さて、ようやくここからサポートの話に入ります。
毎度長くなるので、もう完全に自己満足の世界です。
さて・・・
サポート予定の選手の通過予想時刻は、事前に確認しリスト化しました。
予定では、麓W1(46.5km地点)に20:30~21:30の間にサポート選手全員到着予定でした。
しかし大会直前に、本栖湖AS~麓W1の間にコース変更があった為、30分程度前倒しになる可能性があったことと、さっきまで分岐誘導をしていた紅陽台入り口で確認した調子の良さを考慮し、予定の1時間以上前19:00には麓W1に到着しました。
私が到着した時間帯は、トップ選手が通過し終わり、サポートクルーも一息ついたところといったような感じで、エイド内はまだ閑散としていました。
これまで麓W1は、応援の方と選手とサポーターで熱気むんむんの場所というイメージでしたが、
選手サポートができるのは
サポートゼッケンを持っている人のみ
というルールが徹底されており、W1に入る際は必ずサポーターゼッケンの確認がありました。
麓W1に到着したばかりの頃は
「なんだかさみしいなぁ」と思ったのが、正直な気持ちでした。
しかし、そんな思い出に浸っている場合じゃありません。
紅陽台入り口で確認したときに、小山田さん到着の30~15分前に到着していたランナーが次々にW1に入ってくるではありませんか!!
サポートはエイド通過予測時間、ランナーズアップデートで確認する以外に、自分がサポートする選手の手前に来る選手をある程度覚えておかないといけません。
あの選手がきた20分後にさっきは来たな・・・と、準備時間の目安になります。
特に小山田さんから
「UTMFの各エイドの休憩は10~15分程度にしたい」
と言われていたので、ロスタイムが無いように準備をしなきゃいけません。
ばたばたと、飲み物や食べ物の準備を行い、ゲート付近で待っていると・・・
19:27 リューGオヤマダ元気に到着です。
「いやーーーー迂回路きついよー長いーーーほんときついねーーー」
と、竜ヶ岳を迂回したコースが、アップダウンはないものの、しつこく長いと、若干苦笑い気味に、教えてくれました。
水分補給、補給食の入替、ゴミの受取を行い、体調を確認します。
到着前に用意しておいた、ご飯(おじや)も食べて、一緒にサポートしてる五味君とミツキ、そしてこのW1からスイーパーに入るシンヤ君、応援に来ていた小野君など、知り合いと話し、リラックスしている様子。
こうやって、知り合いと会って話をしながら、気持ちを切り替えていくんだな・・・と思ったり、2年前は、もうここでレースを終わりにしようと思ってたら、仲間が応援に来てくれてなんとか通過したんだよな・・なんて思い出して、一人で涙目になる私(笑)
そうこうしていると、ご飯を食べながら、
「右の膝に違和感があるからテーピングをしたい」
と言わます。
そうはいってもここまで46km。フルマラソンを超えた距離。
痛みが出てくるよね・・・と思うものの、まだ序盤だからなんとか膝の痛みが軽減するようにぐるぐるとテーピングをしていきます。
行けるうちに行きたいんだという気持ちが伝わってきました。
出発する直前、振り向き私にこう言います
「松井さん、コーラ入れてくれた?」
そう・・・事前打ち合わせで、各エイドを出発するときの水分についても決めてありました。
■ハイドレーションボトル1→ミネラル飲料
■ハイドレーションボトル2→水
■ザック内→250mlコーラ
忘れずに入れると決まっていたのに、
完全に入れ忘れ・・・送り出していました。あぁ!!とバタバタと取りに行き、急いでザックに入れます。
「慌てないでいいから、しっかりしてね・・・
それと、次のエイドで、着替えを持ってきて。
ファーストトラックとアンダーウェアとパンツよろしくね。
あ、あと、アームも必ず忘れずに」
「了解、任せて!富士宮で待ってるからね!行ってらっしゃい」
と、明るく送り出します。明るく送り出しますが、心の中は不安でいっぱい。なんてったって、天子山塊。山の塊にいまから挑むわけです。。。
麓W1から富士宮Aまでの区間距離は23km。
麓W1の標高が804m。天子山塊最高峰の雪見岳の標高が1605m。
一気に800mも登り、800m登ったからってまだまだ終わらず、いくつもの山や峠を乗り越えて、1336mの長者ヶ岳山頂からは今度は一気に下り、次の富士宮エイドの標高は578m。
750m下らないとたどりつきません。
23kmしかないのに、猛烈な高低差・・・
私も昨年STYに出ていたので、この天子山塊を通過したのですが、全然終わらない上り坂と下り坂にかなり苦労し、もう記憶も定かではありません・・・。
しかも46kmもの距離を、山道を進んできた人が、ライトの明かりだけで登り、降りるわけです。大丈夫、絶対大丈夫って思うけれど、何かあったらどうしよう・・・とか足の痛みが強くなったらどうしよう・・・とか、サポートする側は祈るような気持ちで送り出すしかないのです。
小山田さんを無事送り出し、私と五味くんは、ほっと一息・・・。
でも、ここで私と五味君は途方にくれます。
「ポルシェとゆーいっちゃんから何にもオファーが無いから、何も準備してないけど
あの人たちはなにか食べれるのかねぇ・・・」と。
そう、小山田さんからはしっかり指示があり、
オーマーもミツキに食べたいものや欲しいものを伝えてある。
でも、ポルシェとゆーいっちゃんは、スタート前に預かった小さい袋2つだけ・・・
何が入ってるかの引き継ぎもなし・・・
今回からエイド物品はノンサポートエリアにあり、サポートが取りに行くことはできないので
もし、なにか食べたいと言われても、出せるものがない・・・
果たしてどうしたものか・・・
悩んでいると、小山田さんがエイドを出発して10分後。
19:50
ブーメラン2番手に到着したのは、ポルシェ佐藤でした。
一目見てわかった・・・もうだいぶ疲れている・・・
「ふふふふ・・・足が痛いよね・・・・」
だよね、痛いよね。
笑い方はいつもと一緒だけど、ぜったいいつもより疲れてるよね。
恐る恐る聞きます。
「なにか・・・食べる??」
「うん、なんかちょうだい」
言ったー!この人食べるって言ったー。
なーにーをー食べるのーーー?
わかんなーい!(笑)
とりあえず、私が今朝握ってきたおにぎりを差し出すと
黙々と食べてる。
とりあえず食べてるから、胃は平気なのね・・・と。
じゃあやっぱり足なのね・・・
ポルシェも到着予定時刻より約40分前倒しでIN。
OUT予定時刻は21:00だったので、がんばって前に進むか、
ここでゆっくり休むかどうする?と確認。
「ちょっと・・・寝る・・」
でも、あっという間に「ふふふ・・足が痛くて寝てられない・・・よね・・・ふふふ」
と、起きてしまうのです。
とりあえずマッサージしかない・・・
大会ルールで選手の体に触れてサポートしていいのは1名のみと決まってます。
もうやるしかない。
元セラピストの私、約20分にわたり足を揉みます(笑)
「ふふふふ・・痛いね・・・」と悶絶している間に
20:24
ゆーいっちゃんがW1に到着します。
到着してゆーいっちゃんが言います。
「なんか食べるものあります?」
あーーーこの人も言った、食べ物欲しいって言ったーーー!
今度はミツキがオーマーのためにせっせと握ったおにぎりを差し出します(笑)
そしたらポルシェも言います
「おにぎり、まだある?」
だよねー食べるよねー食べたいよねーーー。
もう、ミツキ握り、松井握り、そして最後は小山田さんワイフのまーちゃんが作ってくれたおにぎりも提供(笑)
でもって、ゆーいっちゃんは膝の骨が痛いと言うもんで、
今度は五味くんが入念にマッサージ。
二人とも足が痛いと苦痛の表情だけど、胃が元気で救われました。
食べれないとやっぱりパワーにならないし、
これから向かう山のためにも、少しでもエネルギーを貯めておいてほしかったので。
マッサージしたり、食べたり寝たりして、
21:00すぎ、疲れも痛みも引きずりながら、W1を出発していきました。
二人が出発して10分後。
オーマー元気に到着です。
オーマーはよく喋る。
ずっと喋ってる。
でもって、ちゃんとマイペースで来れたようで、元気。
「きついっすーーー」
って言いながら元気。
よく喋って、しっかり休んで・・・
「痛いところないなら早く出ないと、天子で渋滞に引っかかるよ・・・」
と声をかけると
「ですよねー」
と言うけど、なかなか出ない。
でもこの気持ちわかる・・・
休みたい・・・休みたいよね・・・
出なきゃいけないってわかってるけど、なかなか立ち上がれないこの気持ち、すごいわかります。
でも送り出さないと、次の山が大変なんだからと、心を鬼にして
「早くでろ!」と追い出します。
と、追い出したのに、なかなか出ない・・・
しかしサポーター進入禁止ゾーンに入るわけにもいかない・・・
なんか、水を入れたり、荷物を入れ替えたり、なんかしてる様子・・・
大丈夫か?と心配になりつつも手出しできない・・・
21:50
ようやくブーメラン全員がW1を出発します。
ファーストサポートエリアなのに、疲労感が半端ない(笑)
気が付けば、ボリュームゾーンの選手が到着し、
W1は大賑わい。
W1スタッフの方も本当に大変そうでした。
それでも笑顔で選手を迎え入れ、出発の時にはエールを送り、本当に暖かい場所を提供してくれました。
本当にありがとうございました。
さて、サポートエリアの椅子に座れない選手がちらほら出てきたので、
私たちは速やかに荷物を片づけ、W1からようやく脱出です。
選手4名、駐車場滞在も合わせて約3時間この場所にいたのです。
ああ、やっぱり長いサポート日記だ・・・
だってまだ160kmの46km地点です。
続きはまたこんど。