翌日はA9二十曲峠へ。
余談だけど、河口湖から二十曲峠へ車で送っていただいた方はUTMF/STYの全体地図や高低図などをデザインしているデザイナーさんだった。ご自身もトレイルを走るということで、ぼくも含めてトレイルランニングが好きな人がUTMF/STYには多く関わっている。
二十曲峠ではまだUTMFの選手が10人ほど過ぎたくらいだった。連日の雨天によるコンディション悪化のため、全体的に想定したペースより遅れている様子。なんとA3富士宮までで半数近い700名がリタイアしているとのこと。UTMF史上最大の難レースだ。
STYの選手含めてボリュームゾーンはまだまだ先。とりあえず来る選手に声援を贈る。
50人ほど通り過ぎた頃、本部から新たな指令が届く。
「A10フジショウニイドウセヨ」(A10富士小で人手が足りないので、そちらに回ってください)。
傭兵部隊はA10に向かった。
A10に着いた時間は、ちょうど先ほどA9で見送った選手が到着する頃だった。
実は先に書いたように想定より選手の到着が遅れているため、サポーターの滞在時間が長くなっている。結果的に駐車場が満車になってしまったため、来場する車を4ヶ所ある近隣の駐車場に手際よく誘導するという大役を申し付けられる。
サポートに来る方、応援に来る方、関係者。みなさんが土地勘があるわけではないので、丁寧に駐車場をご案内する。サポーターは荷物が多いので、なるべくエイドに近い駐車場を確保。
駐車場では多くのラン友やFB友達、スタッフの方々にお会いした。サポーターで来ていたり、プレスとして取材して回っていたり、FBでつながりがあって初めてお会いしたり。みんなが自分が出来る形でこの大会に関わっている。
もちろん選手としてレースに出ているラン友もたくさんいて、東京、秋田、山梨、静岡、大阪、広島、九州、etc… トレイルランニングが日本中をつなげてくれて、UTMF/STYという大きな大会だからこそ同じ場所に集った。
そういえば夜間に突然鏑木さんが来たので「ご無沙汰しています。渋井です。覚えていらっしゃいますか?」とご挨拶したら、「もちろん覚えてますよ。アールビーズに入社しちゃったのかと思いました(※)」とお返事をいただいた。覚えていていただきうれしいかぎり。
(※)23日夜の全体運営スタッフミーティングでアールビーズスタッフのみなさんと一緒にいたので。
何故鏑木さんが夜間に来られたかというと、STYに出ているセバスチャンを応援するためでした。「セブー!」と大きな声で声援されていました。(たしかセブと呼んでいたような←小ネタ)
ここまで700名以上がリタイアしたため、残り気味の吉田うどん。みんなに食べていただきたくてInstagramにアップしたけど、考えてみたらランナーはInstagramどころではない。
明け方近くになり、駐車場も一段落。エイドに戻っていたら、「渋井さん!」という声が。振り返ってみると5月の蚊取り線香塾練習会でケガをしてしまった大野さん!
UTMFに出ること、大事な時期に怪我をしてしまったことで気になっていたのだけれど、この難レースで最後のエイドまで到着していた。まだまだ元気そうで、時間的に完走は間違いない。
そして何よりもうれしかったのが、怪我をした際にお見舞いでお贈りしたMMAのウェアを着ていただいていたこと。こんな大切なレースで。
怪我をして下山する際に大野さんは「UTMFを目標にしていて、でも追い込むレースは一区切りしたい」というような話をされていた。目標達成おめでとうございます。そして(追い込まないタイプの自分が言うのもなんだけど)まだまだ苦しくて楽しいトレイルランニングレースはたくさんあると思う。
完走してもなお、もっともっとトレイルランニングを楽しんでいただきたいと思った。100マイルの先にある喜びは、100マイラーでないとわからない。
(続く)