北海道一周4,000km・49日間の自転車旅日記。
北の大地に広がる豊かな自然、歴史、文化、食との出会いを綴る。
【期間】2023年7月25日〜9月11日(49日間)
DAY42:2023年9月4日(月)
根室市内の宿泊施設 発→明治公園→ノツカマフ1・2号チャシ跡→ヲンネモトチャシ跡→納沙布岬→根室市歴史と自然の資料館→車石→霧多布岬→浜中町内の民宿(泊)
DAY42移動距離131km
累積移動距離3,459km
サイロのある明治公園からスタート
根室の朝は霧に包まれていた。まずは近くのコンビニで朝食を調達し、明治公園へ。
明治8年に開場した「開拓使根室牧畜場」の跡地で、公園のシンボルは赤レンガ造りの3基のサイロ。中でも最大のものは高さ約15m、直径約6mあり、国内でも最大級の規模を誇る。現存する中で2番目に古いという歴史も興味深い。
チャシ跡群にアイヌの歴史を感じる
次に向かったのは、16〜18世紀頃に築かれた「ノツカマフ1・2号チャシ跡」と「ヲンネモトチャシ跡」。
チャシとは、アイヌ語で「柵囲い」を意味し、砦や祭祀の場、見張り台など複合的な用途を持った施設。静かな海沿いの丘に立つと、当時の人々の生活や緊張感がじんわりと伝わってくる。
本土最東端・納沙布岬へ
そして、本土最東端の納沙布岬へ到達。灯台は明治5年に道内で最初に建てられた歴史的な建造物。現在の灯台は昭和5年の建築だ。
霧が濃く、展望は叶わなかったが、その分、どこか神秘的な雰囲気を味わえた。
ここで、韓国から日本縦断中のサイクリストに遭遇。まさかこの後、彼とさらに2回も再会することになるとは、このときは思いもしなかった。
最東端のコンビニと資料館へ
「セイコーマート うちやま歯舞店」は日本最東端のコンビニ。記念看板の前で写真を撮って、証を残した。
続いて「根室市歴史と自然の資料館」へ。樺太の北緯50度線上にあった、日本とロシアの国境標石を見に行ったが、月曜で休館。北海道の公共施設は月曜休館が多いようだ。
奇岩「車石」
次に訪れたのは、国の天然記念物に指定されている奇岩「車石」。直径6mもの放射状節理の玄武岩が、まるで大きな車輪のように広がっていた。その造形美に思わず息を呑む。
名物・花咲ガニのチャーハンに舌鼓
昼食は「かに屋 めし屋 大八」で。名物・花咲ガニのチャーハンを注文。根室沖でしか獲れない希少なカニは、旨みと甘みが強く、どこか濃厚な磯の香りが特徴的だった。
チャーハンというシンプルな料理にして、この満足感。鮮度の力を実感する一皿だった。
サンマの漁船
花咲港では、珍しい「サンマ棒受け網漁」の漁船を発見。網の上に集魚灯でサンマを誘い集めて一気にすくい上げるという、合理的で独特な漁法。漁業の奥深さを感じた。
ラッコに出会った霧の霧多布岬
午後、北太平洋シーサイドラインを走って霧多布岬へ。名前のとおり、濃霧に包まれた岬だったが、ここで偶然にも野生のラッコを発見!
波間に浮かびながら貝を割るその姿は、野生とは思えないほど穏やかで愛らしかった。
本来は霧多布岬のキャンプ場で宿泊予定だったが、天候が悪いため、急遽近くの民宿に素泊まりで泊まることにした。
6週間経過、残り641km
旅も6週間が経過。苫小牧港からスタートしてここまで3,459km。
ゴールの苫小牧まで、残る距離は641km。東京〜大阪間よりも長い道のり。残された時間は1週間。
釧路、帯広、襟裳岬を経由してのラストスパートが始まる。