さて、これまで
『大会をするキッカケの話』
『トレイルランニングを知ったキッカケの人』
の、お話を書きましたが、キッカケシリーズ最終章は
『トレイルランニングをやってみよう!と思った、キッカケの人』の話です。
前回書いたように、トレイルランニング大会開催に向けて、
あっちこっちの社長さんたちと名刺交換をしまくっていたわけですが、
小山田さんに「トレイルランニングの原点」に引き戻され、
自分自身の知識不足にも大きな不安もあったため、まずはトレイルランニングレースのスタッフとしてトレイルランニングにかかわることに決めました。
ちょっと話がそれますが、小山田さんは見た目ワイルド系なんですが、慎重に物事を考えて、足元を固めてから進むタイプの方で、反対に私は、足元が固まってるとか固まっていないとか、そういったことは全く関係なく、がーーーーーーーって突っ走るタイプなのです。
昔から『根拠のない自信家』で有名なのですが(笑)、今回こそはそういうわけにはいかないな・・・と。
で、本を読んだり、ネットを見たりするんですが、競技人口が少ないだけに情報も少ないんですよね、トレイルランニングは・・・。
ましてや、当時、私の身近でその競技をしている方は小山田さんしかいないわけです。
なので、この時期から小山田さんの背後霊のように、おんぶに抱っこ状態で
工事の開始終了連絡が会社に入るたびに、
『どうしたらいいの?』
『何したらいいの?』
『何が楽しいの?』
『どこが楽しいの?』
と、質問しまくりなので、きっと相当面倒だったと思います(笑)たぶん・・・
質問しまくりの私も、若干心苦しさがありまして(笑)、やっぱり自分がやるって言うなら、他の大会のやり方を勉強してみなきゃダメよね・・・と、ようやく重い腰を上げたわけです。
その時目前に迫っていた大会こそ
『武田の杜トレイルレース』
でした。
同じ山梨で、しかも近くの甲府市開催ということもあり、これは絶好のタイミングだ!と、ボランティアスタッフの仲間入りをさせていただきました。
早朝4時から、選手受付の準備を始めると、
続々と武田神社境内に人が集まってきます。
みんな寒いのに、わくわく楽しそう。
こんなに寒いのに、今から山を走るようには到底思えないような爽やかさ。
来ているウェアもおしゃれだなーというのが第一印象。
お祓いがすみ、一斉にスタートすると、今度は健康の杜の中でコース誘導の仕事が私に課せられていた為、そそくさと移動。
ちょうど21キロ地点。
ラスト10キロだけど、ここからが武田の杜トレイルレースで一番きついエリアと言われている「健康の杜」入り口付近での誘導でした。
スタートしてまだ1時間経ったか、経たないか・・・
まだまだ来ないだろーと、ゆったり構えていた私のもとに、選手がそろそろ来るとの連絡が入ります
えーーーーーーーーーーー
山道を?21キロもあるのに1時間ぐらいで来ちゃうの?と、びっくり。
でも、もっとびっくりしたのは、その1位の選手が、私の前を通り過ぎる時に
すっごい楽しそうに、笑顔で
「ありがとうございます」
と言って、風のように通り過ぎた姿でした。
その人こそ、菊嶋啓くん。
この年の武田の杜で見事優勝しました。
私の前を通り過ぎる時の、あの楽しそうな顔。
それに、スタッフに対して感謝の気持ちを伝えてくれる謙虚さ。
いままで、トレイルランニングは厳しくて辛いものだ!とばかり思っていた私にとって、菊嶋君のあの笑顔は、トレイルランニングのイメージを大きく変えました。
その後、通り過ぎる選手の大半が
「ご苦労様です」
「ありがとうございます」
と、苦しそうな顔を見せながらも、お礼を言いながら誘導員の私の前を通過していき、
トレイルランナーって、なんて謙虚でしっかりしているんだ!と、心から感動しました。
以前自分で出たマラソンのレースで、誘導スタッフに感謝の気持ちを伝えるなんてシーンは一度も見たことなく
スタッフなんだから、ここで誘導しているのは当たり前って思っていたのに
『寒いのにすみません、ありがとうございます』
なんて言われて、
『いえいえコチラこそ気の利いた掛け声ひとつ出来ずすみません・・・』
みたいな気持ちになり、トレイルランナーに惚れ惚れ。
トレイルランニングがどんなものか知れれば、走らなくても大会なんて運営できるはずって思っていた私にとって
トップの菊嶋君の笑顔と「ありがとうございます」の言葉。
その後に続く選手の苦しくも楽しそうな姿が、本当に心にズキューン!と刺さり、完全に虜になりました。
これがトレイルランニングを始める第一歩です。
そこで早速必要な靴を、買いにエルクへ向かいます。
(エルクについてはさらっと過ごせない程、濃い話がたくさんあるので、後程じっくり、あんなこともこんなことも書くとして・・・)
そのエルクで、なんとびっくり、偶然に菊嶋啓くんに遭遇するのです。
あの武田の杜のレースで感動した以来で、全く面識はなかったので、偶然に会えたことにびっくり。
しかも、菊嶋くん直々に、靴を紹介してくれ、私は初めてのトレイルシューズをGETすることになります。
その後、1年間いろんなレースに連れて行ってくれた、大事な靴です。
エルクで、トレイルシューズを買いたいという私に、当時今よりかなりおデブちゃんで
そのとき、ふがふが言ってる娘も連れて、右も左もわからず、てへへ・・・困っちゃったな~状態のおばさんがトレイルシューズを欲しいって、トップランナーに相談するって、今考えると身の程知らずにもほどがあるという・・・
きっと、あなたじゃ無理だよって言いたいだろうに(笑)そんなこと一言も言わず、丁寧に教えてくれた姿にまた感動し、その後のトレイルランニングレース承知活動が、より鼻息の荒いものになったのです。
いろんなランナーがいるけど、今仲良くしてくれるからとかっていう理由だけでなく、
私は菊嶋君が好きです。
トップ選手なのに、そんなところで悩むの?っていう人間臭いところや、
本気出さなくていいレースでもちゃんと本気で走るところや
足痛いんだから辞めればいいのに、辞めずにゴールをしっかり目指すところや。。。
今年は怪我に悩まされて思うように走れなくて大変だったと思うけど
きっと来年はキラキラ輝く走りを見せてくれるんだろうな・・・と思います。
トレイルランニングを知らないのに
トレイルレースを開催しようとしている私に
トレイルランニングを教えてくれて、その後も行先を示してくれた小山田さんと
トレイルランナーが礼儀正しくて、トレイルランニングは楽しいんだよってことを教えてくれた菊嶋君と
武田の杜トレイルレースがなければ、きっとレースを開催しようなんて、本気で思わなかったと思います。
出会いというのは本当に不思議なもので、
その後、大会開催計画を進めていくにあたって、私は常に周りに恵まれていたと思います。
私は大会をやりたい!と騒いだだけで、後はすべてまわりの方が支えてくれました。
ものすごくまわりの方に迷惑をかけながら、お世話になりまくりで、大会準備は進んでいきます。
次回は、前回の話に出た異業種懇談会と実行委員メンバーとの出会いについて書きます。
この実行委員にどんな人が入るかというのが、大会開催にはものすごい大きなカギとなります。
さて・・・・現在、第2回大会に向けて、事務局はてんやわんや。
第1次ピークを迎えております。
昨年はこの時期からベッドで眠ることができなくなりました。
毎晩こたつで資料作成しながら寝る日々が、約半年続きました。
(そのまま寝ちゃうので、我が家は昨年6月までこたつを片づけられませんでした(笑))
今年は・・・今年も・・・こたつ寝スタートです。
ふぅーーーーーーーーーーーーーーーーーがんばります!!
ではまた。