実は20kのショートレースは超久しぶり。
トレイルランを始めた年にいまや幻のハセツネ17k、富士山麓トレイルラン(18k)、鎌倉アルプストレイルラン(24k)に出てからは、何故か40k以上のミドル〜ロングレースにばかりエントリーしていた。
一度ロングレースに出ると、(実力は棚上にして)「なんとなく20kでは物足りないかも」などと思ってたりしたのだが、それもまたとんでもない勘違いであることを知る。
トレイルに入り登りが始まると、若干失速気味なランナーが出てくる。トレイル自体は広くないので、「右通ります!」と声をかけながら、前に進めるところは進んでいく。街中から数十分なのに、けっこう山の中である。伊勢は山が近い。
石川さんプロデュースというと、「走れるコース」というイメージがあるが、伊勢の森もそんな感じ。標高10m程度からコース最高地点は550m。それほど高くなく、急登も少ないのだが、逆にいえば走ろうと思えば走れるゆるい登りが続く。走り苦手のぼくだけど、走れるところはなるべく走るように頑張る。
今回のウェアは神流の時とほぼ同じ。OMMの変わりにTNFのSpeedster Jacketを着てスタートしたが、登りになりすぐに脱いだ。20kのレースは上記のように久しぶりなので、何を持ったらよいかいまいちわからず、とりあえずドリンクと塩熱サプリ、ジェルふたつ。
シューズはまたしてもNIKE FREE TRAIL。レース途中、なんと同じシューズを履いている方を発見!トレイルで初めて見たよ!
思わず話しかけると、大会などをプロデュースされている方でNIKEとつながりあるらしい。とりあえず写真を撮り合うw
そこからゆるく走れるトレイルが続くのだが、IBUKIの向井さんとご一緒になり、世間話しながら走る。こういうのもなかなか楽しい。
しばらくして10k地点のエイドに到着。600人規模のレースなのだが、エイドは飲食系が充実していた。ここまで無補給だったので、アクエリアスとコーラと水を2杯づつ。のどが乾きやすいタイプなのです。
楽しそうにしているが、実は凄まじく寒かった!というか風が強くて冷たい!昨年参加されていた方も「頂上付近は風が強かった」と言っていたが、たしかにハンパない(今考えると上着を着ればよいだけの話なのだが)。Buffを首に巻いて先に進む。
それにしても寒い中、選手を迎えるスタッフのみなさま、ありがとうございます。
少し下って、さらに登る。このあたりは先を進むランナーとすれ違うエリアがあって、「ファイト!」と声をかけてくれるランナーの方がいたり、自分が後続のランナーとすれ違う時は「頑張りましょう!」と声をかけたり。こういうのも悪くない。
最高地点の朝熊山に到着。そこからけっこう長めに下り、17k地点の第二エイドへ。このエイドも充実していた。
それにしてもスタッフのみなさんがすごく元気で、大きな声をかけてくれる。
「あと少しですよ!」
「頑張りましょう!」
エイドやスタッフさんのいるところは、その声が聞こえてくるのですぐわかる。こういうのって普通に出来そうでなかなか出来ないと思う。たくさん元気づけられました。ありがとうございます。
「あと3kか。3時間はきれそうな感じ」と思ったのだが、そこからの残り3kで超ウルトラ大失速! 登りはツラい、下りもツラい、平地もツラいと、手がしびれていたのでハンガーノックだったのだろう。そういえば結局補給はコーラとバナナ一切れだけだった。燃費が悪いタイプなのです。
それでもひーこら言いながら、なんとかゴール。残念ながら3時間は切れなかったけど、今年最後のレースをとにかく完走できてよかったです。
ゴール後は所用があったので急いで着替えて五十鈴川駅行きのバスに飛び乗った。まだお昼の12時。午後がまるまる使えます。
20kのレース。4〜50kのミドルレースや100kのロングレースとは違った難しさと面白さがあった。とにかく作戦なしの全力疾走。走り嫌いのぼくには新鮮な体験だった。
そして、レース自体の時間がミドルやロングと比べて短いので、午後を自由に使えることが出来る。始めに書いた「20kは物足りない」というぼくの思い込みは「走る」というアクティビティに限った話であって、トレイルランの魅力はそれだけではないはず。
ロングトレイルランニングレースはよく「旅」に例えられる。たしかに100kや100mileといった距離の移動は旅の感覚が味わえる。
“Journey”といった趣き。
対して今回の伊勢のように歴史のある場所を走り、その土地について学び、そして観光する。楽しむのはコース上だけではなく、行程すべてが喜びなのだ。
“Trip”。そう、これはTrail Tun Short Trip(トレイルランショートトリップ)だ。
来年はいろいろな土地を訪れて、トレイルランショートトリップを楽しみたい。