その名の通り真っ白な路面が続く。
晴れていれば、空と海の青、路面の白とのコントラストが絶景になるはずだったが、あいにくの大雨。
視界も悪く、写真もあまり撮れなかった。唯一無二の道だけに、少し残念。
日本最北端・宗谷岬に立つ
雨に濡れながらも、宗谷岬に到着。
旅に出て32日目、累計走行距離は約2,500km。すべて自分の脚で漕いできた果てにたどり着いたこの地には、言葉にしがたい達成感があった。
「最果て」という言葉が、これほどしっくりくる場所はない。
ホタテフライでエネルギー補給
宗谷岬を後にし、オホーツク海を左手に見ながら南下。
昼食は「道の駅さるふつ公園」にある「さるふつまるごと館」へ。
定番のホタテ丼と迷ったが、雨と長距離で消耗した体が欲したのは「ホタテフライ定食」。
ふわっと柔らかい身にサクサクの衣。想像以上の美味しさだった。産地で食べる海の幸は格別。
北海道らしさ全開「エサヌカ線」
午後は、ライダーやドライバーに人気の絶景ロード「エサヌカ線」へ。
全長約16km、視界の先まで続くまっすぐな直線道路は、まさに北海道ならでは。
両側は一面の牧草地。クランクがいくつか入っているものの、圧巻のスケール感。
こういう道を走りたかった——。この道のためだけに来る価値があると思えるほどの至福の時間だった。
北見神威岬とウスタイベ千畳岩
さらに進んで、「北見神威岬」と「ウスタイベ千畳岩」にも立ち寄った。
どちらも観光地化されていない静かなスポット。波が削った岩肌が見せる荒々しい表情が印象的だった。
旅最長の一日
この日の宿は枝幸町の温泉付きホテル。
走行距離は131kmに達し、旅中最長を更新。
朝からの雨と長距離走行で体はすっかり疲弊していた。
濡れた衣類は洗濯乾燥し、バッグ類はドライヤーを駆使して乾かす。
夕食はホテルの食事処で「ホタテとサーモン丼」を注文。プリプリのホタテにとろけるサーモン。疲れた身体に染み渡る味だった。