2025年4月9日から22日までの13日間、九州を一周する自転車旅に出た。
今回の旅はその第一弾として、新門司港(福岡)から志布志港(鹿児島)まで、約900kmを走り抜けた記録をお届けする。
DAY3:2025年4月11日(金)
築上町発→ 合元寺 → 中津城 → 中津市歴史博物館 → 福澤諭吉旧居・記念館 → メイプル耶馬サイクリングロード → 薦神社 → 耶馬渓橋 → 青の洞門 → 羅漢寺 → 山国町の宿泊施設(泊)。
移動距離:72.7km (計:158.1km)
累積標高差:467m (計:786m)
旅は3日目で福岡県から大分県へ。
中津の城下町や耶馬溪、中津グルメなどこの旅のハイライトのひとつを迎えた。
歴史の香り漂う中津へ
中津といえば、戦国時代の名軍師・黒田官兵衛が築いた「中津城」が有名。その城下町には、数々の歴史の跡が残されている。
まず訪れたのは、「合元寺」。ここは、かつて壮絶な戦いが繰り広げられた場所。白壁に染みついた血痕がいくら塗り直しても浮かび上がってしまうため、最終的には赤く塗られたという逸話が残る。そんな「赤壁」を目の当たりにすると、戦さの悲劇が生々しく迫ってくる。
続いて中津城へ。残念ながらリニューアル中だった。外観のみを写真に収めた。
そして「中津市歴史博物館」を見学。
その後、「福澤諭吉旧居・福澤記念館」へ。彼がこの地で学び育った背景を知ると、旧一万円札の肖像としてだけでなく、一人の人間としての諭吉により親しみが湧いた。
自転車旅の醍醐味:メイプル耶馬サイクリングロード
「メイプル耶馬サイクリングロード」は、旧国鉄の廃線跡を利用した全長36kmのコースで、中津駅から山国町守実までを結ぶ。アップダウンがほとんどなく、道幅も広くて非常に走りやすい。
静かな自然の中を進む爽快な時間だった。特に新緑のカエデが美しく心に残った。
静と動の風景・薦神社と耶馬渓橋
サイクリングロードから寄り道して、「薦神社」へ。池そのものが御神体という神秘的な神社。江戸時代に建てられた神門も立派で、時間を忘れて見入ってしまった。
続いて立ち寄ったのが、「耶馬渓橋(オランダ橋)」。全長116m、日本一の長さを誇る石造アーチ橋で、8連のアーチは日本最多かつ唯一の構造を持つ。1923年竣工の歴史と技術の融合に驚かされた。
青の洞門へ
かつて禅海和尚が30年かけて手彫りで掘り抜いた「青の洞門」は、現在、崩落の影響により通行できなくなっていた。
見頃を迎えたネモフィラの青が、競秀峰の風景に美しい彩りを添えていた。
そして……中津の唐揚げ!
中津グルメといえば、唐揚げ。「唐揚げの聖地」とも称されるこの地の唐揚げは、醤油ベースの特製タレに漬け込まれ、衣だけでなく中までしっかりと味が染みている。
Google mapsで見つけた青の洞門の近くの「むら上食堂」へ。これが美味かった。間違いなく、今日一番のご褒美だった。
羅漢寺への寄り道
サイクリングロードから外れて「羅漢寺」へ立ち寄りした。切り立つ岩山に建つ古刹は、まさに天空の寺といった佇まいだった。