このところトレイルランニングに関するネガティブなニュースを目にする。
それもあってか「トレイルランに逆風が吹いている」ような空気感を感じなくもないが、本当にトレイルランに逆風は吹いているの?
個人的に思うのは、世の中ネガティブなニュースはインパクトがあるので目につきやすく、ポジティブなニュースよりも印象に残るのではないだろうか。ぼくは格闘技や二輪レースも好きなのだが、よい結果などは専門メディア以外で目にすることはないが、試合中やレース中に亡くなったというニュースはYahooトップにもなる。よいニュースのほうが断然多いのにね。
話をトレイルランに戻せば、今年は新しい大会がいくつも開催され、関連アイテムは増え、メディアでの露出も目立ち、逆風どころか超追い風の印象がある。そしてマナー問題は随分前から問題視されていたのが、ここに来て噴出しているのだと思う。MMAでも特定非営利活動法人 四国スポーツ環境リレーションさんの「TRAIL RUNNNING 10 RULE&MANNER」を随分前に掲載させていただいたけど、なかなかこのようなモラル&マナーが浸透していないということなのだろう。
浸透していないということは、山の常識を知らない新しいユーザーが増えている、つまり追い風の裏返し。新しいカテゴリーでは切っても切り離せないことなのだと思う。そうした状況に関しては鏑木さんを中心としたアスリートのみなさまが発起人になって「トレイルランニングの未来を考える全国会議」が開催されるようで、業界による地盤作りも始まり、山に根付くアクティビティとして幅広く認知されるのかどうか、今が大切な時期になっていることが感じられる。ただし、これも新しいカテゴリーであれば当たり前のこと。問題はあるにしろ、前進であることには間違いがない。
もちろん、ぼくたちトレイルランナーたちの自浄作用が草の根的に効いてくることも間違いない。ぼく(MMA)も何度も書いているけど、自分が気をつけるだけではなく、仲間うちでも注意しあったり、見知らぬ人でも一声かけたり。アクティビティに夢中になるあまりモラルやマナーを忘れてしまう人が多いようにも見受けられるので(気づかないというのはかなり問題ではあるが)、ちょっとした一言をかけあうだけでも充分効果がある。
つまり、何が言いたいかというと、必要以上にネガティブな空気感を自分たちで感じることはないと思う。生みの苦しみといったら大げさかもしれないけど、膿みを出すようなもので健全になるためには起こるべきして起こることであり、それは長期的に見ればマイナスではなくプラスなのだ(と市民ランナーながら思いたい)。
と、ここで告知。蚊取り線香塾第二講を開催します。今回は奥多摩を舞台としたナイト練。初心者向けではありません。100k、100mile完走を目指す方向けで、ある程度のトレイルラン経験者が対象、参加資格も設けさせていただいています。
蚊取り線香さんはUTMB、TDSなどを完走されているけど、厳密にはトレイルランナーではありません。前回の塾の際にも大きなザック(トレイルラン用ではなく登山用)を背負っていて、その中には参加者の安全を守るためのツールが入っていた。トレイルランの講習はたくさんあれど、そこまでしてくれる方は何人いるのか。
それは蚊取り線香さんに根付くDNAがアルピニストだから。だから今回参加していただく方には蚊取り線香さんの山の知識を少しでも身につけていただき、それを新しいトレイルランナーに伝えることで、山というフィールドで少しでも登山者とトレイルランナーが理解しあうきっかけになればと思っています。
今回は75kと42kの2コースです。季節的なことだったり夜間行動だったり、楽な行程ではありませんので、目標や経験値、実力に見合ったコースを充分ご検討の上、選択していただければと思います。みなさまのご参加をお待ちしております。
※今回は山岳保険加入を参加資格とさせていただいています。またRASSLIN’&CO.主催となります。